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第2章〜望編〜最終話〜新たなる旅立ち〜

お待たせ致しました。ボクの希望第4話です。これから話の展開展開がガラッと変わります。読んでいただけると嬉しいです。

遊園地に行ってから数日後。

希ちゃんのお父さんからメールが届いた。

2人で話したい事があるらしい。

メールがあった次の休みの日。

ボクは希ちゃんのお父さんと近くのファミレスに来ていた。

「で、話っていうのは?」


「実は、希にも話そうと思うんだけど、希を嫁にもらってやってくれないか?」


「は?」

話がいきなりすぎてよく理解できなかった。

「希も浩一くんも結婚できる年になっただろう?希もいつまで持つか分からないし・・・。」

その瞬間ボクの中で何かが弾けた、様な気がした。

「想い出作りにって言うんなら断りますよ。そりゃ希ちゃんがどんな重い病気かっていうのは知っています。治る確率が低いことも。でも治る確率が無い事も無いわけじゃないですか!希ちゃんも必死に治そうとしているじゃないですか!想い出作りに、つまり終わることを前提にするのであればボクはお断りします。頑張って治そうとしている希ちゃんに失礼ですよ。まぁ普通に付き合って普通に結婚っていうならボクも彼女がいないんで大歓迎ですけど。頑張って治そうとしている希ちゃんの気持ちを台無しにするような事はしたくありません。」

ファミレスに来ていたまわりのお客さんが何事かと、こっちを見ている。

あっちゃー、ヒートアップし過ぎたかな。

でも間違ったことを言ったつもりはない。ボクの考えを言ったと思っていた。

「そうだな。私が悲観的になりすぎてたかもしれないな。」


「そうですよ。治らないと決まったわけじゃないんです。どれだけ治る確率が少なくても治る確率があるうちは諦めちゃダメです。」


「やっぱり浩一くんは私が見込んだ通りの男だった。希が元気になったのも分かる気がするな。」


「じゃあ改めて浩一くん、想い出作りとかは関係なく希を嫁にもらって欲しい。」


「その話なんですけど・・・。」


「もし浩一くんに好きな人とかいたら断ってくれてもいいんだよ。」


「いやいや、そんな話じゃなくて。ボクはまだ16なんで結婚できないですよ。」

ボクの記憶が確かなら男は18歳からしか結婚できなかったはずだ。

「それに18になってもまだ高校生ですし。経済的にも厳しいんじゃないかな、と思うんですけど。」


「経済的なら私達が支援するから気にしなくてもいいよ。子供が1人増えたと思えば楽なもんだ。だから浩一くんは今まで通りバイトと学校を頑張ってくれたらいいんだ。」

なんでそこまでしてボクなんかを?ボクなんかよりかっこいい人は沢山いるし、経済的にしっかりしてる人もいるはずだ。

それよりもなんでいきなり結婚なのか。

希ちゃんのお父さんの考えがボクには理解できなかった。

「浩一くんが帰った後、いつも希が寂しそうなんだよ。家族の前では明るく振る舞ってはいるんだけど。やっぱり希の中で浩一くんの存在が大きくなってるんじゃないかな、と思ってね。」

う〜ん、どうなんだろう?希ちゃんがボクの中で1番仲の良い女の子なのは確かだった。

ただ希ちゃんがどう思っているのか、ボクには分からないし。

もしボクの存在が大きくなっていたとしても、色々な順序をすっ飛ばしていきなり結婚に飛ぶのはどうかと思った。

「結婚とかは希ちゃんも一緒の時に決めていけば良いんじゃないですか?まだ1年半くらいあるんですから。それよりもどっちかっていうと希ちゃんが寂しそうっていう方が問題だと思うんですけど。ボクの方はバイト中と学校の間以外はいつでも電話かけてきてもらっても良いですよ。」


