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花火大会の思い出

子供の頃から毎年行っている隅田川花火大会。その年だけは、少し早い7月上旬に開催された。東京オリンピックと重なるので変更になった。


「この時期ってまだ少し寒いんだね」

浴衣姿の君は言った。確かに例年より涼しい。ほんの数週間でこうも気温は変わるのかと、意外だった。でも悪くはない。夏前の夜空に打ち上がる花火は、淡々とした美しさがあった。いつもの熱狂とは違う、厳かな輝きがあった。


「うわ!風強い…!」

突風の冷気に、君は身体を縮こませた。僕は薄手のパーカーを取り出して、君に羽織らせた。


「なにこの上着?ダサすぎ!浴衣にぜんぜん合わないよ!」

君はそう言いながら僕に身体を寄せた。僕は君の細い肩を抱きながら「浴衣と同じ色にしたのにな」と思った。


幸せな日常だった。あの日々はもう帰らない。


2020年7月11日

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