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しろいまち

作者: 風月莢

***


それはいつかの 

しんとふかい

ゆきのひのことです


ひらひらとまいおりる

そのゆきは

ほんのすこしだけ

ほかのゆきよりも

ぼうけんがすきで


ひらひらと


どこからか

きのあいそうな

かぜをみつけては 

しらないところへ


やわらかな

しろは

うつくしく

かぜはよろこんで

ゆきをのせて

はこんでゆきます


ふわふわと

ときには

ひゅっ と


ゆきのせかいしか

みたことのなかった

ゆきは

かぜのむこうにみえる

あたたかな

あおのまじりあう

きらきらしたせかいに

いきたくて 


かぜからかぜへ

ひらひらと


しだいに

くうきが

あたたかくなって

ゆきは

ちいさくなり

あっというまに

みえなくなりました


それでも

しろにおおわれた

せかいしか

みたことの

なかったゆきは

まぶしいくらいの

あおや

みどりに

あこがれて

さきへ

さきへと

すすんでゆきます


あおにそまる

はいけいに

ひらひらと

まいおりるゆきは

きっととても

うつくしいでしょう


けれどゆきは

しったのです


そのばしょに

おりるとき

じぶんはもう

ゆきでは

ないことを


ゆきはそれを

ほんのすこし

ざんねんにおもい

けれども

かぜになった

じぶんも

すきになれると

しりました


ゆきではない

ゆきは

うつろいながら

せかいじゅうを

たびして

やがていつか

ひんやりと

しっていたはずの

せかいへ

たどりつくのです


***




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― 新着の感想 ―
[一言] 言葉にリズムがあって、全て平仮名だというのにすっきり読めました。 温たかさと寂しさが同居した、優しい童話ですね^^
[一言] 600文字以下で一話完結のお話を探していたら、このお話が見つかりました。 600文字以下という短い文章でしたが、全て平仮名のためか、優しい感じがしました。 …
2007/11/20 21:30 退会済み
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