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27話:ポルト到着!からの労働!

これより二章。

ここから本格的に異世界王国物にしてきます、お付き合いください。

「はぁ…!はぁ…!っ…んぁ……」


世界でも見掛けることは少ないであろう2m近くの巨大蛇に追い掛けられた俺。何とか向こうさんは諦めてくれたようだ。


「初っぱなからやべぇよ!村からすぐ出てこれかよ…」


さい先がとても悪い。まぁ逃げ切れたからよしとする。それより現在地だが、、


「………うん、迷ってない。あぶねぇ…また迷ってたら笑えなかったぞ…」


今回は蛇だったので、左右に回り込まれたりとかしなかったから助かった。森の道を結構走ったから、多分もう少しで森を抜けて草原に出る筈だ。



歩くこと数十分。

ようやく森の終わりが見えてきた。森を抜けるなんて異世界初日以来だ。


「んっー!気持ちー!!」


その風が俺の頬を優しく撫でる。眩しい太陽が俺を照らす。草や花がとても綺麗。そして地平線から何やら近付いてくるオレンジ色のナニカ。



ん…?オレンジ色の……ナニカ…?


「ん?んんー??」


俺は目が悪い方では無いが…あまりに遠くてよく見えない。なんだあのオレンジ色の物体は…飛んでるのか…?


「…っ!不味いっ」


俺のなろう書が警戒警報を鳴らす。

何故かはわからない。だが、隠れなくてはいけない気がした。


俺は急いでUターンし、森の茂みに飛び込んだ。



そして…ヤツは姿を現した。煩い羽音と共に…


「っっ!!!???」


『んだアレッ!??蜂!?スズメバチか!!?デカ過ぎんだろ!サイズ考えろボケが!!』


よく町を走ってる大型トラックと言えば伝わるだろうか…ヤツのサイズはまさにそれ。しかも両手にバカデカイ刺?ランス?が付いている…

わかるか…?この恐怖か…


『……てか羽音うるっっっせぇぇぇぇぇ!!!!』


ヤツは1匹だけなのだが、鼓膜を破壊されるレベルの羽音が俺を襲う。

しかも森を行ったり野原に行ったりとうろちょろしている。あれ…もしかして…俺探してるとか……無いよね?ね??


「ちょっ…俺虫マジで駄目なんだって…」


一緒に出演させたいなら事務所通せ!!

って言ってもしょうがない。俺はヤツがいなくなるまで待つことにした。


30分後

「ふわぁ~…ねっむ」


30分茂みに隠れ続けたが、いまだにヤツは滞空中。行ったり来たりの繰り返し…もうしばらく待ってみよう。


1時間後

「………っ…痒」


茂み隠れておよそ1時間。ずっと隠れていたせいで、肌がかぶれて痒い。俺肌弱いんよ…

てかいい加減にどっか行け。


1時間半後

「……………あ、やっと行った」


辛抱強く、肌の痒みにも負けずに息を潜めて隠れる事1時間半。ようやく…!ようやくヤツはどこかへ行った。


「んん~~っ!腰が…」


立ち上がり、腰を捻るとバキバキと気持ちいい音が鳴る。後腕と足首痒っ。


「アイツのせいで無駄に時間使ったな。ま、いっか。別に急いでる訳じゃないし」


まぁポルトの町で竜車に乗らなきゃいけないので、急いでるっちゃ急いでるけども。


そこからまたドデカイ蜂を警戒しながら俺は野原を少し早足で歩いた。

2時間程歩き続けると、何㎞か先に町らしきものが視認できる。どうやらあれがポルトらしい。




「へぇー、ここがポルトか!思ってたより大きな町だな」


町に入ってすぐの商店通りを見ながら呟く。思ってたより人も多いし、建造物もそれなりにある。


何時に竜車が来るか分からないので、その辺を歩いている人に聞きながら竜車乗り場へと向かった。


「んー…と?次の竜車到着が子刻の裏か。んで…出発が卯刻の裏か」


到着が日本時間で午後12時。大体お昼頃に到着するらしい。そこから3時間後の15時に出発らしい。到着時刻は何時だろう。


「んー時間があるな。どうすっか───あっ」


広場にある、この世界独特の時計を見ながら腕を組んで時間の潰し方を考えながら、再度時刻表を見ると、俺は冷や汗をかく。


「竜車代金…!やべぇ…すっかり忘れてた…」


ボランティアでやってる訳も無い竜車。当然代金はいる。その額、大銀貨1枚と銀貨1枚。日本円で6000円。


俺は急いでショルダーバッグを開いて漁る。お金が入った小さな巾着を取り出し、左手をお皿にして巾着を逆さにして振る。


「あ…あぁ……そんな……」


巾着から出てきた硬貨は、大銅貨10枚と小銅貨5枚。1050円だ。圧倒的に足りない…

俺はその場に膝から崩れる。


「不味い不味い不味い!!次の竜車はまた1週間後だぞ!?野宿?またフリューゲル家にお世話に??バカ言え!!んなのできっか!!」


取り敢えず、竜車乗り場前で騒ぐのは迷惑になるので、俺は町の広場のベンチへと向かい、座る。


「どうする…!俺は一体どうすれば…」


金が足りない。死が隣に迫るような戦いの次に迎えたピンチがまさかの金欠。


「いや、待て。金が無いなら稼げばいい」


ただいまの時間、午前9時。竜車出発まで残り6時間。ならば急がねば…!


