友達
第三話
「友達」
「ねぇ?ひとつ聞いていい?」
「なに?イユちゃん?」
「ユキって何人暮らし?」
聞いて大丈夫なことのはずなのだが、何故か聞いてはいけない・・・そんな感じが、胸の奥からこみ上げてきた。
「無理して言ってほしいわけじゃないよ?」
「兄さんと姉さんと私で、三人暮らし」
「あれ?でも、さっき、父にお弁当って?」
「父と言っても、本当は、叔父なんです」
訳ありなことが、今の一言でよくわかるような気がした。なぜなら、私の前世がそうだったからだ。私の前世は、私と妹と叔父の3人だった。といっても、時々だけど、叔父が一人だけ女性を連れてくる。なぜ連れてくるの?と、叔父に聞いたら叔父はこういった、『私の妹なんだよ』と。そして私は、叔父の妹という人にはなしをきいた、そしたら、本当に叔父の妹だった。この時、叔父さん疑ってごめんと、心の中で叫んでいた。
「そっか・・・・大変だね?」
「そうでもないよ、叔父さんと兄さんが働いてくれてるから、私は大助かりなんだ」
たくましい子だ、私も、こんな風になって見たいと、今の私は、そう思っていた。なにせ、新しい人生が、女の子として始まったからである。ちょっと、たくましい方が面白いと自分では、そうおもう。
「あ、見えてきたよ」
「叔父さ〜ん」
「ん?おぉ、ユキ?どうした?」
「お弁当、家に忘れてったよね?」
「なぬ!?しまった・・・・うっかりしていた・・・・」
「お?どうしたんだ?アキラ」
「いや、娘が弁当を持ってきてくれただけさ」
いいなぁ・・・・・あ・・・俺も弁当忘れた。
「お父さん、はいこれ」
「お!?ユキじゃないか!?」
「えぇ〜いまさら〜」
間の抜けたお父さんだなぁ〜
「ありがとうなぁ〜」
「どういたしまして」
「きみ、ユキちゃんといったね?」
「はい・・・そうですが?」
「娘と仲良くしてやってくれよ」ニッ!
「喜んで!」
こうして、私たちの初めてのお使い?は終わったのだった