第1話 奴隷
ここは海の中のとある洞窟。
中はドーム状の大きな空間が広がっており、
入り口に太陽の光が差し込んでいる。
中は薄暗い。しかし、その空間の中心には
大小様々な大きさの光球が無数に集まっている。
「いつ見ても壮観だな」
そう呟いた男は、身長が180cmほどの長身で、
髪はくすんだ群青色のショートヘアー。
整った顔立ちをしている。
体には魚でいう尾ひれや背びれのようなものが付いている。
「マナの供給量はどのくらいだ?」
「現在90%まで低下してきております。」
隣にいる男が長身の男に答えた。
この男も背丈や顔立ちは違うものの、
体には尾ひれや背びれのようなものが付いていた。
「おら!もっと働け!プランテども!」
男が声を荒げる先には、エルフのような姿をした種族が性別問わず集まっており、
そこは光球の集まっている場所でもあった。
プランテと呼ばれた種族は、皆、枷をはめられており、
汚れたみすぼらしい格好をしている。
「お前らは奴隷だ!オレたちアニマリアのために死ぬまでマナを作れば良いんだよ!」
そう言われたプランテたちは怯え、
ただひたすらに光輝くマナを生み出し、
生み出されたマナはこの洞窟に吸収されていく。
「マナは我々アニマリアにとって、生きていくために必要な命の源だ。マナが減れば命の危機に瀕する。我が種族のためにも、もっとプランテをここに連れてくるのだ。」
「はっ!」
長身の男は隣の男にこう伝え、洞窟を後にした。