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(3)魔王様とモブとか死亡フラグか!?

~花子視点~



 何が起こったのかわからなかった。



 ガラスが割れて破片が降ってきたかと思えば、お腹に誰かの腕が回されて抱き上げられた。

 私を抱き上げたのは、真っ白な仮面をつけた黒髪の男の人。



 うん、あなたどちら様ですか?



 どうしよう、婆ちゃん。

 顔も名前も知らない人にだっこされてるんだけど、私はどう反応するのが正解なのかな??


 そう思っていれば、周囲からなぜか悲鳴が上がった。



「なっ、聖女様!?」

「いやああああ、魔王よ!!」



 床の人に向かって槍を突きつける兵士さん。

 悲鳴を上げるドレスを着た女の人。



 なるほど、これがカオスか。

 あと、ドレスを着た人よ。

 魔王と言った??


 え、この仮面の人って魔王なの?

 私はモブなのに、魔王とエンカウントしたわけ?


 いや、それって完全に死亡フラグじゃん!!



 そう思っていると、憤怒の形相で剣を抜きながらカドリックさんが近づいてきた。



「クソッ、聖女様を離せ!! その御方は、貴様のような汚らわしい存在が触れてよい方ではないのだぞ!!」

「ふん…………軟弱な貴様に何ができる」

「なんだと!! 俺は、貴様を倒す勇者だぞ!! 貴様など、この刃の錆にしてくれる!!」



 マジか、カドリックさん。

 あんた、その体型で魔王さんと戦おうとしてるの??


 抱っこされててわかるけど、魔王さんって結構筋肉あるよ?

 しかも軍服着てるし、絶対に物理でも強い人だよ?

 

 カドリックさん、もしかして運動ができるおデブさんだったの!!



 そう混乱しながらも、抱き上げている魔王さんの腕の力が強くなったのを感じた。



「…………魔王さん?」



 魔王さんの顔を見上げると、魔王さんが私の顔を凝視していることに気づいた。何分ぐらい、そうしていたのかわからない。周囲に武器を持った兵士がいるのに、魔王さんはじっと私を見ていた。



「…………お前は」



 魔王さんはそう呟いた瞬間、私の顔の前で手をかざした。



 …………あれ?



 不思議に思った瞬間、急に強い眠気が襲ってきた。



「…………聖女は、貰っていく」



 私が最後に聞いたのは、魔王さんのそんな冷たい言葉だった。




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