表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/392

171話:宝瓶宮討伐戦開始

ブクマ100を越えて、止まるかなと思ったけど順調に伸びてるのが最近の驚きです。

『はぁ……結局こうなっちゃうんだよな…ったく』


テイムしている魔物達へと指示を出しているであろうハジメの背中を見つめながらそう心で呟く。

流石は主人公、見ているだけで勝てる気がしてくるのはハジメのカリスマか…それとも俺がどこかで期待をしているからか。


「俺もハジメの援護をする」


「俺達、よ。私を船に残して行くつもりなのかしら?」


「ふふ、そうですね。弱い俺に力を貸してください、ローザ」


「まだ敬語が残ってるけど……まあいいわ。後でお説教も含めてお話しましょう」


ウソでしょ…

暗黒笑みを浮かべないでくれ…。でもSっぽいローザからのお説教は中々ご褒美なのかもしれない。あのキツい眼で養豚場のブタでも見るように見られる…一定数に人気が出るな、きっと。


「変な事考えてない?」


「いえ、何も!」


「おいおい、痴話喧嘩は後にしてくれ。今はそんなやり取りをしてる場合じゃないだろ」


グッ…!まさかなろう主人公に正論を言われる日が来るとは…!天道明星、一生の不覚!


「ち、痴話喧嘩じゃないわよ…っ!」


ハジメの言葉に過剰反応して赤面するローザ。ダメだこの人、色恋とかの免疫がまるで無い。ウブでいいっちゃいいんだけどな…あんましそういう可愛いムーブをすると、主人公達が寄ってくるから嫌だな。


「ミザリーはこの船に残って星屑の厄と戦ってほしい。何体か魔物も残していくけど……やれるか?」


「お任せくださいっ!このミザリー、ご主人様のご期待に答えて見せますっ!」


「ん、いい子だ」


ミザリーの頭を撫でるハジメと、表情をトロけさせるミザリー。どっちがそんなやり取りしてる場合じゃないんだか…。てかイチャついてんじゃねぇよ。

俺はハジメ達にバレぬように気を付けながら中指立てる。


「よし、行こう!」


撫で終えたハジメは一気に真剣な表情になると巨大な鷲のような魔物の背中に飛び乗った。なにそれカッコいい。


「私達も行きましょう」


「はいッ!」


俺とローザは背中に大きな翼を生やすと同時に空へと舞い上がる。改めて人間を卒業したなと実感する。


『にしても律儀に待ってるなんて流石ハジメの補正だ』


軽い攻撃しか仕掛けてこないアクエリアスに苦笑いをしてしまう。俺にはあれほどキツく攻撃を仕掛けてきたと言うのに…この差って何ですか?


そんな事を考えつつも、どんどんアクエリアスへと近付いていく俺達一行。そろそろアクエリアスの触手の範囲内に入るが、どうだろうか。


「──!!やっぱ来やがったか!デリャアッッ!!」


前線の俺とローザがアクエリアスの攻撃を捌いていく。触れれば即切り殺せるグラッジゾークとは違って、俺は自身の血で作った剣。ただ振るうだけではとても切断出来ない巨大な触手を真っ二つに切り裂いた。


「ここだッ!!──氷獄の息吹(グレイシャ・ブレス)ッッ!!」


俺とローザがアクエリアスの8本ある触手の内、2本を切断した瞬間を狙った超高速のレーザー。放たれた瞬間に一部の海を凍結させ、左上の水瓶を凍結粉砕する。

チートを持っているのは知っていたが、まさかハジメがここまでの強力な魔法を使えるとは思ってもいなかった。これは嬉しい誤算だ、そう笑みが溢れそうになった瞬間だった、、



──ギィィィエエエエエエエァァァァァァア!!!!


今まで以上の咆哮を上げたアクエリアスは、再生して間もない触手も含め、その全てを使って暴れ狂う。その咆哮は海に大きな波を生み出す程大きく、船に乗っている船員達が心配になる程海が一瞬にして荒れた。


「まさか怒っている…のか?」


弱点を狙われた事に怒りを抱いているのか、水瓶座(アクエリアス)を象徴する水瓶を破壊されたからか……言葉の通じない怪物の心情は分からないが、激しい怒りだけは強く感じてきた。


「おいおいおい…ッ!洒落になんねぇぞ()()()…!!」


激しく暴れたアクエリアスは、まるで自身を触手で守るかのように包み込む。するとタコの吸盤のような場所が光だす。それも全てだ。100なんて優に越えるその光の数は、数えるのもバカらしくなる程光輝く。

知識があるとか無いとか関係無い。生きる物ならその全てが感じ取ったであろう“死“に、本能がけたましい警鐘を鳴らす。


そしてその光は俺達に守る時間さえ与えず、一瞬にしてアップグルント海峡をその光で飲み込んだ。













「あがッッ…!!ぐ、ぅぅ…!ッ……!」


上も下も逃げ場が無いアクエリアスの放った光線に、()()()()()()()()俺は落下をしつつ急速に体の再生を急いだ。


『伊達に反射神経を鍛えてねぇよ…!だが危なかった……後少し行動が遅ければ即死だった…!』


“キング“の再生は無限でもないし、頭を破壊されれば死ぬ。それは俺の中で流れる血のお陰で分かる。それ故に頭だけは何としてでも守った甲斐があり、腕から下の()()()()()()()()()()()()


「ッッ……!皆は…!?」


左腕など無いのに感じる激痛に耐えながら、落下しつつ辺りを見渡す。翼も焦げ朽ちてしまい、飛べないので逆さではあるが、人影が見えた。


「ローザにハジメは生きてる…!って魔物達まで…!どうやって回避した…!?」


俺以外誰1人として怪我を負ってはいない事に悲しさを覚えつつ、数が全く減っていない魔物達に疑問を覚える。

ローザはグラッジゾークがあるからあの光線を殺せるし、ハジメは…まぁ……主人公だから死ぬわけがない。だがテイムされてる魔物達が死んでないのは納得いかねぇ……不謹慎だけども。


「ったく、ホント自分が情けなくて嫌になる……あんだけ強い奴らがいて比べるなって方が無理な話だろ。はぁ…」


再生の終えた体に、早速翼を生やして戦線復帰の為に上空へと飛翔する。

そして飛翔した事で気が付いた。空から降ってくる赤オレンジ色をした無数の光に、、


「……もう嫌だ」


もう泣いてしまいそうだ、次から次に鬼畜な攻撃を仕掛けてくるアクエリアスに。

あれは恐らく隕石……だと思う。確か双子宮のジェミニとの戦いでも同じ現象があったそうだから多分同じだろう。


「これ…ホントに勝ち試合なんだよな…?」


主人公のハジメと、主人公&ヒロインの属性を持つローザがいるから勝てる戦闘の……筈だ。

唯一心配なのは主人公クラスが2名いるから強さも倍~的な展開だったら俺はリコスを恨みます。……恨みます!

厄災の十二使徒・宝瓶宮のアクエリアス。

全長100mを越える怪物であり、海限定でに出現する。


人間の上半身に、腕の代わりに両腕に4本ずつ計8本タコの触手を生やしたようになっている。足は無く、人間でいうとお腹から下は無い。常に水中に浮いている。顔は人間のような作りではないものの、2つ目玉はある。


高圧な水のレーザー、蒼白い光線、触手攻撃、海水操作、霧発生&幻覚等々、厄介な攻撃が可能性。また4つの水瓶に貯まっている水を飛ばす事が可能であり、一斉発射に小分けでの発射も可能。威力は山さえも軽々と貫通する程の威力。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