表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/371

最強はイベントに励む①

【 四次職アップデートを記念して、経験値倍増イベントを開催いたします。 】

【 詳しくは、公式ホームページをご覧ください。 】


 ログインしたらシステムメッセージが流れた。待望の経験値アップイベント! その詳細は、既に公式で熟読してある。


 今回のイベントは、特設マップに配置されたモブ・各属性のフェアリー、色の名を持つマッシュやウィプスなど――どのモブも経験値が普段より多めに設定されている――を狩り、そのモブからドロップする倍化の勾玉を十個集めて虹の勾玉に交換。特設マップ内でのみ使用可能な、虹の勾玉を使うと経験値倍化のバフがかかる。


 時間ごとに出現する中ボス――各属性のフェアリークィーンも出現すると書かれていた。しかもボスのドロップ一覧に、例のカジノのチケットが含まれている。これは是非とも手に入れたい。


[[キヨシ] でさー、なんと幼女キャラ一位にさゆたんが居たwww]

[[鉄男] 掲示板のやつか?w]

[[さゆたん] くふふ。わたくちが一位でしゅか?

      全員目が腐ってるでしゅw]

[[ベルゼ] お、あの子可愛い! って……小春じゃんorz]

[[ren] ノ]

[[風牙] うわー。本当に目が腐ってるとしか言えないw]

[[†元親†] さゆたんのリアルを知らない犠牲者が……]

[[白聖] ベルゼ……お前いい加減学習しろ?

    前カノに幾らはたいたか忘れるな?]

[[宮様] 世の男どもの見る目が無い事……ね?]

[[源次] よっす、ren。イベント狩場来るか?]

[[聖劉] おはおは~。イベント狩場来る~?]

[[ティタ] おは~。被ってるw二人とも被ってるからw]


 ログインして、私室のベットから起きた。挨拶の為に開いたクラチャでまず目についたのは、さゆたんが幼女キャラ一位に輝いていたと言う何とも言い難い話題だ。

 ベルゼはベルゼで相変わらずの様子。何度諭しても無駄なので放置して挨拶を流し狩場へ行くため執事へ移動する。


 源次、聖劉に誘って貰えたのは嬉しいけど、返事はスルー。

 このイベントだけは一人でやりたい! 毎回イベントごとに同じことを言っているような気がしないでもないけど……。

 

 イベント特設マップへの移動は、今回も同じように城下街にいるNPCから移動できる。今回のNPCは、丸く淡い発行体だ。毛玉のような見た目をしている。それに愛嬌もあるようだ。プレイヤーが話しかける度、ポヨンと上に跳ねあがり〇で作ったような眼を細めたり大きくしたりしている。


 その動作と言うか……行動が物凄く可愛い。もし、サモンとして持てるなら欲しい。なんてことを考えながら、NPCへ話しかけ50K分のゼルを支払い特設マップへ移動した。


 移動したマップは、かなり広大なようだ。マップの表示を切り替えて見るが、全容が把握できない。とりあえず、マップを把握するついでに狩りやすい場所を探して歩くことにする。

 見える木々の幹は茶色や焦げ茶色で通常の木のようだが、葉や地中から生える草や花は全てクリスタルだ。


 入口直ぐに配置されているモブは、フラッフ――フワフワと浮かぶ綿毛のようなモンスターでノンアクティブだ。色が違うと名前も違うらしく、イエローやブルー、ブラックと言った感じの名前が、フラッフの前に付く。ドロップ品は、倒した色の糸だった。


 攻撃らしい攻撃をしてこないフラッフを、魔法で倒しながら少し奥に進む。すると、ちょこまかとコミカルな動きで動き回るマッシュ系が多くなった。


 さっそくノンアクティブのマッシュ系を刀で攻撃してみる。

 攻撃した途端、胞子を飛ばし、毒のデバフを貰った。三秒にHPを50ずつ奪っていく程度だが、解毒ポーションを飲みドラゴンオブブレスで攻撃しておく。ドロップ品は、解毒用のポーションと食用のキノコだった……。


 獲得した経験値は、正直に言えば魔巣とあまり分からない。ただ、魔巣に比べモブが弱く、二発程度の魔法で戦闘が終了するのでお得感がある。ただ、勾玉は出難いのかいまだに獲得していない。

 これは相当奥に行かないとでないのかもしれない。そんなことを考えながらマッシュ系の出現場所から、奥へ進む。


 より一層木々の多いエリアに出たらしいそこにはエント系のモブが配置されていた。周囲に配置されたオブジェクト――透明度の高い宝石の実や葉、花などを付けた木々に擬態したエントはマップにも表示されない。