「おっ。そう言ってくれると希も喜ぶよ。まぁ結婚の話も考えといてくれ。」

まだ諦めてなかったのか。

でも、正直なところそこまで言ってもらえると悪い気はしないよな、などと思いながら希ちゃんのお父さんの言葉を聞いていた。

それからというもの、相も変わらず週に1回から2回、希ちゃんの家に行ったり、どこかに遊びに行ったりと何も変わらない生活をしていた。

しかし、10月のとある日曜日。

ボクは希ちゃんのお父さんに呼び出された。

バイトが終わりすぐバスに乗り、希ちゃんの家に向かった。

今度はなんの話なんだろう?希ちゃんの家に着くとそこには家族全員が集まっていた。

「まぁまぁ座って。」

ボクは希ちゃんの隣、ちょうど両親の前に座った。

「いったい、何の話?」

隣にいた希ちゃんに 小声で聞いてみた。

「知らない。いきなりだったから。」


「じゃあ話を始めようか。」

希ちゃんのお父さんが話をきり出した。

「お母さんとも話したんだがやっぱり浩一くんには希と結婚してもらいたい。」

またその話か。しかも家族全員の前で言わなくても。

「えぇ〜っ?」

「へぇ〜っ。」

予想通り驚く希ちゃんと予想外に納得してる望ちゃんの声が聞こえた。

「じゃあ浩一さんがお兄ちゃんになるって事だよね?よろしくね浩一お兄ちゃん。」

望ちゃんは勝手な解釈をしていた。間違ってはいないのだが。

「当の本人たちから発言がないけど?」

希ちゃんが口を開いた。

「お父さんたちがそういうんなら・・・。浩一くんなら守ってくれそうだし。」


「浩一くんは?」


「・・・ふつつか者ですがよろしくお願いします。」

反対してくれるであろう最後の砦(希ちゃん)が崩れた以上ボクはどうしようもなかった。

別に悪い話でもないし。

不安を言えばきりがないんだけど。

とりあえずボクと希ちゃんは恋人同士になる前に許嫁になってしまった。

かといってボクらの関係は何ひとつ変わってないんだけど。変わったといえば望ちゃんには

「お兄ちゃん」

と呼ばれるようになったことと、希ちゃんの両親を

「親父さん」

「おふくろさん」

と呼ぶようになったくらいだ。

それから何週間かたったある日。

バイトが終わって希ちゃんの家に向かった。

今日は親父さんに話がある。当時は人生最大の選択と言っても過言ではなかった。

「なんだい?話って。」


「希ちゃんと結婚するときは相田家の一員になろうかな、と思って。」


「なんでまたそんな事を?」


「希ちゃんって妹しかいないじゃないですか。ってことは嫁に行ってしまったら相田家の血は途切れるわけじゃないですか。で、ボクのところは弟が2人いるんで奥家はボクが継がなくても大丈夫です。それよりもボクとしては希ちゃんが育った相田家が途切れる方が寂しいんじゃないかな、と思って。」

ボクの記憶が確かなら15歳以上になったら苗字の選択が本人でできたはずだった。

「まさか浩一くんがそんなこと言ってくれるとは思わなかった。でもその話は私一人では決められないからお母さんと相談してみるよ。でも浩一くんはあまり乗り気じゃなかったはずなのにどうしたんだい?」


「一度やると決めた以上徹底的にやるタイプなんで。」

着々といろんな事が決まり始めた。

しかし11月5日。

学校にいたボクの携帯電話が鳴った。

希ちゃんが体調を崩して入院したとの事だ。

ボクは学校を早退して病院に向かおうとしたのだが、

「浩一くんは学校に集中しなさい。希の事は私が診てるから。」

ボクの行動パターンはバレていたみたいだ。話の最後に

「お見舞いは仕事が休みの日で良いから。」

と付け加えられた。

そして11月9日。

ボクは希ちゃんのお見舞いに病院に来ていた。

病室にいた希ちゃんはあまり元気が無かった。

「調子はどう?」


「あまり大丈夫じゃないかも、なんてね。退院してはしゃぎすぎだって先生に怒られた。」




「それなら良いけど。無理したらあかんで。」




「分かってますって。心配かけてゴメンね。」



その後おふくろさんと話をする機会があった。


「ゴメンね、浩一くん。わざわざ来てもらって。」




「で、本人は大丈夫って言ってるんですけど、大丈夫なんですか?」




「とりあえずは大丈夫だけど、安心は出来ないって所かな。」



そんな感じでボクの通院(?)はまた始まった。


11月12日火曜日。

また希ちゃんに会いに行った。

誰が見てもビックリするくらい元気が無かった。

今が一番体調が良くない時期らしい。

ボクは長居をして希ちゃんの体調に影響してはいけないと思って早く帰ることにした。

それから3日後の11月15日。

ボクはバイトをしていた。

明日が休みだったので希ちゃんの容態を見に行くつもりだった。

しかし、13時頃、ボクの携帯電話が鳴った。つづく・・・。

次回が第1章〜希編〜の最終話になります。なるべく早く執筆しますので気長にお待ち頂ければなと思います。以上、岸和田でした。

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