画ビョウを、踏んだかもしれない。
私が小学1年生の頃。
ある日の日曜日、私はお友だちの流星ちゃんと音符ちゃんといっしょに、近所の公民館の体育館で遊んでいた。日曜日になると、その公民館は朝の9時から夕方の6時まで体育館を開放しており、そこでは私たちくらいの小学1年生くらいの子から、小学6年生のお兄さんお姉さんたちが鬼ごっこをしたり、バスケットをしたりして遊んでいた。
その日私たちは、鬼ごっこをして遊んでいた。ぱたぱたと、裸足で体育館内や廊下を走り回ったりしていた。
「さーわった!風鈴ちゃん鬼ね」
「えー!今バリアしたから大丈夫だもん!」
「バリアはなしだよ!音符ちゃん、風鈴ちゃん鬼だからさわられちゃだめだよー!」
「もー!」
って、私は頬をふくらませながら流星ちゃんと音符ちゃんをつかまえようと走ろうとした時だった。
プスッ。
「……え?」
右の足の裏に、何か刺さったような感じがした。私の隣には、緑色の掲示板があり、そこにあったお知らせの紙を押さえていたはずの画ビョウが、一つ無くなっていた。
「足……もしかして……画ビョウが刺さってる?」
刺さった瞬間は痛くなかったけど、足の裏に刺さってるのがもしかしたら画ビョウかもしれないと思うと、なんか痛くなってきた。
「画ビョウだったらどうしよう……」
見たくないけど、確認しないわけにはいかない。私は泣きそうになりながら、おそるおそる手で足を裏返す。
するとそこには……思った通り、金色の画ビョウが刺さっていた。
「ひっ……ふぅっ……ぅわあああああああーーーん!!!」
私は痛みで、というか「画ビョウが足に刺さっている」という恐怖で、声いっぱいに泣いた。するとあわてて駆け寄ってきたお友だちたちも、私といっしょになって泣きはじめて。周りは何事かとパニックになった。
それ以来から、私は金色の画ビョウが大嫌いになり、大人になった今でも、見るたびに殺意を覚えるようになった。