第八話 ユズと、≠キングゴブリン
それは、あまりにも突然に告げられた。
「ねえユズ君。ドロップアイテム、ちゃんとインベントリで確認してる?」
「何ザマスかそれ!?!!?!?」
●
ラゼを師と仰いで二週間と少し。一頻りラゼの魔撃にボコボコにされ、八つ当たりで『ゴブリンウォーリアー』をボコボコにした直後のことだった。
ラゼの言葉により襲来した久々のカルチャーショックに、口調さえもおかしくなった俺は頭を抱える。
インベントリとは、簡単に言えば『異世界鞄』である。
まずステータス画面を開いて、インベントリの欄をタッチ、そして一覧となった自身が持つアイテムの1つに触れて、『取り出す』を選択するとアラ不思議、異次元の口がぽっかり開いて、今しがた選択したアイテムが出てきたではありませんか。
「っはぁぁぁぁ」
言葉にならず、俺はただただ溜め息をつくしかなかった。
この世界の人々は全員使える機能らしいが、重さや体積を完全に無視して物を保管できる時点でド有能だ。
もっと言うなら、インベントリ内は時が止まった状態らしく、品質が落ちずに保全される。分かるね? ぶっ壊れ機能である。
一応、収納できる数及び量に上限はあるらしいが、それでも破格すぎる。
魔物は倒されると経験値に、そしてたまにドロップアイテムと呼ばれるものと化し、倒した者のインベントリに自動的に収納される仕様だ。
つまるところ、その存在を1ミリも知らなかった俺のインベントリには、今まで倒した魔物のドロップアイテムが全て未確認の状態で入っていたのである。
ステータス画面を全く使いこなしていなかった。あれから練習して、ようやくあの謎の忍者ポーズなしでもステータス画面を開けるようになったが、それで舞い上がっている場合じゃなかった。
「いよいよゲームだなコレ……」
ドロップアイテムもインベントリも、ゲームでよく使われていた用語だ。もう俺には世界が分からない。
何やら哲学めいたことを考えながら、俺はインベントリに陳列されたドロップアイテムたちを眺める。
なるほど、『ゴブリンの牙』やら、『ハンターウルフの毛皮』など、ここ二週間で倒したことのある魔物が、それっぽいアイテムになっているようだった。
だが、その中でも、一番上に名を連ねる2つのアイテムに、俺は視線が釘付けになっていた。
「『氷の魔方陣』、それに『レッサーゴブリンの宝魂』? ……なんだそりゃ」
インベントリからアイテムの説明を見ることができるらしいので、どちらかといえば心当たりがある方から見てみることにする。
【『レッサーゴブリンの宝魂』
・レッサーゴブリンに認められた者に与えられる魂の結晶。その可能性は未知数。】
どうやらインベントリにはアイテムの取得順に並んでいるようなので、上部にあるこの2つのアイテムは、最も過去の段階で取得したアイテムの2つだ。
となると、恐らくこの宝魂とやらは、初めて殺し合ったレッサーゴブリンによるものだと見て間違いないだろう。まあ、それは分かる。
「この世界は説明が短いんだよ……」
だが、肝心の宝魂が何なのかが全く分からない。というか未知数って書いちゃってるし。じゃあもう俺には分かるわけねえよ。なんか俺があのレッサーゴブリンに認められたってことしか分からん。
つーか何だ認められたって。誰目線だあの小鬼野郎が。
一先ず宝魂とやらを取り出してみる。異次元の口から吐き出されたのは、ビー玉サイズの、模様の入った透明で硬質な玉だった。
「じゃあもうビー玉じゃねえか」
サイズ感も、ガラスっぽい材質も、ビー玉としか思えない。そのビー玉の中には、深緑と緋色の線が入っていて、よりビー玉感を強めていた。握ったり軽く投げたりしてみても、特に変化はない。
「宝魂の実物を見るのは初めてだよ」
