朝食 ~そして旅立ち~
翌朝、僕は朝食を作るため早く目が覚めた。
朝だから定番のものがよいだろうと思い、出汁巻き卵、焼き魚、それとご飯とお味噌汁。日本の朝、定番の朝食だった。それを、父母兄弟それとお手伝いさんたちの分を作り、僕はまだ薄暗いうちに家を出ることにした。
支度をして、家の玄関へ行くとそこには父が立っていた。「僕はもう行くよ」と言うと、父は小さな紙切れを僕に渡した。そこには、「菅佐原病院 菅佐原敬一郎 090-XXXXX-XXXX」と書いてあった。すると父が、「そこに行きなさい、お前の出産に立ち会った医者だ。そこへ行けば私とはまた違う話を聞けるかもしれない。」と父は言った。
そして僕は、父に「行って来ます」と言った。それを言ったのはこれが初めてだった。学校へ行くときも、家を出るときも、それを言ったのは本当にこれが初めてだった。
そのことを感慨にふけていると、「ああ、いってらっしゃい。いつでも帰って来いよ。ここは、いつでもお前の家なんだからな 龍之介 体に気おつけろよ」そんなことをいわれるのも初めてだった。
「ありがとう、年末には帰るよ」と言い僕は、家を出た。
今度帰るときは、もっと胸を張って帰ろう。
僕の家へ。
僕の故郷へ。
僕の家族のもとへ。
そして僕は、このあと意外なことを知ることになるのだった。
今回で、実家偏の最終回です。
次回からは過去偏パート2を行います。
お楽しみに!!
投稿は1時間後です。




