208話:野暮な邪魔
話を少しでも進める為には、やはり毎日投稿するしかない。早く主人公をチート持ちにしたいのでね…
「オラァッ!!」
「危っ…!───くぅ~!ナイスパンチっ!」
段々と俺の動きに対応してきた青年は、次々と際どいパンチを放ってくる。極真空手は顔面に当てる事はダメだ。それ故に殴られなれていないから、その辺を狙われるのは正直きちぃ。なんてったってボクシング経験者+増強チート持ちなんだから。
「この世界じゃ魔法や剣、スキルだ悪魔天使だでこんな純粋な戦い無かったから最高だよ!!……そんな邪魔をするアイツらがウザくて仕方ねぇッ!!」
レヴィアタンにもスキルにも頼らないで、チート持ちと戦いたいと言うのに、それを野暮な邪魔をする冒険者達。先程の擬似・神之怒だけでは脅しが足らなかったか?
「まったく……そんな奴に何手こずってるのよ!」
「────ッ!!危ねぇな……野暮な邪魔してくれるじゃねぇか、えぇ?召喚勇者様よぉ」
「何その笑み、気持ち悪いんですけど」
あっ…殺さないと(使命感)
それは冗談で、何やら箒に横向きで乗っている日本の学生服を着た少女。制服の色合いとかから判断するに、コイツも目の前の青年と同じ召喚勇者だろう。
「さっき俺に電撃飛ばしたのもお前だろ?お前のせいで関係無い奴が死んだね、うわ~かわいそ」
「は?何言ってるの?どんな理由があろうと、殺したのはあんた。私は弘人の援護をしただけよ」
「あっ、そういうタイプね」
コイツらあれだな、【盾の勇者】に登場してた弓の勇者と同じ思考のようだ。
別に悪いことじゃない。だけど俺の考えとは違うタイプの人種だから嫌いだな、なんか視線も厳しいし。
「お前は……うーん、見たまんま魔法タイプのチートか?さっき電撃放ってくせに、今さっき放ったのは火炎魔法……多属性魔法を操れるって所か?」
「……!何コイツ…!気持ち悪いんですけど!」
気持ち悪い、か……現役JKにそう言われるのか中々くるね。多分あれだな、早口で喋ったからオタクと判断されたんだろう。見た感じこの2人は陽キャっぽいし(個人の感想です)
「亜香里…!お前は出てくるなと言っただろうが!」
「何カッコつけちゃってんの?そーいうの、ダサいって前にも言わなかった?」
えっと、このヒロトとアカリって子はデキてるのか?まあそんなのどうでもいいんだけどさ、俺的にはあの女には退場願いたいんだよな。
「てな訳でバンッ!!」
「っ…!ホントコイツ嫌い!」
敵の前で痴話喧嘩?をしているので、そんなチャンスを狙わない俺じゃない。邪魔なアカリと呼ばれた女目掛けて、銃弾のように黒い水を飛ばす。が、事前に張っていたのであろうバリアによって防がれてしまった。
「チッ、抜かったな。相手はチート、そりゃバリアくらい張ってるか」
「おいテメェ!この女は俺達の殺し合いに関係ねぇだろうがッ!!」
激昂してそう叫ぶヒロト。怖面だから怖いったらありゃしない。だけど所詮は子供、そう思えばいくらかマシだ。はっ、ははは…!
「関係無い?それは無理な話だろうが。この女さっきのを入れて2回もこの戦いに介入してる。警告も兼ねて1人殺したってのに、ソイツは無視したんだ。それにこれは殺し合いじゃねえ、喧嘩みたいなもんさ」
「なっ…!今までのが殺し合いじゃないだと…!?ふざけるな!」
「ふざけてなんかないさ。ホントにお互いが殺しに掛かってるならなりふり構っていられない。ここは異世界にだからな、こんな拳や脚だけで戦うのは縛りプレイに近い。もっとも、お前みたいな増強チートがあれば話は別なんだが。……さて、俺がペチャクチャと喋っている間に大技の準備は終わったか?アカリさん」
軽く煽りイキりながら長話を続ける、勿論澄まし顔で。そんな隙だらけの俺を敢えて見せる事で、何か大技を見せてくれればと思ったのだが、どうやら思惑通り動いてくれたようだ。アカリはビクッと驚いたように体を一瞬震わせる。
「だから何?それに気付いてたとしても!────もう遅いのよっ!!」
「炎に水、風に電気に岩……ははっスゲェや、5属性全部出来るんだ」
遥か上空に準備されている5属性全て揃った魔法。それはある程度稽古を積んだ者が到達できるような上級魔法。それが空を埋め尽くしていた。
「でもバカだな、お前。あんな大技放ったらお仲間のヒロト君にまで被害が出るぞ?」
そんな言葉なんか聞こえていないかのように手を振り下ろしたアカリ。上手く操作出来ているようで、俺だけを一点狙いした上級魔法がどんどん集まってくる。いやはや恐ろしいな。
「だけどこれも一興、楽しんでこうか」
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アカリが放った無数の5属性魔法は全て男に直撃し、爆炎と爆風、そして砂煙が立ち上る。
よっぽどあの男が気に触ったんだろう、アカリの容赦無さが滲み出ている。
「ふんっ、余裕な素振りをしてても所詮は普通の人間。いくら“悪魔宿し“とか変な名前で呼ばれててもこんなもんよ」
「終わったのか…?」
「当然でしょ?私のホントをぶつけたんだもの、これで生き残れるのは優聖ぐらいよ」
優聖……確かに与えられたスキルが“勇者“の優聖なら、俺達の本気をぶつけても生き残れるだろう。
そう考えながらアカリが放った魔法の爆心地を見ていると、少しずつ煙が晴れていく。地面を大きく削るクレーターがアカリの放った魔法の威力を示している。
「あの威力じゃ骨の欠片も残らないんじゃないか?」
「まっ、そうでしょ……うね…」
余裕の表情を浮かべながら地上に降りてきたアカリ。ふんっと鼻を鳴らしたと思った矢先、彼女の表情が少しずつ固まっていく。
「なんだよ……アレ…!」
俺もアカリが見ている先へと顔を向ける。そこにはナニカがあった。まだ煙が全て晴れた訳ではない為、見えにくいが……
「黒い…球体…?」
やがて完全に煙が晴れると、そこには真っ黒い球体がクレーターの中心に鎮座していた。
そしてその黒い球体はボコボコと泡を出すと、突如水風船のように破裂した。
「あははッ!!演出ご苦労ォッッ!!」
その球体から現れたのは、無傷で大きく手を広げ笑う、“悪魔宿し“だった。
読者「あれ…?このセリフ……」
作者「知らん、気のせいです」
他社の作品に手を出すのは許されないよ…!