「ラゼでもそうなのか。これ、どういうものなの?」
実は先程からずっと隣で俺のインベントリを眺めていたラゼが口を開く。
「私も存在していることしか知らない。どの書物にもそれ以上の説明がないの。ただ、結構ドロップするのは珍しいらしい」
「はぁー、こんなところでワケわからん幸運使わなくて良いんだが……」
まあ、それでも出自が割れているこのアイテムの方がマシだ。偽ビー玉をインベントリにしまい、代わりにもう1つの問題児を取り出す。
それは、いわゆる巻かれた羊皮紙だった。破れないように広げると、そこには幾何学的な円状の何かが描かれている。奇しくもそれは、魔法使いのラゼと生活している俺には見覚えがあるものだった。
「やっぱり『氷の魔方陣』を使ったら氷の魔法が使えるわけ?」
「正確には魔方陣由来だと『魔術』って言い方をするんだけれど……まあ間違ってはない。一回きりの使い捨てだけど、詠唱がなくても魔法が使える優れものだよ」
「そりゃ便利、これを使えば俺にも使えるのか?」
「魔方陣で魔法を撃つためには、少しだけ魔力を魔方陣に流す必要があるけど」
「まさか未知のアイテムが2つとも無用の長物になるとは思わねえじゃんかよ!」
魔法関連の話になってテンションが上がるラゼと対照的に、一ミリも魔力の扱いに長けない俺はそっと膝をつく。
というか地味に魔術とか言う新概念が発覚。まあさっきの説明で最低限の理解はしたし、どのみち魔力が必要なら俺には使えないし、別にいいか。
というか俺にはどんだけ魔力の才能がねえんだよ。
「どうする? 俺はいらないし、ラゼにあげようか?」
「むしろ私は自前の魔法で事足りるし、ユズ君が持っておきなよ。何かの時に役に立つかもしれないし」
「そうかあ?」
活かし方がこれっぽっちも思い付かないんだけど。
何より一番の問題点は、俺がこれを手に入れた記憶が一切ないことだ。怪しいことこの上ないが、確かに捨てるのも勿体ないため、持っていることにした。
「さ、訓練を再開しようか」
「おぃーす。今日は何するんスか」
「そうだね、今日の実践は楽そうだったから……そろそろいいかな」
楽な訓練扱いされるゴブリンウォーリアー、哀れ。
それはそうと、ラゼは少し悩む素振りを見せると、地面を指差して言った。
「行ってみようか。牢獄迷宮の最下層」
●
牢獄迷宮において最も広い空間は、最下層にある。具体的に言うと、元の世界にあったデカい球場レベルの広さを誇る。
そこに生息しているのは、レベル20前後のゴブリンたち。かの樹木の虚に生息していたゴブリン共、それよりも頭数は多い。
率直に言うと、地獄絵図である。
そんな地獄の光景、その真ん中を突っ走る無謀な男が一人。
「一人が相手取れる数じゃねえだろがい!」
はい、意外にもそれは俺です。数十秒前の俺とラゼの会話を、誰かに聞かせてやりたい。
『ある程度ヘイトは集めてあげるから、全滅させてきて』
『えっ』
『頑張ってね』
そう言って最下層のど真ん中に魔法で放り出された。よくよく考えたら会話ですらねえ。
そうしてダッシュで逃げる俺に、ゴブリン系列の大群が後を追う。気分は福男選びの先頭だ。立ち止まったら洒落にならん。
かと言って、このままでは反撃に出ることもできない。
「そんな時には接触ぉ!」
ジャンプすると同時に固有スキルを発動、なんとか腕力だけでボルダリングのように空中を這い登る。
ゴブリン系列の魔物は、基本的に空中への攻撃手段を持たない。悠々と雲梯を渡るような要領で空中を移動し、比較的ゴブリンが密集していない場所に降り立つ。そして、
「ガッ!?」
「ゴォッ!?」
「グギャァッ!?」
着地と同時に、周囲の数体のゴブリンの顎に掌底、腹にキックを叩き込む。
