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210話:老化

弱体化ッ!(迫真)

「あ…れ……ここ、どこだ……?痛っ!」


目が覚め、体を起こすとそこは全く知らない部屋だった。山小屋と言った感じの造りで、フリューゲル家を思い出す暖かい室内だ。ルカ君リオ君達は元気にしてるかな……


『レヴィアタン、起きてるか?』


──う、ん……起きてる、よ……アキ、ラの生命力が回復、したから…ね……


『そっか、それは良かった』


体内にいるレヴィアタンから元気そうな声がする。か細い声ながらも、それなりの長い付き合いだからなんとなく分かる。


『…?なんだか同じように長い付き合いの人がいた気がする………またあの三つ編みの子か…』


思い出せもしない彼女。やはり何度深く考えても思い出せない。ダメだと小さく溜め息を吐いた瞬間、部屋の扉が開かれた。


「おんやぁ?おお、起きたんだねぇ」


「誰……ですか…?」


部屋に入って来たのは眼鏡を掛けたショートボブの女性。白衣を着ており、手にはマグカップを持っている。なんと言うかザ・医者って感じがする女性だ。


「ワタシはリドリー、しがない医者さ」


「あ、えと!俺を治してくれたのって…」


「そうさ、ワタシだっ!瀕死の君を拾ったのはねぇ。君、ホントに運がいいねぇ」


バッ!っと手を広げて『ふふふふふっ』と不気味に笑うリドリーさん。白衣が長いのか腕が短いのか知らないが、袖から手が出ていないのが可愛らしい。よく見ればチョーカーもしてるし、クマもある。属性が多くね?


「そうだったんですね……ホントありがとうございました…!」


「いやいや、気にしなくていいさ。君を助けたのはあくまでもワタシの気まぐれ。それに面白いモノを見せて貰ったしねぇ」


「面白いモノ…?」


ふふふっと含み笑いでリドリーさんは俺に1枚の紙を渡してきた。今までは羊皮紙がメインのこの世界だったので、少し珍しく感じた。


「文字は読めるかねぇ?一応君の言語で記入したんだけど」


「ッ…!何なんですか!?コレ…!一体どういう事ですか!?」


「おいおい、落ち着きたまえよ。焦ってもそこに書いてある事は何も変わらない事実さ」


渡された1枚の紙、そこに書いてあった事は俺の体についてのカルテだった。


「これどういう事何ですか…!?俺の体が70歳越えって……!」


「そこに書いてある通りさ。どういう原理かは知らないけどねぇ、君の体は外見からは想像もつかない程老化している」


まさか……レヴィアタンのデメリットの影響なのか……!?確かに[嫉妬罪(レヴィアタン)]の能力は強力だ。だがまだ能力を使い始めてからそう日は経っていないというのにこの影響は予想外だ……


「老化についての件は一先ず理解しました……ですが何故貴女がそこまでの技術が…?ここは山…ですよね…?」


「ふぅん……ワタシに何故そんな技術があるのか…!それはねぇ…!ワタシが技術国家、セレクレェイションの生まれだからさっ!」


「セレク……何ですか…?すいません、知らないです……」


「な、何だってぇっ!?ワタシの母国を知らないだってぇ!?」


手に持っていたマグカップを落として、うっすらと開いている目を見開いて驚くリドリーさん。


「あらゆる国がその技術を欲しがるセレクレェイションだぞっ!?知らないなんてそんなバカな…!」


よっぽどショックだったのだろうか……リドリーさんは魂が抜けたように膝をついて灰ののうに色が抜けている……気がする。


「あの、気落ちしてる所すいません……俺ちょっと外の風を浴びたくて……」


「扉を出て左の通路に行きたまえ……そこに玄関口がある……」


「どうも……」


なんだか同じ部屋にいるとこっちまで気落ちしてくる。ただでさえ自分の肉体が70歳越えの老化が起こっているってのに……



──大丈、夫…?アキ、ラ……


「ん……少し…穏やかな気分ではないよな、やっぱり…」


俺の予想が正しければ、今回の肉体の劣化は[嫉妬罪]だけか原因じゃない。俺の体に流れる吸血鬼族(ヴァンパイア)の王族の血、それの効果によって起こる自己再生も今回の原因の1つだろう。人間は細胞のサイクルが早いと早死するって聞くし…


「同じデメリット効果が2つ、か……はぁ…ホントツいてないや」


しかし起こってしまった事をいつまでも悩んでいても仕方ない。レヴィアタンと契約したのも、ランカスター家の血を取り込んだのも俺が選んだ道、後悔は無い。


『レヴィアタンの力を使わなければ俺はこの世界を生きてはいけない……だが使えば老死で死ぬ、か……ははっ、詰んでやがる』


ただの農民として、平凡にならまだ生きては行けるかもしれない。だが俺はそんな道を選ぶくらいなら次の生に賭けるし、何よりレヴィアタンと約束した、面白い世界を見せると。それは約束でもあり契約でもある。必ず守らなければならない。


「どうやって生きていくかが問題だ……さて、どうするか…」


今後の事を考えるに、[嫉妬罪]及び再生術の使用は避けられないと考えていい。

だがそうなってしまえば俺は老死。ならば延命する為の術がいる。


「精霊をこの体に宿すしかない……よな」


転スラ理論ではあるが……これで少しは生き残れる筈だ、ある程度の力を得て……

だがあれは少し意味合いが違った理由で精霊を宿していたのだが、ここは異世界、そういう奇跡を信じる他無い。


「逆に天使と契約すれば生き残れるのか?」


──そんな、事……絶対ダ、メ…!


「何、嫉妬ってやつ?」


──当たり、前…!アキ、ラはわた…しの…!


「ふふっ…なんだよ、可愛い所あんじゃん」


嫉妬の悪魔が嫉妬しておりますよ、可愛いですね。急に気分は暗くなってしまったが、レヴィアタンの反応でほんの少しだけ明るくなれた。


「狙うは炎系統最強のイフリート!…っても俺には精霊見えないんだけだな。まっ、何はともあれ傷を治す事が最優先だな」


ふぅ…と小さく息を吐いて、俺は空の流れる雲を見つめた。

この主人公はバカなので、異世界の全てに手を出します。


宮下亜香里(みやしたあかり)16歳


授業中、突如異世界に飛ばされた天上高校1-Bの1人。

与えられたスキルは[5属性]であり、火、水、風、電気、土の魔法を覚える事が出来る。

元は召喚された国の中衛部隊だったが、突如襲った謎のドラゴンによって国は崩壊。クラスメイトはバラバラになってしまった。ヒロトといるのは偶然。


鳴神弘人(なるかみひろと)16歳

授業中、突如異世界に飛ばされた天上高校1-Bの1人。

与えられたスキルは[闘神化]であり、自身の肉体を闘神の如く強化する事が出来る。元は前衛部隊だったが、上記と同じくクラスメイトとはバラバラになってしまう。アカリと出会ったのは偶然。

実はアカリが気になっている。

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