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286話:海で悪魔召喚っ!

ブックマークが…170人になった…!!

嬉しすぎて涙がで、出ますよ…(台無し)

「シアンちゃん頑張れーっ!」


「右右!ああ行き過ぎ!」


殺人バレーボールの後は、海でのお約束であるスイカ割りとなった。目隠しして必死にスイカを探すシアンは可愛い。


「…だけとスイカが可愛くない…」


置かれているスイカが……いやそもそもあれスイカなのか?目玉ついてるじゃねぇか。トゲトゲした口も付いてるしよぉ…


「わっ!やったー!みてみて、ぼく魔スイカ割れたよ!」


「凄いな、シアン」


「えへへ…!」


魔スイカという聞き慣れない物を棒で叩き割ったシアンは、ピョンピョンと元気に跳ねながら俺に報告してくる。可愛い奴だ。


「美味しい……日本のスカイより旨いかも…?」


スイカのくせして甘いじゃねぇか…!これは日本で食ってたヤツよりも旨いぞ!てかスイカ自体食べるのは久しぶりのだ。だから旨く感じるのかもな。


「アキラ、魔スイカ食べ終えたら何する?」


「んーそうだなー……そろそろ腹も減ってきたし、バーベキューでもすっか!」


「ん…!いいね、それ」


もう用意されているバーベキューセットを準備した俺は、炭に俺の小さな火で点火する。いや~初めて役に立った気がする。


そして用意周到なバンガロー風のホテル内には、キチンとバーベキュー用の肉や野菜なのどがある。何の肉なのか、何の野菜なのかは検討もつかないが、食べれるヤツなんだろう。


「私バーベキューなんて初めてしたわ。こうして外で食べるのも中々いいわね」


「おっ!お嬢様のローザも気に入ってくれたか!口に合わないかもって少しだけ心配してたんだけど良かった」


美味しそうにお肉を食べながらそう言ったローザに、俺は鍋奉行ならぬバーベキュー奉行をしながら笑う。すると珍しくローザも微笑んでくれた。…いいな、こういうの。出来る事なら学生自体にしたかった。

そんな事を考えるながら笑っていると、俺の水着を誰かに引っ張られる。


「ん?どうした、ミル」


「ボクも一応…お嬢様なんだけど」


「あっ…ああー……そうだったね」


「………」


…何故そこで無言で見つめてくるんだ…?え、なに…?俺はどうすればいいんだ…?もしかしてミルもお嬢様扱いされたいとか…?ウッソだろ?ミルがか?


──バカだなぁ、そこは『美味しいですか?お嬢様』とか気の効いた事を言ってあげるもんだよー?やれやれ、まったくアイボウ君はこれだからいけない。いいかい?そもそも女の子を扱うにはだね────


ベリトの話しは長くなりそうなので、俺はミルの目を見て、ベリトの言った通りイケボで言う事にした。


「お…!美味しい…ですか…?お嬢ぅ…様…?」


「…!うんっ…!美味しいよ…!アキラが焼いてくれたから…かな?えへへ…!」


あっ……(ワンキル)

いやいいっすね…!あざといってやっぱいいっすね!!ミルみたいな美少女がやってくれるだけでももう十分ニィ…!パワーが出ますよ。


「え、えっとね…?これも美味しいから、アキラに食べてほしい…!」


「お、おお…!ありがとう。……えっと、ミル?フォークから手を離してくれないと俺食べれないぞ?」


「んっ!」


「いや『んっ!』じゃなくてさ…」


「んぅ~~~っ」


早く食べろと言わんばかりに、俺の口元へとフォークを差し出すミル。

なんだこの可愛らしい生物は……本当に俺と同じ生き物なのか…!?そ、それに皆からの視線が痛すぎる…!そしてこの展開も痛すぎる…!!どうした急にとツッコミたくなる展開だが、嬉しくもある。だから俺は…その誘惑に負けました。


「どう…?美味し…?」


「うん……お、美味しいよ…!」


「…!そっか…!それなら…よかった…!」


なんだこの甘い展開は…!やべぇぞ…!このままじゃ今まで築き上げてきた俺のカッコいいクールな男としての威厳が崩れ去ってしまう…!

落ち着け…!天道明星、お前はイケメンなろう系主人公…!女の子に自然と好かれるようになっている男だ…!…………よしっ!OK!!


