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20話:妖精契約イベント発生!?

………学業的なの問題です(訳:遅れてごめんね)

火花(ヒバナ)ァァァァァ!!」


大声と同時に指先が赤く光だし、バチバチと火花を散らし始める。


「うぉぉぉ!!からの永遠に燃える火(エターナルファイア)ッ!!」


なんか強そうな名前とは裏腹に、ライター程度の火を指先から放出。あぁ…指が熱い。


居候生活5日目。

時刻は亥刻の表、午前11時である。

朝の支度をこなし、自由時間に魔法の勉強をしている。いい加減魔法のランクと言うか…威力的なのは上がっても良いんじゃねぇの?って思うけど…まぁ数日やった程度じゃ差ほど変わらない。


「熱っ!!鎮火!……ふぅ、その内人差し指火傷しそうだ」


火の消し方がわからない為、地面に指をぶっ刺すしか鎮火方法が無い。


「魔法書読んでもあんましわかんねぇな…やっぱイメージなのか?うーん…」


脱力感を感じつつ、木陰へと入って初心者用の魔法書をペラペラとめくる。

そう言えば最近、俺は1つの事に気付いた。

何故か体内魔力?ってやつの復活が早い事に。っても昨日なんだがな、気付いたの。


俺の魔力再生速度が早いのかも!とウキウキして夜、フールさんが狩った猪を少しいただいて、フリューゲル家の皆で食べていた時に自慢げに話したら、この辺は魔素が濃いから、自然と体内に取り込まれるから体内魔力の復活が早いんだとミオさんに言われた。

いやぁ~恥ずかしいのなんのって!


……話が大分脱線したな。

まぁ簡潔に言うと、体内魔力の復活が早いので、何度も魔法の練習が出来るって事。


「しっかし…放出魔法の原理がわかんねぇな。体内の魔法を1ヶ所に貯めて放つってなんだよ…ふんわりさせ過ぎだろ。やり方を詳しく載せろ詳しく」


脱力感がまだ治らないので、俺は本を閉じて寝そべる。空にゆっくりと流れる雲を見ながらぼんやりと過ごす。


「これ…異世界なんだよな…?向こうの世界でも全然出来る事ばっかりしてる…」


向こうで魔法は使えないけど、俺が使えるのって線香花火とライターがあればそれでいいものだし…こんなゆっくりとした時間なんて有給でも取れば出来る事だし…


「大体…異世界要素少ないって…今の所魔法とエルフと魔物しかねぇぞ。ヒロインは?ペット枠は?ライバル枠は?仲間枠は?俺の枠、バリバリ開いてますよ~誰かー…誰か出て来いやぁぁぁ!!」


俺の小さな声は段々と大きくなり、やがて絶叫へと変わる。いやホント…キツイっす…


「アキラおじさんどうしたの…?なんかあった?」


「おぉ…リオ君……いやね?なーんか最近良いこと無いなって…」


主にリコスのせいだけどな。

おい聞いてるか?リコス。お前はさっさと降りてきて俺のサポートとかして責任取れよ!

期待だけさせやがってあんにゃろめ…!


「うーん…あっ、だったら良い所連れてってあげるね。ついて来て?」


そう言うとリオ君は歩き出すので俺は慌てて後を追う…前に魔法書を家に急いで置いてくる。

家を出るとちゃんと待っててくれていた。


「どこに連れてってくれるの?」


「まだ内緒。でもとっても素敵な所だから期待してて?」


ニコッと笑うリオ君可愛いっすねぇ…!

なんてショタ好きな女子(偏見)を考えながらリオ君の頭を撫でる。

男同士だから出来る所業。これヒロインとか関係無く女性にやると、皆に「は?」とか「キショ…」って言われるので注意が必要です。


「えへへ、ありがとアキラおじさん!」


満面の笑み、サイコー!!

笑顔が一番だよね定期ですわ。


テクテク森の中を歩く事約5分程。

一体どこへ連れていかれるのだろうか。なんか薄暗くて怖いなぁ…なんて考えてたら、前を歩くリオ君の足が止まった。どうやら到着したらしい。


「ついたよ、アキラおじさん。ここ、僕の大好きな場所なんだー」


「おぉ…綺麗だ…!」


リオ君に連れてこられたのは森の中にある綺麗な池。斧でも入れたら女神様が出てきそうな程水が清んでいる。


「とっても綺麗な所へ連れてきてくれてありがとな、リオ君。なんか心が晴れ──うぷっ!な、なんだ!?」


感謝の言葉を伝えようとした瞬間、池の水が突然俺の顔面に飛んでくる。

お陰で俺の顔と服がビショビショだ。


──クスクス


「あっダメだよイタズラしちゃ…!アキラおじさん驚いてるよ?」


ん?なんだ?誰かに笑われてね?それに突然どうしたリオ君、急に独り言なんて…


──面白いからもう一回やっちゃお!えいっ!


「うわぷっ!?誰だ!俺の顔面、主に目元ばかり狙ってくる奴は!ちゃんと顔狙えよ!痛いだろうが!!」


──あははぁ~怒ってるぅ~


──ちょ、ちょっと皆…!ダメだよ…!


「もう…ホント皆イタズラが大好きなんだから…」


「一体何が……ん?そう言えばどっかで聞き覚えのあるような…無いような?」


姿が見えないナニかに俺は遊ばれているが、この声、どこかで聞いた事が絶対ある。

うーん……


「あっ!!熊公に大怪我させられた時に助けてくれた奴らか!」


──そうよっ!私達が助けてあげたんだから!


──ようやく気付いた~遅すぎぃ~


──怪我、治って良かったです…


「いやホントありがとな!お陰で命拾いしたよ」


「アキラおじさん、そっちじゃない。こっちだよ」


見えぬナニかに向けて頭を下げるが、どうやそこにいないらしい。てかリオ君は見えるのね…純粋な子供にしか見えない奴か?え、何?俺汚れてる?ウッソ!?………うそぉ…


『ッ!いや、待てよ?これは…!妖精との契約イベントなんじゃないかっ!?』


ラノベでも、妖精と契約して強くなるってのはまさに鉄板ネタ。乗るしかないっしょ!このビックウェーブに!


『しかし…姿が見えなくても契約って出来るのかな?』


少し不安要素があったので、コソコソっとリオ君に近付いて、耳打ちをする。


「ねぇリオ君リオ君。俺ってこの妖精ちゃん達と契約的なのって出来る感じ?」


「えっと……多分」


「多分…!?」



───出来ないと…思います…よ?


おぅ……


「ふぅ~っ!帰るかっ!」


俺は自分に言い聞かせるように呟く。

お礼も言えたし、後はここに用は無し!いても俺が悲しくなるだけだから…ね?


クルッと半回転して、帰り道へと俺は歩いてく。彼の目には小粒の涙が溜まっていたとかいないとか…





「あれ?アキラおじさん…?」


妖精達と少し話していたら、アキラおじさんの姿が見えなくなった。帰ってしまったのだろうか?


「帰り道、分かるかな?」


まあ通ってきた道を戻れば良いだけだし、変な分かれ道なんて無いから、帰れると思うけど。


そんな事を考えて、僕は妖精達とお話を続けた。














「あっれぇ……?ここ…どこ?」


リコスの加護によるものか、はたまたアキラ自身が方向音痴なのか…。真偽は不明だが、アキラが真っ直ぐ家につける訳がなかった。

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