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最強は同盟の運営に尽力す㉒

毎日更新ではないと思いますが書けたら更新していきますーw

 赤の他人とは言え幼女犬の今後が心配だ。まさか怪人クリス本人の了承も得ず相手の連絡先をうちのメンツに教えるなんて……。いや、幼女犬よりも怪人クリスの方が哀れなんじゃないだろうか? どっちにしろ、飼い主も犬もその関係者も全員ダメダメ過ぎて、どんまいとしか言えない。

 

「ren、そういう顔すんな。別に悪用しようとか思ってないから」

「そうよ。ただちょっと本人に確認するだけよ」


 私に向けて、白と宮ネェが悪どい顔で笑う。

 いや、別に警察沙汰とかにならないならどうでもいいことだから、大丈夫なんだけど……二人の笑顔がマジでこ、怖い。何する気なんだろ?


「俺、今renが何考えてるか手に取るようにわかったわ」


 バ、バレているだとっ?! ティタに考えを読まれたの初めてだ。


 驚きながらティタを見るとニヤニヤと笑われた。

 ムカつく!!


「はぁー! とりあえずrenのことは置いといて、本人がログインしてきたら犬が教えてくれるらしいから、まずは怪人クリスを捕まえよう」

「え、犬寝返ったであるか?」

「寝返ったと言うか、あいつには宮ネェが教育的指導と言うなの制裁を――」

「白??」

「忘れてくれ」


 いつも傲岸不遜と言った具合の白の顔色が悪い。宮ネェの教育的指導はそんなにひどかったのか……犬よ永久に眠れ。


「怪人クリスを捕まえるって具体的にはどうやるでござる?」

「あー、それなぁ。パッと言ってサッと囲んで黒に『おうおう、てめーちょっと面かせや』って脅してもらおうと思う」

「パッと行ってサッと囲むか……わかるようでわからない会話だな」

「いや、待てなんで俺?!」


 宗之助が何度か咳払いをした後、会話をもとに戻す。そして風牙によって語られる、怪人クリスを捕まえる方法。

 全くもって意味が分からない!!

 首をかしげる私や小春ちゃんの様子を見た先生がかなり大きなため息を吐き出して、真面目な作戦を語った。

 

 幼女犬がログインした怪人クリスを狩りに行く体でPTに誘いフィールド――うちのクラメンたちが隠れ潜む場所に誘い出し、姿が見えた瞬間うちが城主の城へ強制転移。強制転移するためには、幼女犬が怪人クリスをPTに誘っておくことと、しれっとうちのメンバーとPTで連合を組むこと。

 城主である城に連れていく理由は、城の地下にある牢屋を使うためだ。牢に入れられた人は一時間そこから出ることも、ログアウトすることもできなくなる。一時間だから大した時間ではないけれど、まぁなんとかするのだろう。

 先生が言うには、その一時間で怪人クリスとミッシェルがつながるような話を聞き出せばいいらしい。


 幼女犬が完全にうちの飼い犬になっている気がするけど、本当に大丈夫なのだろうか? 向こうに作戦が筒抜けになっていないか不安だ。


「――てなわけでren、城の出入りの整理頼む」

「了解。ところで……幼女犬は裏切らないの?」

「それだけはない」

「絶対ない」

「間違いなくないわねぇ」

「あんだけ怯えてたらないわなー」

「ナイナ」

「あ、そう……」


 幼女犬の裏切りはないと全員が当然と言わんばかりに頷いた。いったい何があったの?

 宮ネェの教育的指導がどれほどのものだったのか非常に気になるけれど、何故か聞いてはいけないと告げる直観に従ってスルーすることにした。


 会議が終わり怪人クリスがログインするまでの間、それぞれハウスで好きなことをするようだ。

 会議が終わったのだからロゼ、白影、小春ちゃん、雪継や千桜は、連絡があったら教えると伝え帰ってもらった。


 私は自分の部屋に籠り、黙々と経験値のスクロールを量産する。魔法書もやらなきゃだし、いくらログイン時間が人より長いとはいえ全く割に合っていない。しかも、うちのメンバーはだれも手伝ってくれないんだもん。

 なんて頭の中だけでかわい子ぶってみたけど自分が自分で気持ち悪い。もう二度とやらないでおこうと硬く誓いを立てたところで、クラチャが騒がしくなった。

 

[[宮様] 怪人in]

[[黒龍] マジで教えてきたんだなww]

[[大次郎先生] 各々配置について準備。連絡要員は、連絡開始~]

[[キヨシ] なー。あいつマジでうちのクラン入れんの??]

[[風牙] ロゼに密入れる]

[[ren] あ、城]

[[白聖] ティタ、ミツルギ、宗、いくぞー]


 きびきび動くメンバーたちを他所に慌てて城へ飛ぶ。城への出入り設定をしといてほしいと言われていたのにすっかり忘れていた。

 私も一緒に捕獲作戦に行きたいけれど、城の設定を優先するしかないとあきらめる。

 城へ移動しホールへ入る。

 焦っているせいかいつもすぐに見つかる執事がなかなか見つからない。視線をさまよわせ漸く執事を見つけ話しかけ城の設定を急いで行う。

 城に入った者が城を出る場合、必ず私の許可が必要になるようにする。あとは牢の使用時間を最大の一時間に設定する。


 拷問はいらないはずだから不可にして、それから手錠と足枷は……木馬って何。なんでこんなところだけ妙にリアルなの? めんどうだから牢から出られなくするだけでいい。もう後は先生にぶん投げよう。


[[大次郎先生] renいける?]

[[†元親†] うへぇ、酷いわ(草]

[[ヒガキ] 憐みしかないですね……]

[[宮様] 見ないの! 仕方ないじゃない抵抗したんだもの!!]

[[ren] 終わった]


 私の返事が表示されたと同時にクラメンが次々とホールへ現れる。まさか全員で行ったの? と言いたくなるのを堪えつつ捕まったらしい怪人クリスを見れば、宗之助の作ったらしい鋼鉄の鎖鎌の鎖でぐるぐる巻きにされていた。

 哀れだ……。


「おじゃまー」

「さっきぶりw」

「酷いなアレ」

「かわいそうだわいね……」

「あら、亀甲縛りじゃないのね~ん。残念」


 遅れて現れたロゼたちが怪人クリスのあり様を見て固まったかと思ったらこの発言。小春ちゃん、鋼鉄の鎖で亀甲縛りは無理だと思うよ?

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― 新着の感想 ―
[一言] 犬が完全に犬になっていますねw 情報が筒抜けとは、敵も可哀想ですねぇ(笑) 宮ネェの指導はもしや調教といいませんかね…?w 亀甲縛りを期待していた小春は良い趣味してますねw
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