シンフォニアビル 地下四階
「シンフォニアビル」とは愛知県名古屋市◯◯区に位置する地上六階、地下三階建てのビルである。
しかし、このビルには幻の地下四階が存在すると言われている。
このビルは昼間はオフィスビルであり、普通の建物であるが、深夜にエレベーターに乗ると、「B4」というボタンが現れることがある。
通常、このボタンは存在しない。
「B4」のボタンを押すと、エレベーターは通常よりも遥かに遅く下降していき、その間にどんなボタンを押したとしても反応することは無い。
地下四階に降り立つと、スマホなど通信を利用する機器は圏外となり、外部との連絡は取れなくなる。
また、時計も正確な時刻を示さなくなる。
長い廊下が続くその場所では、何者に話しかけられとしても絶対に応答してはいけない。
少しでも反応してしまったら、もう元の世界へは戻れなくなってしまう。
オカルトライターの久古 雷禅氏は調査に向かった一ヶ月後に帰還したが、詳細については覚えておらず、「強烈な不安と恐怖だけは鮮明に覚えている」と語った。
ビルの管理会社は一貫してこの噂を否定しているが、夜間の警備員の中には、この階の存在を匂わせるような証言をする者もいるという。
何を目的として作られた空間であるか、何故深夜のみに現れるのかは未だ不明である。
※これはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。