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261話:要求提示

最近急にブックマークが増えてるんですよ。ありがたいと同時に嬉しいですね、励みになります。

よくもまぁこんな拙い小説に150人以上が期待し、応援してくれるもんだ…(歓喜)

「はぁっ…!はぁっ…!っ……やっと着いた…!」


広いバルバレス内を走り続ける事1時間弱。夕日に染まっていた街並みはすでに日が落ちており、繁華街が輝き始める時間になってしまった。


「いない……くっ…!どうする!?」


お祭りが終わった事で帰る人がごった返す駅前広場で、ミル達をまるで迷子の子供のようにキョロキョロと探す。そんな最中、脳内ではベリトがずっっと喋り続けるという地獄。この広い国内で合流できないという更なる地獄……


──とまぁこの話は一先ずいっか!それでぇ?アイボウ君はこの後どうするの?残念ながら君の同伴の人間にぼくの住みかを爆発されちゃったし、そこを寝床には出来ないよー?ぼくはアイボウ君の中にいるからいいけどねっ


「うるさい…黙ってろ、頼むから。お口チャック!」


──お口チャックっての息をするのはいいの?その他に咳とかあくびとかはっ?いいの?ダメなの?ねぇどっちなのー?


「やかましいッ!」


ずっとこの調子なベリトに、思わず俺はそう返してしまった。誰とも会えない事で凄い焦ってるというのに、ベリトは自分語りばかりでホント頭おかしなるで。



「やっと見つけた……心配した…」


「っ…!ミ、ミル…!?」


誰かに肩を掴まれ、振り返ればそこにはミルがいた。ややジト目なのは気になるが…うん、今は合流できた事を素直に喜ぼう。


「俺も探してたんだ…!このままこの広い国で1人で夜を明かす事になる所だった…」


俺は持ち物全てをローザに預けているので、文字通りの文無し。これで完成してしまった無知蒙昧にして、天下不滅の無一文!…だ。


「大丈夫、ボクが絶対に君を見つけてみせるから。どんなに離れても、僕が迎えに行くよ」


「ミル…!」


「でもその前に……その服の汚れ、何?転んだ、そんなレベルの汚れじゃない。まるで戦ってきたかのような汚れだね」


おふっ……成る程、ジト目を向けていた理由はそれですか。流石戦闘のプロ、汚れだけで戦いがあった事を理解するとは……“なろう系主人公“並に観察力あるやん。


「まあ…話は後で聞く。ローザ、怒ってたよ」


「ひぇっ…す、救いは無いんですか…?」


「無いよ」


ガシッ!と掴まれた手。ミルの手は氷のように冷たいが、それが何故だが更に恐怖心を煽る。この後俺は説教されるのだろうか…心は30歳なんだけどなぁ……精神年齢は中学生だけど。…うーむ……これもうわかんねぇな。






場所は駅前から変わってバルバレスのとある宿。そこで俺は…ミルからの説教を受けています。ええ、ローザさんではなくミルさんに怒られてます。

皆の待つ宿で、当然俺が何をしていたのかを聞かれた。勿論誤魔化したさ。でもミルには戦っていた事はバレてるし、ローザは何故か俺の嘘を100%で見破ってきやがる…!女の勘ってやつだろうか。


「あまり心配を掛されるんじゃないわよ…また何かあったって心配したのよ?」


「ごめん…」


「ボクも心配した…でもそれ以上に怖かった……アキラがボクの前から消えたから…」


「ごめんなさい…」


あの時俺が先頭を歩いていたのがいけなかった……手札誘発を持ってなかったのが悪いレベルの理不尽さではあるものの、俺は全てを受け入れ謝罪。プライドは捨てます…


「さっ!アキラ君のお説教はこれくらいにして、どこかご飯を食べにいかないっ?私もうお腹ペコペコっ!ねっ?そうしよっ?」


「僕もお腹が空いてるんだよな、どっかの誰かさんがプラプラしてるから昼飯抜きだったし…」


場の空気を変えてくれたルナに、心の中で感謝しつつ、俺を探す為に皆昼ごはんを抜いている事に申し訳無さを感じていた。


「え…ソル、お昼食べてないの?」


「え?ああ、ずっとアキラを探してたからな。皆もそうだろ?」


「…いいえ、私達は休憩も兼ねてお昼を取ったわよ?」


「え…?」


あっ…(察し)

なんかごめんな、ソル……今度何か美味しい物をご馳走するよ…


───────────────


「さて、お前はいつ俺の中から出ていってくれるんだ?何か気になる事がある度に脳内で喋られると困るんだけど」


──えぇー?そんな寂しい事言わないでおくれよー。ぼく達はまさしく一心同体っ!切っても切れない間柄じゃないか。あの日ぼくに救いの手を伸ばしてくれたアイボウ君こそが運命の相手っ!うーん、こういう物語のような展開、嫌いじゃないなぁ~。やっぱりアイボウ君もぼくに運命感じるよねっ?だってこんなにすんなり君の体に入れたわけだし。あれかな?嫌よ嫌よも好きの内ってやつ?


