5話
「さてと、この扉どうやって開くんだ?」
遺跡の中へと通じるであろう扉の前に立ってみたが、中に入れない。
立ち尽くしていると、突然扉が光りだした。
「なんだ?」
扉の光が収まるとそこには文字が刻まれていた。
「え~と、”一人でこの先に進む勇気が貴殿にあるか?望みし者には道を示そう”ね」
たんたんと読んでいるようだが、実は結構動揺している。
俺が読んだ扉の文字は日本語で書かれていたからだ。
(どういうことだ、この世界にも日本語が存在するのか?)
ゴゴゴッ!!
考え事をしていると扉が開きだした。
「気になることはあるが、今はとりあえず前に進むか」
疑問を振り払い俺は、遺跡の中へと通じる扉を潜り先へと進む。
扉の先は一本道になっており、通路の先に再び扉がある。
通路の先に進み、扉の前に立つと先ほどと同様扉が光り文字が刻まれる。
「”魔を扱う資格があるものよ、貴殿は人間か?エルフか?真実を述べよ”」
(魔?何のことだ?
人間?エルフ?獣人ではダメなのか?まぁとりあえず…)
「人間だ」
真実を告げたので扉が開くかと思ったのだが、扉は開かず新しく文字が刻まれた。
「”真実を告げし者よ、貴殿は力を望むか?貴殿の望みを叶えよう”」
(望み……何だ、あの文字を見た瞬間なにかを感じた。)
「望み…あぁ、俺は力を望む。」
どんなものにせよ、左も右も分からないこの世界で力は必要だ。
”この先のものが貴殿の望みし力かは分からないが、貴殿の助けるなることを祈っている。”
扉が開き、中の部屋へと歩みを進める。
中の部屋はさほど広くなく、台座が一つありその上に小さい宝箱ような木箱があるだけだ。
俺は、木箱へと近づき手をかけ躊躇せず開ける。