犠牲者~一人目~
これはiPhoneのアプリ「人狼ゲーム」を元に作った小説です。
ゲーム開始の合図から一時間がたった。
今はとりあえず皆で昼食をとっていた。
だが、昼食はとても静かだった。
ゲーム開始から皆は誰が人狼か考えているのだろう、
周りを見渡しながら食べている。
生きてここから脱出できるのは勝ったチームだけ。
しかし死んでしまっては勝っても意味がない。
絶対に生き残らなければならない。
そのため、自分の役職について考える必要がある。
そう言えばさっきおくられてきたメールには続きがあった。
役職についての説明だ。
「平民は何もできず、話し合いでしか人狼を処刑できない。
騎士は一日に一人だけ人狼から守ることができる。
しかし誰が人狼なのかわからないため時として人狼を守ってしまうことがある。
騎士もまた話し合いでしか人狼を処刑できない。
人狼は一日に一人だけ殺すことができる。
また話し合いでも平民を処刑できる。
だが、自分が人狼だと悟られてはならない。
誰が仲間の人狼なのかわからないため時として人狼を殺してしまうことがある。」
とても丁寧に説明が書かれていた。
自分は平民のため話し合いでしか人狼を処刑できないらしい。そのためには誰が人狼なのかをいち早く見破らなければならない。これはとても頭を使う必要がありそうだ。そのためには皆に話しかけて様子を伺う必要がありそうだ。
平民の自分を抜くと、
青年1・青年2・男性・女性1・女性2・女性3・ヤンキー・中年男・老人の9人だ。
この9人を順番に話しかけようと思う。
数時間がたち、全員に話しかけ終わった。
とりあえず一番怪しかったのは、男性である。
話しかけた時、とても動揺していた。
こいつは人狼に違いない。
そうして時間がすぎ、夜食を食べ終わり時計の針が10時を指そうとしていたとき突然モニターが動いた。
そして、あの仮面を被った男が映し出されていた。
「やぁ、諸君。元気にしてるか?重い空気のままだと体がもたんぞ?
そうそう、昼食・夜食はお気に召したかな?
それと風呂がなくてすまんね。必要ないかと思っていたからな、我慢してくれ。
もう夜だ疲れたろう?自分が起きた部屋で朝まで寝るといい。ゆっくり休んでくれ。」
そう言い残すと仮面を被った男が消えた。
あの男が言っていることも一理ある。
部屋でゆっくり休んで、頭の中を整理しよう。
皆も納得したのか自分が起きたであろう部屋に戻っていった。
今日はいろいろあった。ゆっくり休むとしよう。
俺は自分が起きた部屋に戻っていった。
翌朝、皆が7時に広間に集まった。
だが、なにかおかしい。
一人足りないのだ。
よく数えると、男性がいない。まだ寝ているのだろうか。男性が見当たらない。
そうするとまたモニターが突然動き出した。
「諸君、おはよう。そして一つ悲しいお知らせがある。諸君らもお気づきであろう。一人この世から去った。」
なんだって!!この世から去っただと!
一体どうなっている!
皆もなにか察したように、男性の部屋に急いだ。
中に入ると、部屋中に血が飛び散り、腹は切り裂かれ
切り口から内臓が飛び出ている。そして頭にはナイフが突き刺さっていた。これでは即死だろう。
俺は思わず吐きそうになった 。
なぜ男性が殺されたのか。
男性は人狼ではないのか。
その時部屋にあったスピーカーから声がした。
「そとの男は諸君らが寝静まったあとに人狼に殺された。その男の役職は....騎士だ。
一人死亡したため残り8人。
まっ、せいぜい頑張りたまえ。ハハハハ。」
嘘だろ。もう犠牲者が出るなんて、しかも本当に殺されてしまうことがよくわかった。
なんとしてもここから脱出しなければならない。
こんなところで死ぬ訳にはいかない。
この先どうなるのか俺達にはわからない。
残り8人。男性の死でゲームが開始されたことを実感できた。
そしてこのあと朝食を食べたあと、昼に第一回目の話し合いが行われる。
処刑されるのは果たして........
今回も読んで頂きありがとうございました。
次話も頑張りますので、よろしくお願いします。