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219話:何で…?

着実にブクマが増えていく……ホントありがたい限りです。

「このっ…!化物がッ!!俺達の国から出ていけ!!」


「痛っ…!やめろ…っ!!」


男の怒号に続くように、民間人からの罵声がどんどん大きくなっていき、やがてそれは投石という形へと変わる。


訳が分からなかった。

俺には【次元の裂け目】を呼び寄せる力は勿論無いし、ましてや俺はむしろ被害者と言っていい。何故俺がそんな仕打ちを受けなくちゃいけないんだ…?俺が…悪魔と契約しているからこんなに俺を嫌悪するのか…?


「なんだよ……こんなのって無いだろ…!」


向こうは戦う力を持たない奴らばかり。殺すのも黙らせるのも簡単だ。だがそれをしてしまえば、俺はアイツらの言う通り化物で最低な男に成り下がる。


「……フテラ、俺はもう行く。後は自分で何とかしてくれ。…じゃあな」


こみ上げてきた怒りを深呼吸で必死に抑えると、道具屋で横になっているフテラへとそう声を掛けた後に俺はこの場から走って逃げる。

逃げ出す前に、フテラが何かを言っている気がした。だが俺はもう誰の声も聞きたくない。両耳を塞ぎ、まるで子供のように後ろから石を浴びながら逃げ出した。


─────────────


アキラがこの国の住民から罵声や非難をされている時と同時刻。【次元の裂け目】のすぐ近くの上空で動きがあった。


「はあ…!はあ…!くっ、化物め…!これでも倒れないのか…ッ!」


「あっはははは!!無駄なんだよねぇ~、君は動きはホントに分かりやすいから避けるのが簡単簡単♪」


少しずつだが確実にダメージを受けているサリエルと、傷を全く負っていないベルフェゴールことメランコリーは、息を切らすサリエルを嘲笑うように笑顔で笑う。


「地上もいい感じに盛り上がってるねぇ~♪アハッ、アキラもいい感じに曇ってきてるよぉ~♪」


フードから僅かに見えるその顔は、紅潮しているメランコリー。何故そこまで彼に入れ込んでいるのか、それがサリエルには理解出来なかった。


「何故そこまでテンドウ・アキラに入れ込む…!これ以上彼を闇へと落とすな、ベルフェゴール!!」


「はぁ~うるさ。頭のお堅いお前には分からないさ、アキラの凄さね」


「何…?────ッ!!貴様ッ!!また逃げるのか!!うぐっ…!」


クスりと笑ったメランコリー。その次の瞬間には両手から竜巻を発生させ、それをサリエルへとぶつけたメランコリーは地上へと高速で降下する。


「お前の相手はまぁ…この後の面白い事の後で、ね…♪きっと君もビックリするよぉ…!」


最後にそうニヤリと笑いながら言ったメランコリーは、サリエルの視界から消える。それはまるで風のように一瞬で。


「この後の面白い事だと…!?くっ…!ベルフェゴールめ…!」


この街にいるであろうベルフェゴールを見付けるため、奴が1番向かう可能性が高いテンドウ・アキラを捜索させる為に部下の天使達へと[神令]を一斉に出す。だが返ってきた返事は、、


「“嫉妬“と交戦中だと…!?」


天使達から返ってきた連絡は本来テンドウ・アキラの体内にいる筈の“嫉妬“レヴィアタンとの交戦報告だった。


そんな中、1人だけ違う反応をする天使がいた。それは同期のラミエルの補佐である、フテラからの連絡だった。


「何…?テンドウ・アキラと接触しただと…!?」


フテラからの報告によると、テンドウ・アキラは上空の【次元の裂け目】を起こした犯人だとこの国の住民に罵倒され、どこかへと走って行ってしまったらしい。


──申し訳ありません、方角までは…


「いや、十分な情報だ。感謝する」


情報をくれたフテラへと感謝の言葉を述べたサリエルは、[神令]を解くとすぐさま【次元の裂け目】を破壊する。人為的に発生させられた穴はとても脆く、大天使であるサルエルならば一瞬で消す事が出来る。

