金木犀の香水
(※短編小説です。)
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学校に行く途中に、金木犀を見つけた。
金木犀を見るとあの人を思い出す。
俺の、初恋の人…大人しくて、
自分より周りの事を優先していて、
褒めたりすると「そんな事無いよ」って少し恥ずかしそうに笑う姿がかわいいなってずっと思ってた。
金木犀の甘い匂い…
あの人に合うと思って金木犀の香水を渡した時、
凄く驚いてたっけ。
金木犀の匂いを纏ってはにかむあの人は、誰にも渡したく無いほど魅力的で…思わずキスをしてしまった事を昨日の様に思い出す。
あの人は酷く驚いていて…でも、嫌がっては居なかった。
潤んだ瞳がキラキラして綺麗で…
俺は想いを伝える気なんて無かったのに、思わず「好きだ」と伝えてしまった。
でも、不思議と後悔は無かった。
顔を真っ赤にして「自分も好きだよ」と伝えてくれたあの人は可愛いかった。
…気づいたら結構時間が経っている。
早く学校に行かないと…
帰りはあの人を誘って金木犀を見ながら一緒に帰ろうか…
あの人はきっと喜んでくれる筈だから。
そしたら、金木犀の花言葉と俺の気持ちを伝えようかな。
「俺の初恋の人、永遠に貴方に陶酔しています。」
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金木犀…「謙虚」「陶酔」「初恋」
香水を送る意味…「独占欲」「親密になりたい」
ここまで読んで下さりありがとうございます。