「アキラ、お前顔真っ赤だぞ」


「…ッ!!うっせぇぇぇぇ!!」


そしてアキラはその場から走って逃げた。その顔は茹で蛸もビックリな程に真っ赤ッかだったそうな……


「ミル、貴女も顔が赤いわよ」


「そ、そうかな…!ボクはいつも通りだよ…!?うん…!」


パタパタと顔を扇ぎながら、空に浮かぶ雲を眺め始めたミル。この場いる全員がミルがアキラに対して抱いている感情を知っている為、ミルが照れている事は手に取るように分かっていた。


「きょ、今日もいい天気だね…っ」


話を反らそうとしてなのか、ミルは唐突に天気の話へと話題を強引に変えようとした。

だが誰1人として文句を言う者はおらず、ただ黙ってミルの話に乗ったのであった。





「はあっ…!はあっ…!あっつ!耳があっつ!!」


暫くの間、俺は無我夢中で砂浜の上を走った。常夏の太陽のような日差しを浴びただけでは説明がつかない熱さが顔全体に広がる。


──ぷははははっ!!アイボウ君もうさいっこう!!アイボウ君の中にいるから分かるけど、スッゴイ羞恥を感じてたねーっ!


「黙っとれ!ベリト!!」


ベリトのいつも通りの茶々に吠えながらも、俺は来た道へと振り返り、歩き始める。このまま帰らなかったらお肉全部食べられてしまうからな。恥ずかしいけど…肉食いたいんだ…!


「………あ、そうだ。今の内にさっきの悪魔学に書かれてた悪魔召喚ってヤツ、試してみようかな…」


──おお…!遂に悪魔を従える決心がついたのか!私は嬉しいぞ。アキラならば、きっと私達悪魔にふさわしい主となる筈だ!


「いやいや…なんか盛り上がってる所悪いけど、そんなんじゃないよ」


──…?では一体なんの為に…?


珍しくテンションが上がっているバルバトスの言葉を否定すると、彼は分かりやすくテンションを落としてそう聞いてきた。


「いやね?さっき悪魔召喚のページをパラパラっと見てみたんだけどさ、下級悪魔の召喚方法が載ってたんだよね。シアンが擬人化した今、俺達のパーティーにはマスコット枠がいるんだよ」


──は、はあ……そうなのか…?


今一理解してないバルバトス。そりゃそうだわな。下級とはいえ、その為だけに悪魔を召喚するんだから。


「そもそもお前らはみたいな上級悪魔には生け贄がいるんだから、少なくとも今は無理だろ」


確か下級悪魔の召喚方法は円形の魔方陣を書いて、その中心に術者の血を垂らす事で可能だった筈。その魔方陣も上級悪魔召喚よりも断然簡単で、なんなら子供でも書けてしまいそうな程単純な魔方陣だ。


「ふんふんふん~♪」


砂浜に指で魔方陣を描き、そしてその中心へと自分の血を垂らす為に噛み切る。…け、けっこう痛いんだな…

ま、まあ何はともあれこれで召喚可能となった。


「出でよ…!俺の悪魔!!」


俺は手を力強く合わせ、そして地面へと両手を置く。別に深い意味は無い。ただなんとなくこういう事をしたくなっただけだ。



「待っていた…!ワタクシはこの時をずっと待っていました…!!」


「あ、あれ…?」


なんだか様子がおかしい……今声がしたような…?

砂浜に描かれた簡単な魔方陣からは紫の電気がバチバチと弾け、魔方陣の中心からは黒よりも黒い漆黒の煙が異常な程出ている。


「下級の悪魔の割には演出が豪華だな……これも異世界クオリティーってやつか」


長いパチンコ演出を見ているかのように、俺は感心しながらその様子を眺めていると、、


──なぁぁに召喚してくれちゃってるのさっ!!?ヤバイヤバイ!!早く逃げてよアイボウ君っ!!


「え、は!?いきなりなんだよ!?」


──いいから今は私達の言う事を聞くんだ!!いいか…!アキラが召喚したのは下級なんて悪魔じゃない…!あれは…!


パニック状態のベリトと、何か告げようとしたバルバトス。だがバルバトスの最後の言葉を聞く前に、漆黒の煙を裂くかのように白い腕が伸ばされ、煙を消し去った。


「クフフフ…!嗚呼…!なんて素晴らしい日なんだッ!!長らく待ち望んでいた事が漸く起こるなんて…!!」


漆黒の煙の中から現れたのは、俺が脳内で考えていたフワフワしたマスコット枠の悪魔などではなく、薄紫色の髪をした黒いトレンチコート…いや軍服?のような執事服を着た男だった。


「おっと失礼致しました。歓喜のあまりお恥ずかしい格好を御見せしてしまい申し訳ありません」


男は胸への手を置いて、俺に向かって綺麗な一礼した。なんだこの人…


──いいかアキラ…!お前が召喚したのは下級悪魔なんかじゃない…!コイツは…!


「ワタクシの名前はラプラス。どうぞラプとお呼びください、我が王よ」


──コイツは私達と同じ上級悪魔…!それも世界関数のラプラスだ…!

(強化イベント)ハイ、よーいスタート

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