表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

詩集:青空なき獄中の記

呪詛

作者: 歌川 詩季

 相手と自分のぶんで、ふたつ。

 (のろ)わしい (のろ)わしい

 あぁ ひたすらに (のろ)わしい


 ひとを(のろ)うにゃ ふたつもいらぬ

 埋める穴なら ふたつもいらぬ


 (くら)いことばが (かえ)らぬように

 (のろ)う我が身に (かえ)らぬように


 (ほうむ)る穴だけ あればいい

 たったひとつが あればいい



 (うら)めしい (うら)めしい

 おぉ すさまじく (うら)めしい


 ひとを(うら)むにゃ ふたつもいらぬ

 深く掘るなら ふたつもいらぬ


 (くら)い想いが ()い出ぬように

 四つ脚を得て ()い出ぬように


 (とむら)う穴だけ あればいい

 花も(そな)えず おけばいい



 (のろ)わしい (のろ)わしい

 あぁ ひたすらに (のろ)わしい


 (うら)めしい (うら)めしい

 おぉ すさまじく (うら)めしい


 ひとを(のろ)うにゃ ふたつもいらぬ

 ひとを(うら)むにゃ ふたつもいらぬ


 (くら)いことばが (かえ)り来て

 (のろ)う我が身を 滅ぼせど


 憎いその笑み 浮かばぬように

 憎いその眼が (ひら)かぬように


 憎いおまえが ()い出ぬように

 深く埋めよう ()い出ぬように


 もはや我が身は 救えぬと

 知りて選ぶは 死なば諸共(もろとも)


 ひとを(のろ)うにゃ ひとつで足りる

 ひとを(うら)むにゃ ひとつで足りる


 (のろ)う我が身と 憎いおまえを

 共に埋めれば ひとつで足りる


 深い穴だけ あればいい

 たったひとつが あればいい

 最初は、みっつに増やそうかと、思ってました。


※ 下↓にリンクがあります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【企画提案】
立花 優先生
― 新着の感想 ―
[良い点] 文句のつけようが無い詩です。特に、この恨み節は好きですね。 [気になる点] 無 [一言] 無
[良い点] ひたすらの調べの「呪詛」、自分の鎮魂、おまえを葬る一つの対比が壮絶だと思ったら、最後のそのための「一つ」、怖い。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