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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
93/109

8-10

――数分後。

 大きな機械音とともに、白、西郷の電光掲示板に「Hit!!!」と表示がされた。

「ヒット、攻撃成功!勝者、白、西郷刹那、決勝戦進出です!」

「「やったー!」」「「おめでとー」」「「勝ったー!」」

 大柳校長の高い声が体育館に響き渡った瞬間、観客席からも大きな歓声が沸く。

 その時、西郷の担任、天堂先生と、前下の担任、成瀬先生がバトルスペースに上がり、それぞれ2人の側に行くと防具マスクを外した後、声を掛けたり、握手をしている。

 西郷は笑顔で先生と握手を交わし、前下は泣きながら成瀬先生と握手を交わしていた。

「それでは試合終了、両者、礼!」

「「ありがとうございます!」」

 大柳校長の声で、西郷と前下は礼をすると、バトルスペースから下りていく。負けた前下は防具服を着替える為、更衣室へ向かった。


「西郷さん、おめでとう」「頑張ったな西郷さん」

「天樹くん、鍬土くん、ありがとう!決勝戦も頑張るわ!」

 選手控え席に戻った西郷に、同じクラスのトモと鍬土が祝福の声を掛けると、西郷は嬉しそうに笑顔を浮かべた。

 こうやって普通にしていると、西郷もミクと変わらないくらい可愛いんだけどな。

 ちなみにミクは西郷の勝利が決まった途端、防具マスクを着けるのと、最後の身体検査を受ける為に、宮元先生と高峰先生のとこへ向かった。


「あーん、もう、どうして準決勝で天樹くんと鍬土くんが戦うんだろう~。ついていないわね」

「ハハ、こればっかりは仕方ないよ。ね、鍬土くん」

「あぁ、男子生徒会長になれるのは1人ばい。どっちかが決勝で頑張るだけばい」

 軽く体を捻りながらトモや鍬土と甘えるように会話をする西郷。

 やっぱりミクがここに居なくて正解だ。


「私が女子生徒会長になって、天樹君か鍬土くんが男子生徒会長になれば、きっと天堂先生も喜ぶわ」

「そうだね、きっと先生なら喜ぶよ」

「ううん、絶対になるの。そして、虫けらは排除しなくちゃっ」

 そう言うと、西郷は視線を俺のほうに走らせた。

 カッチーン! 虫けらって俺のことかよっ!

 前言撤回、やっぱこの女、マジ、ムカツクゥ!

 コイツが女子生徒会長になったら、俺の高校生活灰色になるぜ。それだけは何としても避けたい。

 ここはひとつ、ミクに頑張ってもらわないと!


「ぬおぉぉぉッ、トモ、来てくれ、俺の腹がっ!」

「どうしたのユウ!?」

「あ、天樹くん!?」

 俺は自分のお腹を抑えながらトモを呼ぶと、トモは俺の側にすぐ来てくれた。フフーン、西郷見ろ、これが俺とトモの絆さ。


「ユウ、お腹がどうしたの?」

「トモ……背中さすってくれないか?」

「こ、こう?」


 俺の訴えを疑うことなく信じ、背中を優しく擦るトモ。またトモを騙して悪いが、ミクの為……いや、俺の為だ!


「そうそう、その調子……ゲフッ……」

「ユウ、大きなゲップが出たね」

「あーっ、汚い音を聞かせて悪かったな。トモのおかげですっきりしたわ」

 そう、俺の胃にはさっき飲んだコーラの炭酸が残っていたんだ。

 トモに背中を擦ってもらうことで、大きなゲップとして出すことができた。まっ、ワザとなんだが。

「ユウも、緊張したら胃にくるんだね。胃薬あるけど飲む?」

「もうすっきりしたぜ。ありがとな。それより、ミクの試合が始まるからここで見ようぜ!」

「うん……具合が悪くなったらすぐに言ってね」

 トモは俺の仮病を、今日の試合からくるストレスだと思ったらしい。なんて優しいヤツ。

 俺が西郷からトモを引き離すことに成功した時、防具マスクを着けたミクがバトルスペース下で出番を待っていた。


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