213話:キャラチェンジ!
そういう事です。
酔っ払いの喧嘩を楽しんだ俺は、最後まで責任を取ってジャッジを行った。勝ったのは青い服を着た兄ちゃんだった。友達同士の喧嘩だとさ、めでたしめでたし。
「アキ、ラは…喧嘩好き、なの…?」
「え?んー……まあどちらかと言えば好きだね、やっばガチンコであればあるほど燃えるよ」
「へぇ…?わた、しにはよく…分からない、な」
「嘘つけ!俺から生まれたんだから分かるやろうが!」
俺のツッコミに、レヴィはとぼけ顔で首を傾げる。こんちくしょうめ…!可愛いからって許されると思うなよ!?許しますけど!!
そして翌日の朝の事、、
素性を隠して取った宿にて目覚ました俺は、体に感じる重みに違和感を覚え、頭を動かして理由を探る。
「おい…何をしている…」
「ん…んん………あっ…おは、よう…アキ、ラ」
「おはようさん。──ってそうじゃねぇ!何故レヴィがこのベッドで寝てるんだよっ!?」
なんか【ありふれ】で見たことある展開だが……いいのかこれは…!?こんな童顔少女と1つのベッドで寝るのは事案なんじゃないのか!?
……【ありふれ】も金髪ロリと寝るという何気にアウトだし…平気か。平気か…?
「アイツ、の臭い……消す為、に」
「アイツ…?うおっ!?痛い痛い痛いッ!!」
アイツは恐らくメランコリーの事だろうか?嫉妬の悪魔らしく、メランコリーに嫉妬しているようだ。
だがそのギュッ!って俺を抱き締める力をもう少しだけ抑えてくれないだろうか。俺死んじゃうよ?
「ほら、バカやってないで着替えるぞ!───ってなななっ!?なんで裸なんだよバカっ!!」
初めて女性の裸を見た…!だが悔しいのはヒロインではなく、契約者のレヴィという所だ。
確かにレヴィは可愛いのだが…!違うんだ!もっとこう…!愛を育むみたいなねっ!?(童貞願望)
「どう、したの…?元気、無い」
「確信犯め…!」
何とかあの場を切り抜けた俺は、レヴィと共に街を歩く。ああいう過激なモノを見ても、鼻血って出ないもんなんだな。
胸に2つ爆弾仕込むとか反則だろ、いい加減にしろ。
『それにしても視線を結構感じるな。…当然か』
謎の狐面の男に、ボサボサ髪にボロボロのドレスを着ているレヴィ。どう見ても怪しい。俺なら脱獄でもしてきたのかと疑ってしまうだろう。
「早くレヴィの姿を整えよう。よく見たらお前靴も履いてないんだから」
「う、ん…?わた、しは……変だとは、思わない……けど…アキラ、がそう…言うなら…」
今一こっちの常識は理解出来ていなさそうなレヴィ。当然だ、生まれたばかりだし。後俺から生まれちゃったからね…きっと抜けているんだろう。
そんな事を考えながら、俺達は服屋へと向かった。
「いらっしゃいませー!」
元気で明るい女性の声が聞こえてくる。ここの店の服は若い子が着るような服が多く、見た目が15歳くらいのレヴィには丁度いいだろう。
「レヴィ、好きな服を選んでもいいけど……これっ!ていうのある?例えばこの色がいいとか」
「………………特に無い、かな……服はなんでも、いい……でも、色は黒…がいい」
店内を見回したレヴィは、無表情のままそう言った。やはり可愛い服とかは興味が無いらしい。でも黒が好きなんだな、把握。
「んー…すいません、この子に似合いそうな服を頼みます。色は黒ならなんでもいいそうなので。値段は特に気にしなくていいですから」
「畏まりましたっ!」
俺が選んであげようと思ったのだが、女の子の服には生憎興味が無い。唯一出てくるのも、どうしても連想するのがヒロインが着ているような少し変わった服ばかりだから、ここはプロに任せよう。
女性店員はレヴィの全方位から素早く確認した後、素早く店を走る。凄いな、どこに何があるのか理解している動きだ。店長だな、あの人。
「こんな感じでどうでしょうっ!」
「おお~!」
更衣室へと入っていった女性店員とレヴィ。店員に勝手に触れられて、怒って殺したりしないか少し心配していたが平気だったようだ。
「え、と……どう、かな…?」
「可愛いよ、似合ってる!」
ここは男なら全力で可愛いと言いましょう。もっとお世辞抜きでレヴィは可愛らしい服装になったんだがな。
結婚式とかで着てそうな黒いミニドレスが可愛らしい。ちょっと透けてるレース?がポイント高いな。
『……うち、黒率高くね?』
俺、全身黒い服。ローザ、黒いゴスロリドレス。ソルに至っては蒼と黒の服装だからレヴィの色と完全に被ってしまっている。なんか暗いパーティだな…w
「後は髪型だな。折角可愛い服着るなら拘ろうぜ?」
「う、ん……よく、分からないけど…やる」
小さく微笑んで頷いてくれたレヴィ。素直。
近くに美容室みたいな所はあるのだろうか、そう考えながらお代を払おうとした時だった。
「あのー、差し出がましいかもしれませんが……私、髪を整えられますよ…?」
後ろで控えていた丸眼鏡の地味な子がおずおずと手を上げ、そう言った。
服のセンスがいいこの店だし多分安心だろう。折角ならお任せしよう、そういう意味でレヴィへと目配せをすると、頷いてく答えてくれた。
「ではお願いしますね」
「は、はいっ…!任せてください!」
緊張気味なものの、嬉しそうにパァッ!っと表情を明るくして笑う店員さん。うっ…!眩しい!!
そして約10分後、、
「で、出来ました…!」
「おおーッ!!」
終わったようなので、レヴィの元へと戻るとそこにはツインテールに左目を隠すという濃いキャラヘアスタイルのレヴィがいた。
正直性癖にぶっ刺さりました。今はきっと外人4コマ並に盛り上がっている。俺だけだけど。
「なん、だか…変な気分、に…なる、ね…」
少し恥ずかしそうに手を後ろへと持っていたレヴィは、視線を反らして少しだけ頬を朱く染めている。
「ありがとうございましたーっ!」
「…………」
そしてキチンとお会計を済ませた俺は、表情が死んでいた。何故ならお金が殆どと吹っ飛んだからだ。本当はこの後寄ろうと考えていた魔道具屋さんは完全に中止。くっ…!認識阻害のフードを買う予定が…!
「……♪」
買ったばかりのドレスのスカートをヒラヒラとして、嬉しそうにしているレヴィ。
ああ、分かってるよ……幸せなら、OKです!これでいいんだろ!!?これで……
レヴィアタンの姿や情報など、まだフワフワしていると思うで、ここに残します。
七つの大罪の“嫉妬“を冠する悪魔であり、悪魔の地位は最上位。
肩によりも少し長いツインテールであり、左目を髪の毛で隠している。
瞳の色は黒ずんだ蒼であり、ハイライトが抜け落ちた死んだ魚のような目をしている。若干タレ目。
病的に色白く、物語では現状1番の細身。
能力は相手の力を消す事であり、視界外も人物まで任意で消せる。もう1つが[黒水]であり、高い毒性のある黒い水を無限に生み出す事が出来る。攻防両立可能。
今回も作者の趣味全開です。
世の中の作品のヒロインは全部作者の趣味だと思っています()