──────────


「オイ若ェの!!んだァそのへっぴり腰はァ!!もっと腰入れろ!!」


「ウ、ウッス…」


「声が小せェ!!」


「ウッス!!」


場所は変わってポルト町からほんの少し離れた山。そこは魔石が取れる事でそこそこ有名な鉱山だ。

そこで俺は…鉱夫としてバイトに勤しんでいた。


「ウラァ!ウラァ!ウラァ!」


つるはしでガンガンと魔石を取り出していく。何で俺が鉱夫として働いているか。それはポルトで散々仕事を探した結果、日払いでは中々見つからなかった。その時丁度鉱山へ向かう鉱夫達を見掛け、必死に頭を下げて事情を説明し、なんとか働かせて貰ったのだ。


労働時間は5時間程。それ以降はとある魔物が出てくるので、危ないらしい。俺にとっては助かる話ではあるのだが。


「はぁ…はぁ…はぁ……キッツ…」


つるはしの扱いは、斧とはまた違って大変だ。慣れない労働のせいで、体力がどんどん奪われていく。

前世も兼ねて、俺より年上のおっちゃん達はガンガン魔石を掘っていく。体力もそうなのだが、まず体に筋肉が違いすぎる。流石としか言葉がでない…



「うしっ!!今日はここまでにすんぞ!!」


「…あ……終わったー…」


ボスの合図で仕事が終わる。つるはしを地面において、俺はその場に座り込む。


「お疲れ、若ェの!!少し休んだら魔石運べよ!」


「ウ、ウッス!」


ほんの少しの休憩の後、麻袋らしき袋へ魔石を入れていく。今回とった魔石を袋に入れ、荷竜車へ乗せる。


「おしっ!全員乗ったなァ!アイツが出る前に出発するぞ!!」


『アイツ…?あっ…(察し)』


出るわ。これは出ますわ。

中々の確定演出っすわ。いやぁ~キツイっす。


そして出発してから数分後…


「出たぞォ!!ヘルキング・ホーネットだ!!煙幕を張れ!!」


「ホラ出た……」


現れたのは、俺が目撃したあのバカデカイスズメバチ型の魔物。うるっっせぇ羽音と共に現れる。

おっちゃん!煙幕薄いぞ、なにやってる!!


「これ大丈夫なんですか!?」


「ハハッ!心配いらねぇ!この煙幕は特殊でな、ヘルキング・ホーネットが嫌いな煙なんだ」


「あっそうなんですね…」


やっぱそういうのは用意してるのか。なら()()だな!


「……なんか様子がおかしいな…?いつもならすぐに逃げてくんだが…」


おい待て、やめろ!

そう言うと───


「ボ、ボス!!アイツ逃げて行きません!」


「不味いな…」


ほれみろ、言わんこっちゃねぇ!

実際には言ってねぇけど。


巨大スズメバチは張られた煙幕を突っ切り、段々と荷竜車へと接近してくる。今もなお煙を焚いてはいるが、やはり逃げてく様子は無い。


「うおおぉぉぉ!?やべぇ、どうしよどうしよ!!俺初級火魔法しか使えねぇよ!!」


虫は火が嫌いだった筈。そう考えた俺は、すぐに[火花(ヒバナ)]を着火しようとした。


「ま、待て若ェの!今火なんかつけたら───!!」


「──え?」


ボスの言葉を聞き終わる前に俺は[火花(ヒバナ)]を使用した。すると、、


「うわぁぁぁあああ!?!?」


舞っていた煙がまさかの大爆発。

凄まじい爆発音と共に熱風が荷竜車を襲う。


「熱っっっうううぅぅぅぅ!!!!」


全身を襲った熱風は、竜を刺激して加速。更に爆発に巻き込まれた巨大スズメバチは撃墜する。何か上手くいった。


………計画通り。


「凄ェ!!やるな若ェの!!……熱っ」


「うぉおお!奇跡だ!!…熱」


「あのヘルキング・ホーネットを落としたぞ!!……熱いな…」


なんかよくわかんねぇけど上手くいったっぽい。おっちゃん達から感謝の言葉を言われる。後…熱い。


「よっしゃ!!今のうちに逃げっぞ!!」


「「「「おうっ!!」」」」


「お、おう!」


漢連中の野太い声が上がる。俺も少し遅れたが声を上げられた。


こうして何とか巨大スズメバチ、ヘルキング・ホーネットから逃げることに成功した。








「うわっ…肌が赤くなってる…」


火傷はしなかったが、この後少し肌が赤かった。


この世界の通貨。1枚単位

聖白金貨:100万円

白金貨:50万円

大金貨:10万円

金貨:5万円

小金貨:1万円

大銀貨:5千円

銀貨:1千円

小銀貨:500円

大銅貨:100円

銅貨:50円

小銅貨:10円

鉄貨:1円

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