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夢の世界の君へ  作者: アンディー
11/12

最後のひとかけら ~ひとりじゃない~

感想コメントお願します!


 あの日は、夜から嵐になるって天気予報でやっていた。

その日は当直で夜勤業務をしていると緊急搬送が入った。

若い男女が二組運ばれて来た。

一組のほうの男女は軽傷だったが、もう一組の男女は重傷で絶望的状況だった。

しかも女性の方のほうは、妊婦さんだった。

男性のほうは意識もなく手の施しようがなかったが、女性のほうは微かに意識があった。

しかし、母体か子供かどちらかを犠牲にしなくてはいけない状況だった。

私は、母体が助かるような処置をしようとすると女性が私を手を握り「この子たちだけは、このお腹の子達は助けてください」と言った。

                    ・

                    ・

                    ・

「この子たち?」

僕は、そう聞き返した。

すると、本当の父の手紙に「家族思い兄妹思いな子」という文があったことを思い出した。

「まさか?!双子か?」と僕が言うと

「そうだ!君は天涯孤独じゃあない。」

「血を分けた家族がいる!」

「妹だ!」

「そしてあの時、彼女は最後に私にこう言った。」院長はそのときのことを語った。

「この子たちをよろしくお願いします」

「当時私は、結婚していたが子宝に恵まれずにいた。」

「君には、本当にすまないと思っている。」

「神川さんが君たちを引き取ると言ったときに、私は双子の片方をあづけた。」

「つまり、龍之介くん・・・君だ。」

そして院長は、僕の前へ膝をつき頭を下げた。

「すまない。君たち兄妹を引き離したのは私だ。」

「数年前・・・神川さんに電話で聞いたよ・・・君に真実を話したと」

「そのころから何度も・・・何度も・・・なんども思ったんだ。」

「今すぐに、君のところへ行き真実を伝えようと・・・」

「でも、できなかった・・・あの子があんまりに愛らしくて・・・かわいらしくて

 あと少し・・・あと少し・・・としている内に、こんなに時が過ぎてしまった。」

「先日、神川さんと話してようやく決心がついた。その日の内に娘にも話した」

必死で謝る院長の姿を見ていると、怒りは不思議とわかなかった。

感じたのは、心がぐちゃぐちゃになったことだけだった。

 次に、僕は妹のことを聞いた。

なんでも今は、医者を目指して医大に通っているらしい。

今週末に帰って来るそうなので、そのとき会うことになった。

写真を見るかと聞かれたが、僕はそれを断り今日は帰ることにした。

 帰る途中、最寄り駅の一駅前で下りることにした。

少し歩きたかったからだと思う。

歩いていると、いろんなことを思い出していた。

24年前のこと・・・9年前のこと・・・そして夢の少女のこと・・・父のこと・・・母のこと・・

兄たちのこと・・・そして・・・妹のことを考えていた。

そうすると、無意識に突然に・・・涙があふれていた。

                  ・

                  ・

                  ・

   

         「すまなかった、お前から家族を奪ったのは・・・私だ」

             「君は、天涯孤独じゃない」

             「血を分けた家族がいる!」

           など、いろいろな言葉が頭を駆け巡っていた

                  ・

                  ・

                  ・

「僕は、一人じゃない・・・僕は・・もう・・・ひとりじゃあないぞ-ーーーーー」

          僕は、空に向かってそう叫んでいた。

次回はいよいよ最終回です

初めて生き別れの兄妹が会う

そして何を思う

がんばって書きますのでご期待ください!!!


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