ざっくり周囲を見渡すが、なるほど、ゴブリン共のレベルの平均は20ちょい、高くて25くらいだ。
――――なら、負けるわけにはいかない。
「多勢に無勢だが、俺の命はやらねえぞ。レベル27の意地を見せてやる」
ネガティブなことを言ってはいたが、実際負けるつもりなど一切ない。格下に負けるなど、そんな情けない姿はラゼに見せられない。
久し振りのラゼからのガチな無茶振りにテンションがハイになっているのか、俺は笑みを浮かべながら宣言する。
「テメーら全員碾き潰す」
その宣言と同時に、俺は目の前にいたゴブリンに突撃し、棍棒を掴むと、顔面に飛び膝蹴りを食らわせる。
「ギュア!?」
「棍棒、借りるぞ! 全部終わったら脳天に返す!」
我ながら外道な発言をしている間に、さっきの空中移動で見つけた『そいつ』に向かって一直線に駆け出しながら、スピードを落とさずに抜き去ったゴブリンの顔面を棍棒で殴打する。
いくら魔物であるゴブリンでも、猛スピードで仲間をボコボコに殴打しながら迷いなく走ってくる奴には一瞬怯んで動けなくなる。そして、そんな絶好のチャンスを見逃すような優しさは2週間前に捨てた。
一撃で倒せたゴブリンこそ少ないものの、滞りなく『そいつ』に近付いている。
そして俺の双眸は、ボロボロになったラゼと似た三角帽子を捉える。赤い三角帽子と木製の杖を持った『そいつ』は、
【ゴブリンメイジ Lv.23】
俺にとっての天敵――――とまでは言わないが、厄介な相手であることに変わりはない。
このゴブリンメイジ、名前の通り魔法を使うのである。しかも種族差故に人間に備わっていない基本技能なのか、無詠唱で魔法を放ってくる。
さすがに知能の関係で、複雑な魔法を放ってくることはないらしいのだが、そもそも基本素手、良くて棍棒とかいう絶望的なリーチを持つ俺にとっては、遠距離攻撃持ちは全員辛い。
そして何より、固有スキルで空中をちんたら渡っていると、俺は格好の的なのである。ぶっちゃけさっき固有スキルを使ったときに狙われなかったのは偶然である。
対処自体は可能なのだが……先に倒しておくに越したことはない。
「お前らの弱点はそれなりに知ってるぞ!」
遠距離攻撃を持つ相手への苦手意識を徹底的に潰すため、誇張抜きで牢獄迷宮のゴブリンメイジを滅ぼすんじゃないかと言わんばかりに戦わされているからな。無詠唱という点を除いて完全上位互換のラゼと訓練しているという点もデカい。
弱点その1。ラゼと同様、魔法を主戦力とする全員に共通することだが、接近戦に弱い。俺みたいなタイプとは、距離があるから有利なのだ。
弱点その2。奴らは魔法を無詠唱で放つが、ノーモーションではない。魔方陣も射出方向に展開される。つまり、確かに魔法の出は早いが、落ち着いて動きを見れば避けられる。
弱点その3。奴らにも仲間意識があるのか、生命の危機でもない限り、仲間を巻き込む可能性のある状態で魔法は撃たない。つまり、
「お前らにとって、今みたいな状態は最悪だよなぁ!」
要するに、地上で群れの間をかき分けて近付けば、案外簡単に自分の間合いに入れることができる。
ようやく俺の(ではない)棍棒のリーチ圏内にゴブリンメイジが入り、俺の渾身の一振りが、ゴブリンメイジの脳天に三角帽子ごと突き刺さる。しかし、まだ倒した感覚はない。
「ならばすかさずもう一発!」
今度はこめかみに横薙ぎに棍棒を直撃させ、仰向けに倒れたゴブリンメイジの顔面を踏みつけると、ようやく光の粒子となって消えた。
一先ず倒せたが、このゴブリンの群れの中にゴブリンメイジが一体だけしかいないとは思えない。積極的に相手の数を減らすのも大事だが、基本的に俺の作戦は走り回ること前提だ。スタミナが切れてくる前に、ゴブリンメイジを一頻り倒しておきたい――――ということまで僅か2秒で考える。今日の俺は冴えているようだ。
