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最強は撲滅を齎す㉑

 吹き飛んだアクセルの姿を視線で追い、倒れこんだのを確認してそちらへ駆け寄りつつ入り口をチラリと見れば、盾を構えた黒がスキルを使った反動で硬直していた。


[[ren] 黒。溶けたら側に]

[[黒龍] k]


 簡潔に言葉を交し、アクセルへ視線を戻す。起き上がった奴は懲りていないのか、また同じように透明化すると移動をはじめた。ディティクションを打ち上げ、姿を晒すと同時にその足を止めるためバインド(+18)を入り口よりに設置する。


[[ティタ] チカーーーーーーー! タゲ違うつってんだろ!]

[[さゆたん] ティタ、諦めるでしゅ]

[[宗乃助] おはよーでござるよ]

[[黒龍] ren]

[[宮様] 宗 おは。沼地下入り口左側続き部屋PK]

[[†元親†] うおりぁぁぁ。ヒィヒィいわせるたるぜー!]


 流れるクラチャで、自分を呼ぶ声に反応し周囲を見回しつつ、奴が設置場所に向うよう追いかけるフリをしながら追い詰めていくと硬直の溶けた黒が並走していた。


[[宗乃助] いくでござるよ。チカおかえりでござる。相変らず激しいでござるな]

[[黒龍] あり]


 走りながら、バフを更新すれば黒は、直に離れ大惨事が起こっているだろうティタの方へ走っていった。これで集中できると、見えなくなったアクセルを視認する為、ディティクションを打ち上げればいい場所に入っている。


 即座にバインド(+18)を発動させた。

 一瞬の間を置き、アクセルの身体が消えると同時にディティクションを打ち上げれば、見事に変色した奴が非常口のマークのような体勢で硬直していた。


 楽しい……。そう思うと、ついつい口角があがってしまう。

 ゆっくり一歩ずつ歩きアクセルへと近づきつつ腰に差した二刀を鞘から抜き、刀身を奴へと向ければ周囲の緑の光に照らされ怪しく光を放った。

 

 まずは全身を突き刺そうかと考え右足を踏み出すと同時に、加速すると奴の両足の甲目掛け刃を突き刺した。刀を握りぬくと膝を切り裂き、流れるように太もも、腰、腹、肩、首へとダメージを追わせていく。


 ダメージを受けてもバインドが効いているため、奴の呻き声を聞くことはできないが十分な恐怖は与えられているだろうと考える。


 その顔に向け刃を滑らせ切り伏せると、間髪おかずに胸へ二本を重ね突き刺し精錬で付いた、サンダー スピアを発動する。

 刀が発光する。一拍置いて頭上からアクセル目掛け轟音と共に雷が落ちた。

 光のエフェクトが消え、灰色へと変わりスローモーションのように、後へと倒れるアクセルから視線を外し背を向ける。


 視線を向けた先では、四人が既に灰色となり倒れている。


 グランドロールのマークをつけた四人にチカが囲まれ宮ネェがヒールを連発している。

 その横でタゲを奪おうと黒がレンジ ヘイトのエフェクトをあげつつ、シロが、チカを囲んだ四人にステフ プラウセスを打ち込んでいく。


 先に麻痺した暗殺者と思われる敵対に対し、ティタのターゲットマーカーが示されると、先生とティタ、黒がそれを囲み攻撃する。


 先に足止めされていたと思われる残りの7人へ、宮ネェを護衛しつつさゆたんがフリーザーを打ち込み半分ほど固めていた。

 とそこに入り口から宗乃助がモブを引きつつ中へと入ってくれば、黒が宗乃助のモブヘレンジ ヘイトを入れタゲを奪う。

 フリーザーを打ち込んでいたさゆたんとシロが、黒へタゲの移ったモブの処理をはじめた。


 こうして外野から見ると、長年一緒にやってきただけあっていい具合に連携がとれているのがわかる。そんなことを思考し、私もその輪へと加わる。

 早速刀から杖に持ち替えバフを更新していく。個別バフを更新する際、宮ネェには新しく覚えたばかりのソウル オブ フルークトゥスを入れてみた。


 チカを囲んだ麻痺中の敵対ATKに対し、バインド(+18)を設置し発動させる。

 四人中二人だけに入り、これで戦いやすくなるだろうと思いつつ、バインドが入らなかった残り二人にアーマー ブレイク(+25)を個別に入れてやる。


 鎧が砕けるエフェクトが二人の頭上に現れ砕け散る。

 今日は運がいいのかもしれない。

 そう思い、モブの処理を優先するシロたちに加勢するよう、詠唱速度アップの杖を攻撃力アップの杖に持ち替えドラゴン オブ ブレスをモブへと叩き込む。


 四回目のドラゴン オブ ブレスを放ったところで、漸くモブの処理が終わりPK再開となった。

 チカを囲んでいたアーマー ブレイクの入ったATK二名が、二分ほどで沈むと、チカの囲いが解け自由となる。


[[†元親†] ふぅ。死んだかと思ったぜ!]

