3話
ギルドの中は、意外としゃれた雰囲気になっていた。
俺が入ってきた扉を真ん中に、両脇に5つずつ丸テーブルが用意されており、そこで冒険者が騒いだりするのだろうが日が高いからか、そこに今は1人もいない。
その向こうには受付らしき場所があり、3人の女性(エルフ?、人間、猫の獣人?)が作業をしていたが、俺が入ってきたことに気づき素早く目配せすると同じ人間の女性が相手することにしたようだ。他の二人は作業に戻ってしまった。
受付の両脇には階段があり、2階もあるようだ。
俺は、ギルド内を見渡しながら受付に近づいていく。
「ようこそ、冒険者ギルドへ!!何の御用ですか?」
にっこり笑いながら対応してくれた。
美人だ。左右にいる女性もキレイだし、門兵のギガも暑苦しい奴だったが顔は整っていたと思う。
この世界には、容姿が良い奴しかいないのか?!
ん?俺?言わせんな涙が出るだろ!!
「ギルドに登録したいんだが」
「新規登録ですね、何方かの推薦がありますか?」
「推薦?門兵に簡単に登録できると言われて来たんだ」
「そうですか、推薦がないときは試験を受けて頂きます。」
試験?マズイな、この世界のことなんて分からないぞ。
何か聞かれたって答えられねぇぞ。
「ふふ、安心してください。簡単な依頼を受けてもらうだけですから」
「依頼?何故そんなことを?」
「冒険者ギルドについて何か御存知ですか?」
小さく顔を横に振る。
「冒険者ギルドでは、依頼を出すか受けるかの2つのこと出来ます。依頼のことはギルドではクエストと呼ばれ、推薦があるものは推薦者がこの者はクエストを受ける意欲があると認めているため試験は不要ですが、登録だけしてクエストは一切受けないという方が現れてしまうため推薦のない方には試験と称してクエストを受けてもらっています。
実際試験のことを聞いて、登録を辞退する方もいらっしゃいます。
他にも、ギルドについて必要なことはありますが試験が終わってからにします。
試験を受けられますか?」
受付嬢の説明を聞き頷きながら口を開く
「それでクエストとは?」
「クエストは………」