「顔面、借りるぞ! 全部終わっても返せないけど!」
横から襲いかかってきたゴブリンに対して、持っていた棍棒を全力で投げ捨てて黙らせると、ジャンプして目の前にいたゴブリンの顔面を踏みつける二段ジャンプで、俺が可能な最高高度まで跳び、固有スキルを発動して空中に留まる。
棍棒を手放すのは惜しかったが、固有スキルを使う上では邪魔でしかないから仕方がない。スマンな、持ち主のゴブリンくん。君の脳天には返せなくなってしまった。
ここから先の作戦は簡単。必要なのは度胸だけ。
「オラァ! かかってこいやクソチビ魔法使い共が! テメーらごとき秒で碾き潰してやらぁ!」
ただただ、全力で煽る。
魔物に言葉が通じているかは不明だが、とりあえずニュアンスは通じるらしい。現に、今釣れた。
「右斜め前に一体、左斜め後ろに数体ってとこか」
俺に突き刺すように襲いかかる殺意を感じ取り、その方向を見やる。確かに魔方陣が展開されているのが遠目で見えた。魔法が射出される前に固有スキルを解除し、重力に従って魔法を避ける。
不思議なことに、そんじょそこらの魔物より遥かに強いラゼがいるとはいえ、いつ命を狙われるか分からないような極限空間に2週間もいると、生物が発する殺意をぼんやり感じ取れるようになってくる。
更に、ことゴブリン系列の魔物に関しては、一際敏感に殺意を感じ取れるようになっていた。俺は最初のレッサーゴブリンとの死闘が何らかの影響を及ぼしているのではないかと考察している。
つまり空中で待機していると、唯一攻撃手段を持つゴブリンメイジだけが、いい感じに殺意で場所を教えてくれるのだ。
そして、殺意を感じ取る度に、俺は思う。
「俺ってば殺意は感じ取れて、何でいつまでたっても魔力は感じ取れないんでしょうね!?」
この苛立ちはゴブリンメイジにぶつける。理不尽? この世は得てして理不尽なものだ。2週間前に学んだ。
棍棒がなくとも作戦は変わらない。とにかくゴブリンの脇を通り抜けると同時に殴り飛ばし蹴り倒し、ゴブリンメイジとの距離を詰める。
そしてリーチ圏内に捉えた3体のゴブリンメイジのうち1体の顔面に飛び膝蹴りからの踏みつけで手早く倒す。
と同時に、俺の視界の隅に魔方陣が展開された。
「撃ちやがんのかよ!」
「ギャハッ!」
側にいたゴブリンメイジの1体が狂気の笑みを浮かべ、仲間の安否など形振り構わず、俺に向かって火魔法を放射する。
避けきれない。
「だああああ! 根性見せろユズぅぅぅぅッ!」
俺は、本来避けるべきであろう射出された炎に向かって、敢えて左手を伸ばして、触れる。
「あああ熱すぎんだろバカか!」
「ギッ!?」
自分でもよく分からないキレ方をしながら、俺は炎を受け流す。
これが俺の固有スキル『接触』の第2の応用にして、魔法を使う相手に対する使いたくない対処。火魔法だろうが風魔法だろうが関係なく触れて、無理矢理軌道を変えることができる。
だがあくまで触れることができるだけなので、炎に触れたら普通に掌が大火傷する。だが、全身が燃えるより何倍もマシだ。
それに、この範囲、この程度の火傷なら、ラゼの回復魔法で後遺症もなく治せるレベル。なら気にしていられない。
「かといって許さねえけどなぁ!」
被害のない利き手の右手で全力のボディーブローをお見舞いする。その拍子に手放した杖をついでに回収しつつ、ゴブリンメイジを蹴飛ばす。あれは放っておいても死ぬだろう。
そして、俺の背後で魔法を撃たんとする残りの1体のゴブリンメイジを俺は見逃さない。
「させねえよ!」
今しがた拾った杖を、ゴブリンメイジの心臓を一刺しせんと突き出す。だが、たった今初めて使った武器、そして振り返り様に突き出すという多分高難易度な芸当。結果、その狙いは結構外れ、ステータスのゴリ押しにより腹を貫通した。