[[宮様] 死ねばよかったのよ……]

[[ティタ] チカ! てめぇの頭はハッピーセットか??]

[[黒龍] マジ、お前のHPこえーよ! ]

[[大次郎先生] 確かにミリだったもんな……]

[[キヨシ] よっしゃー!]

[[ティタ] さっさとこいつ終わらせよう]

[[†元親†] おれの頭は、トリプルバーガーセットぐらいには詰まってるw]

[[さゆたん] キヨシ。挨拶うざいでしゅ]

[[大次郎先生] PK中な]

[[†元親†] おぅ! キヨシお尻は元気かー? 草]

[[キヨシ] うお~チカ! 爆発しそうだぜ! 草]


 宮ネェの気持ちがいやと言うほど理解できるし、黒の気持ちも良く判る。が、クラチャがカオスなのだと何故誰も気づかない……。


 チカとキヨシに関しては、昔から良く挨拶がわりに、意味がわからない言葉を交わすため、スルーするのが一番だと思う。


 だが、ティタのハッピーセットって何? お子様って意味? それとも……頭が沸いてるという意味? トリプルバーガー……そんな物があるのか? 食べたことない……よ?

 必死に一人で、トリプルバーガーセットとやらを想像するも、見たこと無いものを思い描けるほど私の頭は柔らかくはなかった。

 

[[ティタ] 固まってないのから行こう。ジェノサイド]


 他のメンバーもスルーする方向のようで、ティタのターゲットマーカーによって、次のタゲが示された。即座に、サイレンス(+25)を詠唱し発動させた。

 一発で入るサイレンスにそっと拳を握り、アーマー ブレイク(+25)を追加で詠唱発動させた。

 砕け散るエフェクトが上がり、ティタたちの顔がニヤっと緩むと、一気にスキルを使いジェノサイドは灰色となる。


[[ティタ] 次。春風]


 ティタのクラチャとマーカーに反応した、黒、ティタ、先生、宗乃助、そしてチカが春風を囲む。

 サイレンス(+25)を発動させるもレジられる。とそこで、思い出す……ここでの帰還はポータル以外できないのだと。


 無駄な動きをしていた自分に対し、チッと舌打しつつ、アーマー ブレイク(+25)を詠唱有りで発動させれば、こちらは成功した。


 火力が5人に増えたからか、それとも相手が二次職だったからか、一気に殲滅が進みアーマー ブレイクを入れるだけの仕事になってしまった。

 チカを火力に数えていいのかは不明だが……。


 さゆたんもアイス ランスを2回。シロに居たっては、サンダー ショットを1回打ち込むだけのお仕事だ。宮ネェも、ソウル オブ フルークトゥスを入れたせいか、MPが徐々に回復し既に8割まで戻っていた。


[[ティタ] 次、どろんチャン]


 ターゲットマーカーが付き、アーマー ブレイク(+25)を発動、エフェクトが上がり……40秒かからず倒れるタゲ。それを7人ほど繰り返し、残り二人となった。


 その二人は既に、バインドで固まっているため、アーマー ブレイク(+25)を入れてさえ仕舞えば、三次職と言えども一人当たり一分程度で処理が終わるだろう。と考えつつ、ブレス オブ アローを叩き込み攻撃した。


 その場に居た2PTの処理が終わり、灰色の死体が消えるのを待ち街へと帰還するためポータルへと移動する。


[[大次郎先生] お疲れ]

[[黒龍] おつー]

[[ティタ] 乙]

[[さゆたん] おつでしゅ]

[[宮様] はぁ~。本当に疲れたわ]

[[キヨシ] いえーい]

[[宗乃助] お疲れでござるよ]

[[ren] 乙]

[[†元親†] おっつー!]

[[ヒガキ] 皆さんお疲れ様です]


 ポータルへ移動する最中、先生のお疲れコールを皮切りにみんなで乙と言い合う。

 その後、ポータルから、街へと移動すると全チャで、グランドロールに加勢していたクランの盟主を呼び出すことにした。


{[New-Men] クラン麺屋では、クランに加入してくれるメンバーを募集しています}

{[ren] クラン【 Dog Run 】のマスターいたら蜜談 plz}

{[ペロリーナ2世] 垢BANされました。テヘペロ フレンドの皆、蜜談 plz}

{[三日月] ペロリーナお前誰だよ?w 元のキャラ名晒せ?}


 宿屋へ着くと皆から、先程拾った装備を預かり、全チャで再度装備を取りに来いと流した。

足を運んで頂きありがとうございます。


ツイッターにて、ブックマーク200件記念のイベントを企画しました。

その際応募してくれた方のセリフをいれてあります。

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