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愛しき貴方に黒薔薇を  作者: 楠 ゆう
1/7

1話

どうも!楠 ゆうです!

処女作なので拙い文章ですが、よろしくお願いします! 感想などなど是非ください!!

.....リリ....ジリリ.....ジリリッ ガチャ


「ん..んん ん〜っと」


彼、烏間 奈白(からすま なしろ)は少し気だるげに体を起こし、猫のように伸びをする。前日に夜更かしをしたせいか寝たりない様子だった。


「母さーん、朝ごはんはー?」


母親にそう問いながら、朝ご飯が出されているであろう居間に歩いていく。

居間では母が夜中に干した洗濯物を畳み、父が煙草をふかしながら新聞を読んでいる。 いつも通りだ。


「いただきまーす」


案の定食卓に並んでいた食パンとコーンポタージュを頬張る。時刻は7時40分。少しで家を出発しなければならない為か、彼は焦っていた。


「ごちそーさま」と言いながら学校に行く準備をし、家を出たのは7時55分。電車にはギリギリ間に合いそうだ。

駅に向かう途中の公園の時計を一瞥(いちべつ)し、

少し危ないかもと思い走る。


「おっしゃー!間に合ったー!」


駅に着き、電車がまだ来ていないことを確認して安堵する。


「また起きるの遅かったのか、新学期早々だな奈白。」


「今日はちゃんと起きたよ。ただ準備が遅かっただけだって。」


「ほんとかよ」|


顔に一発打ち込みたくなるようなうざい顔で木嶋 真人(きじま まさと)はからかってきた。それを軽くあしらったところで電車がきた。


「そういやよー」


「なんだよ、真人」


電車内だからか先程までとは落ち着いた声で話しかけてくる。


「今日転校生が来るらしいぞ。」


「いやいや公立高校に転校生なんてないだろ ただの噂だって。」


「やっぱそうだよなぁ。でももしかしたらほんとかもよ?」


「ないよそんなの、漫画じゃあるまいし。それより昨日のお笑いスペシャル見た?」


「おーみたみた!特にケツに剣をぶっさす-----


くだらない男子高校生らしい会話をしながら、電車に揺られ十数分。駅を抜けて正面に彼らの通う、県立名草(なぐさ)高校がある。


「えー皆さんおはようございます。学校にそびえる木々達はすっかり春色を帯び、新入生たちを温かく迎え---


特に面白味もない校長先生の話を聞き流し、廊下に張り出されたクラス分けの表を確認する。


「今年もお前と一緒かよ。やっぱ文系にするんだった。」


「なんだよ、つれねえな。せっかく席前後なのによ。」


「冗談だよ、また1年よろしくな。」


「おうよ。」


確認し終えたら奈白は真人と一緒に彼らの2年G組の教室に歩いていく。


教室に着くと、スクールカースト上位層の集団が早くも固まって騒いでいた。


-え、お前もG組!? っしゃ、ナイスぅ!

-エースケはしゃぎすぎだっての!


「あーあ、俺らは今年も端っこもんかな。」


「いいじゃん別に、同じクラスになれただけマシだよ。」


「ま、そうだな。」


「お前ら席に着けよー。」


ガタ、ガガタン ガラ、ガラ


「あれ、俺の隣空いてるんだけど。」


「休みなんじゃねーの?」


「G組の担任になった四谷 彩乃(よつや あやの)だ、1年間よろしく。さて早速だが、転校生を紹介する。」


やっぱ噂ってホントだったんだ...

えーだれだれー?


そんな興味津々な声が周りから聞こえてくる。


「ほら、言った通りだろ?」


真人のニヤニヤした顔を想像した奈白は、無視する事にした。もちろん転校生が気になったのもあるが。


ガラッガララ


ドアを開く音と共に、背中まで伸ばした黒髪をたなびかせながら転校生と呼ばれる少女は歩く。 そして教卓の前で正面を向く。ぱっちりとした目に、ツヤがかった唇。すらっとした曲線美を描く手脚に、豊かな胸。美を体現したような容姿で彼女は名乗る。


漆原 黒音(うるしばら くおん)です。よろしくお願いします。」


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