8話
机に置かれた1枚の銀貨を見て、受付嬢は机の下から灰色のカードらしき物を取り出した。
「こちらがギルドカードになります、先ほどの説明同様これを持てば身分証明に使えます。しかし、特殊な作りになっていますので紛失した場合、再発行には半金貨1枚が必要になりますのでご注意ください。
ギルドカードの右下に埋め込まれている石状の物に触れてください。
石が反応し自動的に魔力を吸収、吸収した魔力この場合は貴方の魔力を認証し登録、貴方専用カードになります。」
魔力だと?異世界だから魔法なんかもあると踏んでいたし、それは後からでも確認できるからと後回しにしていたが、まさかここで魔力が必要になるとは。
魔力とやらが俺にあるかどうかは分からないが、登録するには必要なことだし、これによって俺に魔力があるかどうか確認もできる。
(手間が省けたな)
俺は、ギルドカードの右下にある石に触れる。
すると、体の中から微々たるものだが力が抜ける感覚がする、これが魔力なのか?カードの色が黄色へと変化していく。
瞬く間に、カードは黄色一色へと変化した。
「ギルドカードへの魔力認証は終了です。
続いては、ジョブ登録をしていきます。」
「ジョブ?」
ジョブ?
「ご存知ありませんか?
ジョブとは古代語で職業のことです。ギルドではジョブの登録及び変更が出来るのです。
剣士の職業をえれば、剣や槍などに使用できる二段突き等を覚えることができます。
魔術師の職業をえれば、魔力への補助関係のことを覚えることが出来ると言われています。
もう一度ギルドカードの右下に触れてください。貴方に関することが簡単に表示されているはずです。そこには、ジョブのことも書いてあり今は貴方のジョブは空欄になっているはずです。」
言われてギルドカードに触れると、受付嬢が言うように俺のことがカードに表示された。
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ユウイ
男・人間族
18歳
ジョブ:錬金術師
称号:---
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「あ?」
「どうかなさいましたか?」
俺は何も言わず、カードを受付嬢に見せる。
カードを見た受付嬢は、書かれていること上から順に見ていきジョブの欄を見て目を見開き、次いで俺のことを尊敬の眼差しで見てきた。
「驚きました、ユーイ様はジョブのギフト持ちなのですね!」
ギフト?俺は、首を傾げる。