だが地上の惨劇の原因を消したにも拘わらず、表情が暗いサリエル。


『不味いぞ…悪魔と契約した者は少しずつ心が闇へと堕ちていく。それが最上級悪魔なら尚更だ…!』


フテラからの情報によると、テンドウ・アキラはこの国の者に理不尽な言葉を受けたと言っていた。その理不尽な出来事に、彼が更に闇へと心を堕とされる可能性がある。


「…!まさかベルフェゴールが言っていた面白い事とはこの事かなのか…!?くっ…!!」


テンドウ・アキラを利用した最悪の事態を起こす可能性がある。そう考えついた瞬間にはサリエルは6枚の翼を大きく動かし報告にあった場所へと急いだ。


「彼をベルフェゴールに接触させてはならない…!」


────────────


「はぁ……はぁ…はぁ……っなんだよちくしょう…俺は善意で魔物達と戦ってたってのに……」


主人公らしい事がしたかった。確かにそれもある。だがそれ以上に見て見ぬ振りは出来なかった。だから戦っていたというのに……


「俺は皆の為になる事がしたかったのに……」


傷だらけの住民達。その全員から強い恨みを感じさせる視線と、その言葉だけで人を殺せてしまいそうな罵声に怒号。


「何で俺が……こんな事を…」


理不尽だ、おかしい、ありえない。

そんなに悪魔と契約している俺が悪いのか?元々街を破壊したって噂も、聖道協会からの被害をこれ以上出さない為に俺は動いていた。

今回だってそうだ、俺は正しいと思った事をした。何もしていないのに命を狙われるのは理不尽だ。そんな奴、殺したって何も問題は無い。


「俺は…正当化しているのか…?今まで起こった事の全部が俺のせいなのか…?俺が……悪いのか…?」


分からない。何が正しくて、何が間違っているのか。


「…ッ!うぅ…!!?」


考えれば考える程頭が痛くなっていく。

足元が覚束無い、視界が歪んでいる。

体が重い。鉄の塊でも背負っているかのように。

とうとう立っている事と出来なくなった俺は、路地裏にあるゴミ捨て場へと倒れ込んでしまった。


「──────」


一瞬倒れた弾みで嫌な昔を思い出してしまう。

クソみたいな時間を過ごした学生時代の事を……




「良かった……まだ奴とは接触していなかったか」


そんな時、誰かがこっちに向かって来た。

逃げなくては、そう考えていても体が言うことを聞かない。それでも俺は、地面を這いつくばってその場から逃げようとする。


「待ってくれ、俺は君に危害を加えるつもりは無い…!」


「誰だ……あんた」


半信半疑で振り返った俺は、声の主へと視線を向ける。こんな薄汚れた路地裏には場違いな程綺麗な白い変わった服装をしている銀髪に眼鏡を掛けた青年が立っていた。


「俺はサリエル。君には天使、と言った方が通りはいいかい?」


「ッッッ!!」


天使。その言葉を聞いた瞬間全身に鳥肌が巡り、ドッと大量の冷や汗が流れるのを感じた。

それは目の前の男の正体を知っているからだ。サリエルはただの天使じゃない、大天使だ。それは今まで戦ってきたラミエルやウリエルと同じ大天使という意味だ。


「待ってくれ…!さっきも言った通り、俺は君に危害を加えるつもりは毛頭無い!ただ話をしに来たんだ」


「話…?」


もう力が残っていなくても、体に鞭を打って[黒水(こくすい)]の粗末な剣を造り出して向けた俺を落ち着かせるサリエル。


「俺は君について知りたいんだ、何故あそこまでベルフェゴールが固執するのかを…」


「………それに関しては俺にも分からない。何で付きまとうのかをな……悪いがサリエル、アンタが求めているような情報は俺には無いよ……」


「そうか……。なら───」



「いたぞ!!テンドウ・アキラだ!!」


サリエルが続けて何かを言おうとした瞬間だった。サリエルの言葉を遮るように、男の大きな声と共に甲冑の音が近付いてくる。まるで狙いしましたかのように、誘い込まれたかのように、、


「騙したのか…!?」


「ち、違う!これは偶然だ!」


「信じられるかッ!!!どいつもこいつも俺を敵視しやがって…!俺は悪くない…!悪くないんだ!!」


「待て!誤解だ!俺は本当に何も──」


「黙れ嘘つきがッッ!!」


深い憎しみと殺意。そして歪な形をした憤怒を宿した瞳をしたアキラの気迫に、サリエルは言葉が止まってしまう。


「う、うわあああああああああ!!!!」


アキラはその瞳に深い憎悪と恐怖、そして“憤怒“を宿したまま、サリエルに背を向けて走り出した。そのまま反対側の通路から逃げだそうとしたアキラだったが、、












「待ってたよぉ~♪アキラぁ…!!」


「うッ──────」


逆光をその背中に浴びた黒尽く目の男がアキラの前へと立ち塞ぎ、その腕をアキラの腹部へと突き刺した。



「さぁ…!新しい力だよぉ~♪君のポテンシャル、僕に篤と見せてよ…!」


黒尽く目の男は、歯を剥き出しにした笑みでそう言うと、アキラの腹部からその手を抜いた。

あっ……(察し)


大罪悪魔が強いと感じるでしょう。奴らは単騎が強いんです。

逆に天使の方は、人間と組んだ方が強い力を出せます。そもそもウリエルを始めとした大天使達は、力を封じられていますから。

……ていう設定です。

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