第2章〜望編〜最終話〜新たなる旅立ち〜
遅くなりました。望編の第1話です。読んで頂けると嬉しいです。
希ちゃんがいなくなってから3ヶ月に1回は墓参りにいっていた。
そのついでに希ちゃんの家に行き、望ちゃんとも話をする機会があった。
その時の会話の内容も近況を話したりとか、そんな感じだった。
お互いに希ちゃんの話は話せるような状況ではなかった。
もちろん忘れてはいけない記憶なんだが、それが想い出に変わるのには時間がかかるかもしれない。
ただ、ボクはそれで良いと思った。
お互いの心の中に希ちゃんの想い出が残ってお互いの心の中に希ちゃんの想い出が残っていれば、そしていつか話せるようになれば・・・。
彼女の名前は相田 望。
希(第1章参照)の妹でボクより1つ年下。とある理由からボクの事を
「お兄ちゃん」
と呼び、ボクも本当の妹のように接していた。
ある日ボクは親父さん達に呼ばれて相田家を訪れていた。
理由は望ちゃんの元気が無いのでどうにかしてほしいとの事だ。
ちなみにその親父さん達の話によると、ここ数日、親父さん達と会話もせず独りで部屋にこもっているらしい。
3月に家に行ったときもそんな事はなく元気そうだったんだけど・・・。
でもボクは正直な話をするとあまり望ちゃんと会いたくなかった。
理由はお姉ちゃんとそっくりだから。望ちゃんに会うと希ちゃんがダブってしまうのだ。
もちろん望ちゃんが悪いんじゃない、希ちゃんとの別れを吹っ切れて無いボクが悪いのだ。
でも今はそんな事を言ってられる状況でも無かった。
今日は徹底的に望ちゃんの話を聞くつもりだった。
「望ちゃん、入るよ。」
「あっ、お兄ちゃんどうしたの?」
「今日は望ちゃんに会いに来たんだ。」
ボクは親父さん達から電話があったことは話さなかった。
話してしまうと多分望ちゃんは元気そうに装うだろう。
今日は本当の状態を知っておきたかった。
「最近どうよ?」
まずは近況から軽く探りを入れてみることにした。
「うん・・・。ちょっとね。」
今日の望ちゃんはいつもより元気が無いような感じだった。
「どないかしたんか?何か悩みやったらボクで良かったら聞くよ?」
それから望ちゃんはちょっとずつではあるが話してくれた。この春から行き始めた高校でなかなか友達が出来ないこと、そして今までそんな悩みを聞いてくれていたお姉ちゃんが居なくなったこと。
しかしそれを人に見せないように何もないように自分を偽っていたこと。
「どうすればいいんだろう?」
最後は目に涙をためながらこう言った。
「悩みがあるんならメールでも電話でもボクが聞いたるやん。独りで溜め込んだらアカンって。親父さん達も望ちゃんの元気が無いって心配してたで?」
「え、ホントに?やっぱり分かるのかな?」
「うん、やっぱり分かるんちゃうかな。何だかんだ言って一番望ちゃんの事を分かってるからな。ちなみにボクは分からんかったけど。(苦笑)」
これでちょっとは元気になってくれたと思う。
それからは週に数回メールや電話のやりとりをしていた。
しかし、それから1年半が過ぎた2004年10月。
それが突然途切れてしまうことに。一体何があったのか?(つづく・・・。)
今回浩一の口調を本当に喋っている関西弁にしてみました。関西弁って文章にするの難しいです。実は希編の浩一の会話も本当に喋っているのは関西弁です。ボクに文章力が無かったんですが・・・。次は望編第2話、予定では「ボクの希望」の最終話になる予定です。いつも通り気長にお待ち頂けたらな、と思います。以上、岸和田でした。