第一回 検索エンジンに何ができるのか。
アクセスアップ方法を性急に論じる前に、ものごとを原理的に考えてみましょう。そして物事を原理的に考えることこそが創作家にとっていちばん重要な資質だと僕は信じています。
検索エンジンの仕組みを考える前に、パソコンはどのように言葉を理解しているのでしょうか。そもそもパソコンは言葉の意味を「理解」しているのでしょうか。これに関して、国立情報学研究所である実験が行なわれてきました。人工知能で東京大学入学を目指すというものです。
しかしこれは2016年に頓挫しました。理由は国語の読解力。人工知能では言葉の意味を汲み取ることはできないのです。辞書的な意味は問題ありませんが、ストーリー性や因果関係を含んでいると成績が落ちてしまうのです。
そもそも人工知能にとって、文字は「★※△」などと言った記号の羅列に過ぎません。僕たちが未知の言語を、例えばルーン文字を眺めても理解できないのと同じこと。
そんなことを言っても今ひとつ実感が沸かないかもしれません。しかしWELQというサイトが炎上しました。理由は健康情報にもかかわらず非科学的な情報を乗せていたからです。肩こりは心霊現象によるものなどと一読するだけで嘘だと解る情報でした。さらに重要なのはGoogleはそのような情報を優先的に表示していたのです。