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《コラム》バルティカ大陸前史

第五章 第1話は執筆監修ともに完了しています。

ただし、その後のストック確保のため、今回はコラム更新です。

・バルティカ大陸前史


現在のルナティアから遡ること数千年。

人類の足跡がそこにあったことだけは確認出来るが、三千年ほど遡るとその時点を境にして、その痕跡は影も形も見えなくなる。

しかしながら、それらの時代は古代帝国時代に残された書物や石版などの断片的な情報から読み解くことが可能となる。


これによると、人類の足跡は更に二千年以前に存在したことがわかる。



・先史文明


かつて天地を分ける神々の戦いがあった。

人類はその余波の中をおっかなびっくりと歩きながら、いつ途切れるかもわからない糸を紡ぎ続けていた。

わずかに手元に残されていた知識と経験は書にまとめられ、残された人類の手で厳重に保管され伝承されていくこととなる。


この時代の神々による御業(みわざ)が世界を作ったとされ、魔術の礎たる魔法がもたらされた。

人々は『霊廟(れいびょう)ミミル』と呼ばれる絶対不可侵の穴蔵の中、天上で鳴り響く神々の児戯(じぎ)に怯え続けていた。



・大図書館復興期


神々は去った。

無窮(むきゅう)の空の彼方へ向かったのか、あるいは大地に鎮められたのか定かではないが、蟻に等しい力しか持たない人類にとっての脅威は過ぎ去った。

光の閉ざされた穴蔵から出た人類を待っていたのは、これまで積み上げてきた先祖たちの遺産の(ことごと)くが灰燼(かいじん)と化した大地だけであり、残されたのはわずかな手のひらにある書物だけであった。


神々の残した技術である魔法と魔術。先人たちから紡ぎ続けた知識。

人類はこの二つを胸に、更地に土を盛ることを始めた。

集約されたあらゆる知識と経験は書に記され、恒久的な遺産として継承する。

この大目標のために人々は木を切り、鉄を鍛え、巨大構造物を完成させるに至る。

霊廟ミミルの上に街を築き、ミミルの中に知識を保管し続ける。

人類共通の遺産として、ミミルは現在もルナティア王都地下深くに存在しており、何人も寄せ付けない禁制領域である。

しかし、保管するのみでは知識など役に立たないことも承知していた。

ミミルの頭上に築かれた都市に人々は巨大な図書館を建造した。

大図書館『アレ(ライブラリ・オブ・)クサンドリア(アレクサンドリア)』。

かつて人類最大の都市と同じ名をつけられた知識の殿堂をもって、この時代を大図書館時代、あるいは大図書館復興期と呼称されることとなった。



・古代帝国バルティカ建国


神々によりもたらされた魔法の研究解析が進む中、人類はより扱いやすい形でこれを魔術として多くの者たちが体得するに至る。

すでに神々による脅威は記憶から薄れ、人類は新たな段階へ進む。

人類帝国バルティカの建国である。

発展を続ける高度な魔術文明を軸に据え、同時に、再び災悪が訪れるその日のために()()をつけ、技術を磨き、伝承を続ける人類。

極めて合理的な全体主義的な国家であったとされる一方、人民の幸福度は高かったとされる記録が多数発見されている。

一方で、亜人種などとの交流はこの時代から完全に断絶が見られる。

未だ多くの謎が残された古代帝国であったが、ある日忽然(こつぜん)とバルティカの大地からその足跡は消え去ることとなった。



・楽園の崩壊


栄華を誇る人類帝国が地図の上から消えた。

その事実だけが現在まで伝えられている。

果たして何が起こったのかを知る者は皆無である。


しかし、それでも残された物は多い。


帝国が消滅してからおよそ二百年の後、バルティカ帝都の存在したその場所で女神により選ばれし一人の女性が王として宣言する。

ルナティア王国の第一歩は、古代帝国なくしてはあり得なかった。

「Episode 0: Collapse of Paradise」を翻訳すると「第0話:楽園の崩壊」となります。

本作のプロローグは、バルティカ大陸前史の最終盤にあたるエピソードであったということです。

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