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227話:焦燥感

そろそろ新章。

レヴィの案内で俺を迎えに来てくれた道を飛ぶ俺とレヴィ。もう翼を扱うのも大分慣れ、縦横無尽。錐揉み飛行だって可能だ。ここまでのレベルになったのにはシアンのお陰だ。


「わかっちゃいたがやっぱり遠いな……」


「これ、も全部……あの悪魔、のせい…」


あの悪魔、それは言うまでもなくメランコリーの事だ。レヴィから聞いたのだが、アイツはマジで性別は女を()()()()()らしい。

何でもレヴィを始めとした“七つの大罪“の悪魔には性別が無いそうだ。


「アキ、ラは……男の方、が…好き?もしそう、なら……わた、しは男に────」


「いや、やめてくれ。マジで」


何故こんなツインテ美少女から男になる必要があるですか?まあレヴィが美少女なのを考えれば、男になっても美少年なんだろうけど……それはそれで嫉妬してしまいそうだから勘弁だな。


「っと…そうこうしてる内に次の街か」


そうは言ったものの、俺はあの街には入らない。いや、入れないと言った方が正しいだろう。完全に俺のせいだ。ここは異世界だってのに情報が伝わるのが早すぎる。これより先に来てた主人公達が文明の開拓でもしたのだろうか。列車もあるしな、この世界。

しかも王都とかの大きな国だと、極々一部で携帯電話なる物が流通しているらしい。完全に先を越されている。


「やりたい事の1つだったんだがなぁ……はぁ。てかそもそもこの世界に主人公多すぎるだろ!!」


今までに主人公だなって分かる奴を3人も見てるし会ってる。しかも俺がこの世界に来る更に前から異世界人はいたようだし……うーむ…壊れるなぁ。

日本どころか、地球より広いんじゃないかと思えるこの異世界で、こんなに高確率会えるのはおかしい。新聞なんかを見てみれば、偉業を成したとかで日本人の名前をチラホラ見かけるし、それだけ多いという事だろう。


「もれなく全員が日本人ってのが笑えるわ」


何かで読んだが、日本で転生・転移が流行ってるから、状況を理解してくれる日本人が選ばれるらしいが、実際の所どうなんだろうか。


『あの少女が言っていた言葉も気になるし……何かのキーになる筈だが、情報が少ないのもあっていまいち理解が出来ない』


異世界候補だのリコスが俺を選んだの……何かが引っ掛かる。そもそも俺は何で選ばれたんだったが…。確か…異世界に行きたいと1番願っていたからだった気がする。それだけ言われて、俺はすぐにリコスから異世界の説明を受けたんだったな。


『確かに今考えれば色々とおかしい……リコスは俺の願いは他の部署に届いていたと言っていた。つまり五月蝿い俺を事務的に異世界へと飛ばしたという事だ。なのにあの少女はリコスが俺を選んだと言っていた。これは一体どういう事なんだ?』


何故だが考えが纏まらない。

まるで何かに邪魔でもされているかのように、答えを出せない。まいったな…俺が唯一異世界で通用する長所だってのに。





「痛ッ!!?」


「危ない、って……言った、のに…」


考え事をしながら飛行し続けた俺は、目の前に迫る壁に気付かず衝突。痛い、額に受けた傷を再生させる事が。なんだか変な感覚だな。


「ここ、は龍の山岳(ドラグ・マウンテン)……この山、を越えるのは…無理、だよ……」


「へぇー、そんなに高い山なのか?それとも名前の龍が関係してるのか?」


「どっち、とも……正解。ここの山岳、は高過ぎる……アキラ、の肺…が耐えられない。何よりここ、は……数少ない龍種、がいる」


なにそれ会ってみたい!!

っとと……いけないいけない、俺の悪い癖だ。興味の引かれる事に何でも飛び込むのはホント悪い癖だな、気を付けなくちゃ。


「だか、ら……迂回、して…比較的安全、な竜の渓谷(ドラグ・バレー)から……行こう」


そっちもかなり気になるが、今はやっぱり合流が先だ。時間が経つにつれてどんどん焦っていくのが分かる。何故ここまで焦っているのかは分からないが……


「なあレヴィ、あれって……」


「そう、だよ……あれが龍種」


山岳の凄く上に僅かに見えるそのシルエットは、まんま【蜘蛛ですが】に出てきた地龍アラバだ。えっ何?他の作品の方が出てるの?え……不味くない?ほら、著作権的にさ…?


『似て異なる個体だが……うん、一応モザイク掛けよう』


俺は脳内で鉱石らしき物をボリボリ食べている龍種にモザイクを掛けて一安心。

なんだが卑猥なモノが映っているようにも見えるな……それは俺が邪な心があるせいか?うーむ……


──────────────


龍の山岳と竜の渓谷を越えてから暫くが経った頃だった。また次の街が近付いてきた所で、何やら魔物に襲われている行商人を見付けた。

当然イベントっぽいから助けに入る事にした。


「あれは確かCランクの魔物だったかな?──そりゃ!」


訓練も兼ねて、[黒炎(こくえん)]で作り出したリング状の刃を魔物目掛けて空から投げる。

見事魔物にヒットし、胴体を綺麗に切り裂くと同時に魔物の体が激しく発火した。……素材が取れないという予想外の結果に、少しショックを受けつつも俺は行商人の元へと降り立った。


「えと、大丈夫でしたか?」


「…!君が助けてくれたのかい!?いや本当に助かった!!まさか殺人蟷螂(デス・マンティス)に遭遇するとは……護衛代をケチるもんじゃないな…いやはや反省」


「無事で良かったです。怪我とかも……うん、無さそうですね」


「そうだ、何かお礼を────ヒッ…!?」


荷台から何かを持って降りて来た行商人は、俺の顔を近くで見た瞬間顔面蒼白になった。


「な、何でこんな所にテンドウ・アキラが!?ヒィィィ!!お、お助けーっ!!」


「あ、ちょっ…!…………行っちゃった…」


何かを手渡そうとした荷物を投げ捨て、行商人は竜車を走らせて逃げていってしまった。

正直ショックだった。助けてもあの反応をされちゃうと、何とも言えない気持ちになる。


「はぁ………ん?これは……」


「どう、したの…?」


行商人が落としていった物の1つに新聞があり、それが風によって俺の足に張り付いた。

レヴィと共にその新聞を読み込むと……


「え…?」


そこにはルミナス聖国の六剣が“強欲“によって敗北し、重症を負ったと大きく書かれていた。


「……え…?」


「顔が、青い…よ?アキラ…」


心臓の音が五月蝿い程鳴り響く。

何故俺は六剣が敗北した…?そんなバカな事があるのか…?ジェーンを始めとした聖剣士が()()もいるってのに…!



「4人…?ルミナスには聖剣士は3人しかいない筈だが…………何で俺は今4人って言ったんだ…?────ッ」


頭痛がする。

それでも俺はこの急かされるように気持ちに答え、目的地へと急ぐ。


「アキ、ラ…!?道はそっち、じゃない…!」


「ルミナス聖国に行かなくちゃダメなんだ…!!今行かないと絶対に…!後悔する!!」


俺は背後から叫ぶレヴィへと必死にそう叫ぶと、レヴィはそれ以降黙って俺の横へとやって来る。


「よく、分からない……けど、アキラを…信じ、る。行こう」


「本当にいつもありがとうな…レヴィ」

ダラダラ書いてたら、大分ミルが出てない。

ヤバっ。

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