表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変わらない思いに変わる願い  作者: 銀狼
プロローグ
1/19

0話

サーーー


体に風が当たる感覚がする。

心なしかいつも感じている風とは違う気がする。

気持ちいい風を浴びることで、意識がハッキリしてくることを感じ目を開ける。


「ここは…」


俺は草原に立っていた。

俺が立っていた場所の横には、もう日本の道路ではほとんど見ることがなくなった整備されていない土の道があり、その先を辿ると小さな町らしきものが見える。

背後には森があり、一体自分自身に何が起こったのか全く理解できなかった。


「俺は一体?」


訳も分からず俺は掌を見ると、俺の恰好は見覚えのない服を着ていることに気が付いた。

俺の恰好は、黒い革製ジャケットとズボン、黒いフィンガーレスグローブ、黒い靴と黒づくめだ。

あとは右の腰に四角いポーチに、平たい布同士を合わせて作ったような口が開いた袋が左後ろの腰に付いている。


「黒は好きだが、やりすぎじゃないか?」


苦笑いしながら、嘆く俺は意外と余裕があるのかもしれない。

ポケットに携帯が入ってないかと探ってみるが入っておらず、ポーチや袋を見ても結果は同じだった。

ただ、袋に何も入っていないのは同様だったがポーチの中は10に区切られ、それぞれの場所に試験管が入っていた。中身が入っているのは3本のみで、赤、青、黄色と非常に怪しい色をしている。


「とてもではないが、中身を確かめてみる気にはなれないな。

……う~ん、これは俺が貰っても良いのか?」


俺が言っているのは、足元に落ちている布袋のことだ。

起きた時から足元にあったのは気が付いていたが、なんとなく後回しにしてしまっていた。

俺が貰っても構わないだろうと結論をつけ、袋を開ける。


「数着の下着とTシャツなのか?えらくゴワゴワしてるな。

あとは、短剣に小さい袋だけか…。短剣なんて持ってて大丈夫なのか?」


だが捨てるのも忍びなくて、布袋に戻してしまう。

小さい袋は意外に重量があり、中からジャラジャラとどこか聞いたことがある音が聞こえる。

開けると、中から出てきたのは予想していたのとは少し違った。


「これは銀貨か?どこの国の貨幣だ?穴が開いてあるのとないのがあるのは何故だ?

見たことがない貨幣だ。正直、貨幣の価値すら分からん。」


数えてみると、穴が開いていない銀貨が2枚に開いている銀貨が5枚だった。

それらをもう一度布袋にしまい、布袋を肩にかける。


「さて、町が見えるのに森に入るほど天邪鬼じゃないからな。

あの町でここが何処かくらい分かれば良いんだがな」


俺は、町がある方へ足を進める。


そうして俺は、知らず知らずのうちに異世界[フィリアス]での第一歩を踏む出すことになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