「ゴボァ……」
「うわ、グッロ」
ついでに周囲から一斉に襲いかかってきたゴブリンたちを、血を吐き続けるゴブリンメイジごと杖を振り回して怯ませる。そうこうしているうちに、ゴブリンメイジが光の粒子になろうとしていた。
その瞬間だった。
「……ィザ……ア……」
「は?」
ゴブリンメイジが何かを話した。既に声は掠れていたし、誰に伝えたかったものかも分からない。内容も分からない以上、何と断定するのも馬鹿馬鹿しい。
だが、間違いなく、今のは言葉だった。人間にも聞き取れるような、言葉だった。
「魔物って話せるのか……なんて考えてる場合じゃねえな!」
そういうことは後でラゼに聞けばいい。
それより、戦意のあるゴブリンに囲まれている今は結構ピンチだ。先程確認したゴブリンメイジはまだ1体は確実に残っているから、それも何とかしなければならない。
ともかく、このゴブリンに囲まれている状況を何とかしようと、俺は杖を構えて――――
●
――――目が覚める。
●
その瞬間に動けたことは、奇跡と言ってもいい。
自身より下から――――ここが最下層だから、間違いなく地中から強大な殺意を感じ取り、俺は先程と同様に速攻で杖を投げ捨て、手頃なゴブリンの顔面を踏みつけ二段ジャンプを決めた後、固有スキルを使って暫定最高速度で空中を這い登った。大火傷を負っている左手が悲鳴をあげるかのように痛みを発するが、気にしている余裕はなかった。
そして直後、ゴブリンたちが一斉に震えた。俺は空中にいるから伝わらなかったが、恐らく地響きが起こったのだろう。
そして、その直後。
ゴブリン共が、地に食われた。
そう錯覚するほどに突然、膨大な土がゴブリンたちを巻き込んで隆起する。数メートル上空にいる俺を巻き込まんとするほどに。
「ヤバい、ヤバい、これはマジでヤバい!」
急いで空中を移動して、何とか動く土塊を回避する。そして土塊は10メートル越えの高さでようやく止まり、そのまま段々と変形していった。
それはまるで、巨大な人の形のように。
「……何だあれ」
俺は咄嗟に、土の巨人に目を凝らす。いつものように魔物の名前が表示されるはずだったが、
【ゴブリン Lv.21】【ゴブリン Lv.19】【ゴブリンウォーリアー Lv.23】【ゴブリン Lv.20】【ゴブリン Lv.21】【ゴブリン Lv.20】【ゴブリン Lv.18】【ゴブリンウォーリアー Lv.24】【ゴブリン Lv.20】【ゴブリン Lv.19】……
「ゴブリンが集まって合体した姿、って感じではなさそうなんですけど……?」
恐らく形成時に巻き込まれたのであろう大量のゴブリンの表示に阻まれ、正体が掴めない。
そもそも本来は魔物の頭上に表示されるはずなのだ。しかし、土の巨人の体内にばかり表示は集中し、頭上に表示はない。
あまりに不審なことばかり。だがその見た目は、俺の知識の中に存在した。元の世界のファンタジー系のゲームで、よく見る『それ』に酷似していた。
「ゴーレム……」
恐らく、今まで戦ってきた魔物とは格が違う存在との戦いが、始まろうとしていた。
後に本文でも描写する予定ですが、魔力の才能ほどではないにしろ、ユズ君には武器を用いての戦闘の才能もありません。力任せに振り回すのが関の山です。
そのことが二週間で身に染みたユズ君は、今日も元気に魔物をグーで殴っています。
今回のように集団を相手取るときは話は別ですが。
『面白かった!』
『続きが気になる!』
『さっさと続きを更新しろやブン殴るぞ』
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