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229話:親友との再開

展開が遅いんだよなぁ…

ルミナス聖国を取り囲うカルネージ帝国の兵士達。前線には屈強な装備の兵士がおり、その後ろには大きな投石機。そして最後に魔法兵が備えている。

それに対してルミナス聖国の兵士の姿は見られず、どうやら国を守る城壁の上から魔法や矢を放っているようだ。だがその数はとても少なく、何故こんな事態になっているのかが理解できなかった。


「何でだ…!?ルミナスは騎士共に魔法使いはトップレベルの筈だぞ…!?」


そこで先程戦争から逃げてきたと言っていた男の言葉を思い出した。

それはルミナス聖国に“強欲“がやって来たという事を、、


「何で“強欲“が…!いやそれよりも何故“強欲“が来ただけでここまで劣勢になる…!?」


“強欲“が何を目的にこの国へとやって来たのかは分からないが、聖剣士が3人もいるこの国がここまで堕ちかけているとが分からない。

だがこうなった以上、俺が取る行動は決まっている。


「渦へと呑み込め…![水竜渦(リザイアサン)]」


1滴の黒い涙が膨張し、それは巨大な水球へと変わる。その水球を地上に向けて放つと、それは黒き水竜へと変わり渦巻く水流の如くカルネージ兵を呑み込んでいく。


「あそこだッ!!」


「な、何でここに“悪魔宿し“のテンドウ・アキラがいるんだ!?」


一部の敵兵が俺の存在に気付き、邪魔者を落とそうとかなり高度な魔法を連発してくる。

危険視されている俺に対して、手を抜かずに殺そうとしている事に感心しつつ、それだけの魔法を放てる余裕がある事にも驚いた。MP消費の激しそうな派手な魔法ばかりだからだ。


「まあ、効かないんだけどな。───[嫉妬罪(レヴィアタン)]」


視界内の異能を消せる力の前では高度な魔法だろうな全てが無意味と化す。

そして敵の攻撃を無力化した俺は、未だに地上で暴れ狂う水竜を天へと登らせ、破裂させた。


「なんだこれは…?水の…球体?」


水竜が破裂した事で生まれた空中に浮かぶ小さな水球。それはまるでシャボン玉のようにフワフワと浮かんでおり、戦地と化しているこの場所には違和感この上ない。


「死ね───[擬似神之怒(きじメギド)]」


頭上にある水球から太陽光を受けた瞬間、目では追えない、まさしく光速。1秒間に地球を7周半する速さは伊達ではない。一瞬にして反射に反射が繰り返され、敵兵達を断末魔さえも上げさせぬまま数百人を殺す。


「ッッッ…!!?があああ…ッ!!────ぐ……まだまだ練習がいるな…!」


反射された光線が俺の右足を消し飛ばす。まさか自分の技で自分がダメージを負うとは思わなかった。今のは相手からの攻撃ではない為、損脚+再生の際の痛みによって意識が飛ぶ程の激痛を受けてしまった。


「これだけ消せば少しは時間を稼げるか…?」


今ので脚を失った痛みを入れても、これだけの兵士を減らす事が出来たんだ、見返りは大きい。兵数をかなり削られた今、新たに隊列を組むには時間が掛かる。

俺は[擬似神之怒]によって出来た無数の穴を見下ろしながら、俺はルミナス聖国の兵士達からの攻撃も避けながら国へと侵入した。


─────────────


「街が…死んでる…」


ルミナス聖国へと侵入を果たした俺は、常時街中を忙しく走る騎士達から隠れながら行動していた。

明るく綺麗な街並みで、国中の人々が楽しく生活していたルミナス聖国の面影はもはや感じられない程に朽ちていた。


「見たところカルネージ帝国の侵入はされてはいなさそうだが……この荒れようは“強欲“によるものなのか?」


新聞の見出しを見て、いてもたってもいられなくなってここまで急いで来た事を悔やむ。

何故ここまで荒れ果てているのかは分からない。やはり“強欲“の仕業なのだろうか。せめて住民でもいれば聞き出せたのだが、騎士以外の気配を感じないこの国ではハードルが高過ぎる。


「…!そうだ、ジェーンの屋敷は大丈夫なのか?」


ルミナス聖国の裏で戦っているのかもしれないが、正門前ではルミナスの騎士達はおろか、聖剣士達の姿も確認出来なかった為心配だった。俺は上手く建物の影などを利用しつつ、空を低空飛行してジェーンの元へと向かった。







「…まぁ閉まってるわな」


随分前に1度だけ来た事のあるフラム家の屋敷の門は閉まっていた。戦争中なんだ、六剣の一角であるフラム家が駆り出されない訳がない。人の気配も感じない事から、使用人達も国外へと逃げているんだろう。


そうこうしている内に壁の方角から爆発音が響き渡る。どうやらまた攻撃が始まったようだ。

この国にミルという少女がいるかどうかは分からない。だが少しでもここにいる可能性があるのなら俺はこの国を守りたい。

そう心に決めた俺は壁外へと向かおうとした時だった。



「アキラ…か?」


「…!ジェーン!?うわ、久しぶ─────うっ!?!?ど、どうしたジェーン!?」


「バカ野郎…!死んだって……聞いてたんだぜ…?心配掛けさせやがって…」


振り向くとそこには俺の親友、ジェーンが立っていた。彼は俺の言葉を遮ると、突然俺を強く抱き締める。それはとても強く、暖かい。そんな彼の目元を見れば、うっすらと涙を溜めているのが分かった。


「ごめん…心配掛けさせちゃったみたいだな。でも俺は生きてるっ!カッコ悪い事ばかりだったけどこうしてギリギリな!」


「ったく…お前は変わらないな。生きててくれて、本当に良かったよ」


「ははっ…ありがとう、ジェーン」


鼻をすすって笑ったジェーンに、俺も釣られて笑みが溢れる。なんだか久し振りに笑った気がする。そう思った時、、



「楽し、そうだね…アキラ」


「うおっ!?レ、レヴィか…!ビックリした…」


背後からネットリと粘着するような声が耳元で囁かれる同時に、俺の体に回される手。背後からの突然のハグ。それを行ったのはレヴィだった。


「置いてく、なんて……酷い、よ…」


「ご、ごめん…!急ぎすぎた…」


「えっと…アキラの彼女か?まあ積もる話もあるからよ、少し上がっていけよ。…今の状況についても聞きたいだろうしな」


何故男であるジェーンに敵を見るような目線を送っているか分からないレヴィをよそに、俺はジェーンの言葉に頷いた。真剣な声と表情、それだけ見れば何があったのかは大方予想がつく。だがどんな結果だろうが、きっとろくでもない事なのは確かだろう。

俺は唾液を飲み込み、腕を絡めてくるレヴィと共に、フラム家の屋敷へと入った。

文字数も少ないんだよなぁ…

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