第十二回 本だけが活字ではない
本だけが活字とは限りません。無味乾燥とも思えるような成分表示すら興味深いものとなります。例えば順番。含有量が多い順から書かれています。例えば、ラクトアイス、アイスクリーム、氷菓は乳固形分の割合によって分類が異なります。
駅に行けば吊り広告、看板……。素敵な文章がたくさんあります。中でもお気に入りはリトルワールドの広告。毎回、掛詞になって広報担当の苦労が伺えます。毎回継続するには相当のストックがないといけません。
それから参考書など買わなくても、簡単に英語の勉強ができます。対訳になっていますので、電車の待ち時間に英語と日本語を見比べればいいだけ。
また自然現象、社会現象も「本」に含まれます。例えば冬のスイカなども本に含んでも構いません。冬にどうしてスイカが売られているかを調べれば、必然的に文字を読まなければならないのですから。
これらは「ゆるどく」とは掛け離れていると思われるかもしれません。しかし僕たちは人生に一度は「ゆるどく」をしているのです。
例えば物はどうして下に落ちるんだろう、夕焼けはどうして赤いんだろう、どうして6×2と2×6は同じなんだろう、どうして草は緑色をしてるんだろう。このような質問は素朴でありながら、誤魔化さずに答えるとなると非常に難しいのです。しかし好奇心から楽しんでいる以上は、立派な「ゆるどく」。
疑問は読書をすれば解決するかもしれませんが、ここでの最終目標は落下など「自然」という本の理解です。つまり、物理の本を通して、「自然」という本を読んでいるのです。




