犠牲者~二人目~
これはiPhoneのアプリ「人狼ゲーム」を
もとにした小説です
夜。
処刑が終わり、皆自室へ帰ったあと、
僕は一人、広間に残っていた。
僕は処刑された彼に黙祷をし、考えていた。
怪しいのは、中年男、青年1と2。
利光さんを真っ先に処刑台へと連れていった彼らは
とても怪しい。
そして青年1が言った、「君を殺さないと僕が死ぬ」
と言う言葉。
なぜだろう。彼を殺しても死ぬ確率は変わらないと言うのに
そういえば青年1は処刑台に彼を連れて行く前、携帯を見ていた。
もしかしたら携帯に何か書かれていたのか?
人狼としての役目か、あるいは処刑台に連れていかないと殺されるような脅迫文。
だとしたら、あの発言に携帯を見ていたこと、
脅迫された可能性が高い。
だとすると青年1は白だ。
残りの二人が怪しい。
考えていてもダメだ。
直接彼に話を聞きに言った方が早い。
俺は青年1に話を聞きに行くことにした。
だが、それは自分が殺される可能性が高くなる。
それを承知の上で聞きに行った。
コンコン。
扉を叩くと中から「どうぞ。」と声がした。
中に入ると 、彼は毛布を頭から被り、落ち込んでいた。
「あなたでしたか。すいません部屋が汚くて。
といっても本当の部屋ではありませんが。
僕に何の用ですか?」
話が早くて助かる。
では、本題に入らせてもらおう。
「あなたは処刑が始まる前、携帯に脅迫文が届いたんじゃありませんか?利光さんを処刑に連れていかないと殺すという人狼からのメールが。」
案の定、彼の顔は真っ青だ。
だが、彼は俯いたままで話さない。
「隠さなくたっていいんです。自分の役職に触れない程度に話してくれればルールに触れない。
それに誰かに話した方が気が楽でしょうし。」
そう言うと彼は、
「実は、メールでこれが送られてきたんです。」
そのメールには
奴を処刑台に連れていけ
そうしないと貴様もあの世行きだぞ
人狼
そう書かれていた。
あの状況じゃパニックになっても致し方ない。
俺は彼に話してくれたお礼を言った。
「いえいえ、お礼を言うのは僕の方です。
ありがとうございました。」
俺は部屋を出た。
そして自室に帰り、考えていた。
彼は白だった。
人狼ならあんなメールは届かない。
ならば、残りの二人が黒だ。
しかしあの二人も危機感に脅され動いたとしたら。
わからない。
考えれば考えるほどわからなくなる。
今日のところは寝てしまおう。
俺は眠りについた。
朝になり、広間にあつまった皆に届いた情報は
青年1が無惨な姿で発見されたことだった。
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