 エンカウントしたエントは、範囲内に入ると擬態を解き攻撃してくるアクティブで、見た目も周囲の木々と同じだ。名前は、ジュエルエントと名前がついている。攻撃はもちろん刀を使いつつ、ドラゴンオブブレスを使う。

 戦ってみた感じジュエルエントは、物理耐性が強く魔法耐性が弱いようだ。ちなみにドロップは各種宝石だった。


 と言うわけで、腰に差した二刀をアイテムボックスへ収納して杖に持ち替える。次々と擬態を解き襲い来るジュエルエントを魔法で倒しながら更に奥に進むと、突然マップが切り替わった。

 それまで木々が乱立していた場所から、広く開けた丘へと出た。その丘は一面が七色の花畑で埋め尽くされ、中央付近には見上げるほど大きな大樹があり、奥の方にはせせらぎが聞こえる小川が流れていた。


 明らかに違うフィールドだと分かるそこに配置されていたのは、想像よりはるかに大きいモブ――ジュエルフェアリー達の寛ぎ生活する姿だった。

 身長は百センチ前後で、色により太さが異なる様だ。共通するのは、背中に透明に近い四枚の羽根の枚数と肌の所々に宝石がついている事だけ。

 属性によって違う肌の色は当然として、着ている服は表現しずらいので割愛する。

 

 こんなに大きいフェアリーは初めてでどう対応していいのか分からないうえに、顔がイベントマップに移動する際に会ったNPCに似て可愛い過ぎる!! しかしモブだと割り切り、単独でいるフェアリーに近づく。

 私の接近に気付いたフェアリーは可愛い顔を鬼のように凶悪な顔に変え、羽をはばたかせ浮かび上がると風を纏った槍を使い確実に屠る勢いで襲ってきた。


「詐欺だ……」


 フェアリーの余りの変わりように、ついつい愚痴が零れる。


 空を飛ぶフェアリーにアースバインドは効果が出ないため使わない。しかし、スロー(+20)は効果覿面でフェアリーの動きを遅くした。ノロノロと飛ぶ相手であれば、魔法を打ち込むことは苦ではない。

 が、どうやらここのフェアリーは倒されやすい属性以外すべてをほぼ無効化する能力をを持っているらしく……属性を持たないドラマスの魔法では削る事ができなかった。


「まじかぁ……詰んでない?」


 仕方なく杖から二刀に持ち替え、火のインヴィスを追加して斬りつける。魔法よりは断然、刀の方がダメージが出せる。とりあえず、刀で攻撃してモブを倒す。


 サクッと次に行きたいところだが、モブを倒すたびにインヴィスを入れなおすのは流石にしんどい。どうにかならないものか……? そうだ。こんな時のクラメンだ! 


[[†元親†] おー、サクサクかれるぅ~]

[[風牙] おーマジでNPCから買ったの使うと楽だわw]

[[鉄男] だろー? フェアリーやるならNPCから買わないとなw]

[[ゼン] これいいですね~]

[[源次] 流石、情報屋www]

[[ミツルギ] 本当に戦いやすいっすw]

[[ren] 鉄男! 詳しく!]


 会話に突如割り込み鉄男に聞けば、本来この集落にいたはずのフェアリーが小川の所にいるそうだ。早速トランスパレンシーを入れ、出来る限りジュエルフェアリーから距離を取り移動を開始する。

 小川と湖の堺で見つけたそのNPCは、見た目手のりサイズの小さなフェアリーだった。 

 POTを買うため悔しいと顔を歪めた彼の話を聞く。


 彼曰く、集落を乗っ取ったジュエルフェアリーを倒し集落を取り戻すため研究を重ねた。そして作り出したのが、無効化無効ポーションだ。

 ダジャレのような名前だが、その効果は本当にいいものだ。

 POT使用者がジュエルフェアリーに対する攻撃した場合、どんな属性でも通常のダメージを与えると言うものだった。


 話を聞きえ終え、効果時間を知るため一本購入する。

 鑑定した結果、効果時間は三十分と長いが有効――POTの効果が失われるまでの――時間が、八時間と短かった。そこで、六本買い様子を見ることにした。


似たようなタイトルになって申し訳ありません。


*******ご報告******


一、最強はアップデートを楽しむの㉞.㉟.㊱で本編に絡むストリーが、おかしくなっていたため修正いたしました。

二、水曜日はお休みさせていただきます。(次回は7/16です)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] イベントはなんだかんだ言って、結局皆と一緒にやることになりますよねw しかも一人にある程度満足した辺りでグループ組始めるから余計に楽しめる! モフモフなアニマルは良いですよね。 小さくて愛…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