「ふざけんな、勝手に無理矢理入ってきた来たくせに。後お前1回の話が長いんだよ。話の内容大分変わってるじゃねぇか」


──まぁまぁ、ぼくはあの駒達以外に、たまに来る冒険者?としか会話をしないんだからさっ。少しくらい付き合っておくれよ、こう見えてもぼくって結構寂しがり屋なんだよっ?それにこうして誰かと話せるのは本当に久し振りなんだ♪酷いんだよ?冒険者達ってばぼくの話を無視して斬りかかって来るんだから。ホントやになっちゃうなー


長い……ベリトの話が長い…

要するにあれか?話せる事が嬉しくてついつい長く話しちゃってるって感じか?たまにそういう奴いるけど…大体が友達いないような地雷が多いんだよなぁ。

俺は『はぁ…』と溜め息を吐いた後、ベリトの話を強制的に終わらせる為に口を開いた。


「お前が俺の中にいる理由はなんだ?自身の再生が終わるまでの隠れ蓑のつもりか?」


──おっ!あっはは、バレてるかー。はい正解、聖白金貨1枚プレゼント!


「ふざけるな、お前みたいな奴を再生させて世に放てるかよ。ホントは“72柱“の一員であるベリトを追い出したくはないが……お前のような奴は危険過ぎる」


──あっはは!ならどうする?ぼくを追い出すかい?どうやって?ぼくに直接干渉できるような力が無い君が?あっははは!こんな面白い話は無いねっ?


「………教会にでも行けばお前を消せるかもしれないぜ?」


──へぇ…面白いね。でもいいのかい?悪魔を体外に出すのはかなりの金と痛みを伴うって話らしいけど。


ベリトの言う通り、俺には体内にいるベリトに干渉する事は出来ない。以前体内にレヴィ達がいた暗い場所へと行こうとしても行けない今、本当に干渉する事が出来ない。

教会でならもしやと思ったが、どうやら当たりらしい。痛みくらいならいくらでも我慢できる。死ぬ痛みを何度か味わっているんだなら余裕だ。


──まあいいよ、アイボウ君は本当に教会に駆け込みそうだからね。今回はぼくが折れてあげるよ。そうだなぁ…君の中にいる見返りとして、ぼくの力の一部を使わせてあげるよ。どうかな?


「お得意の契約ってやつか?大体お前は何が出来るんだ?」


──そんな堅苦しいモノじゃないよ。口約束みないモノだしね。君がぼくを体の中にいさせてくれる間は、ぼくの能力である【精神干渉】と【人操糸(じんせいそうさ)】、そして【部位変化】を使わせてあげる。悪くないだろ?


確かに望ましい力である。

上記2つはあまり印象よくなさそうだが、指を刃物のようにしていた【部位変化】は魅力的ではある。ただ1つ問題があるとするなら、、


「お前は俺の精神にどこまで影響を出す?お前は人間を操る事に特化した悪魔…あまり中にはいさせたくない」


──ああ、その事なら心配はいらないんじゃないかなぁ?君には大天使の加護があるからね、精神汚染には強いと思うよ。


大天使の加護だと?そんなモノを授かった覚えは無い。だが思い返して見れば、ベリトと対峙した時も天使の気配がすると言っていたが……まさかラミエルか?


ふと左目に手を当てると、優しい暖かさを感じた。まるで誰かに護られているかのような心地いい温もりだった…


「そうか…ラミエル、君が……────分かった、お前の要求を呑む」


──あはっ!では改めて、これからよろしくねぇ、アイボウ君っ♪

やってるエグさは、悪魔の中でベリトが今のところぶっちぎりで1位でしょうね。


因みに、アスモデウスは女性限定での暴行、殺人、補食、性犯罪などなど……コイツも中々のクズです。

サタンはそれらしい大きな事は起こしていません。サタンと敵対するような事が起きた時のみ、膨大な規模で破壊を繰り広げます。ある意味厄介な女です。

レヴィアタンは……産まれて間もないのでね、悪い事をしていません。…強いていうなら、幸福な国と言われていたリンガス王国を滅ぼした程度ですねっ!

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