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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
89/109

8-6

――3分後。

「バトルリプレイ、両者セット!」

 小休止が終わると、再びトモと足利の試合が始まる。

 しかし、この試合は誰も予想しないとんでもない結果になる。


「……RPS GO!」


…………

……


「ドロー、10カウントにつき、3分の休憩を設ける」

「「おいおい、またかよー」」「「全く決まらないな」」

 トモと足利は互いに同じ手を出して、再び連続10回のあいことなる。そして3分間の休憩となった。

「ハァハァ、足利先輩の強運は半端じゃない」

「ハァハァ、俺が負けるわけがないんだ、ハァハァ……」

 試合での緊張感といつもより長い試合時間。トモも足利も、お互いに疲れが溜まってきた。


「バトルリプレイ、両者セット!」


 その声で再びバトルスペースに上がったトモと足利だが、足利の様子がおかしい。

 足元が千鳥足のようにフラフラ動いていて。頭も微妙に前後に揺れている。


「……RPS GO!」


 その時、足利は右手だけではなく、体全体がグーッと前に動いた。


「危ない!」

 トモが足利の両肩を掴んで体を支えた。

 高木先生もよろける足利の体を支えながら、審判を下した。

「エリミネート、青、足利。レッド」

 そして青の電光掲示板に「Eliminate」という文字が映し出される。

「ハァ、ハァ……待ってくれ!おれはまだ戦える!」

 足利はフラフラした体で高木先生に訴えるが、高木先生は顔を左右に振って断る。

「今の足利くんには無理です。勝負は決まりました。勝者、白、天樹友助、準決勝進出です!」

 その結果に、足利の体は床に崩れ落ちた。


「くそっ!俺の運もここまでかっ!」

「それは違います。足利先輩」

「――お前ッ」

「先輩は運ではなく体力が尽きたんです。運に任せるだけではなく、体力もつけていたなら、負けていたのは僕の方だったかもしれません」

 その言葉に対し、足利は口の両端を吊り上げながら答える。

「フッ、そうだな。その通りだよ」

 トモはその言葉を聞くと、起き上がろうとする足利の体を支える。足利が立ち上がったところで、高木先生がその場を仕切った。


「試合終了、両者、礼!」

「お前と試合が出来て良かった。ありがとうな」

「足利先輩……こちらこそ、ありがとうございました!」

 トモはそう言うと、足利に深く頭を下げる。そして足利もトモに頭を下げると制服に着替える為、更衣室へ向かった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「トモ、お疲れー」

「これ、スポーツドリンクよ」

「ありがとう、喉が渇いて倒れそうだよ」

 トモはミクから貰ったペットボトルのスポーツドリンクをゴクゴクと飲んだ。

 額や首から出ている汗が、試合の過酷さを物語っていた。

「最終決戦になってくると簡単に勝たせて貰えないね」

「まあ、簡単に勝ったら生徒会長の威厳ないもんな」

 スポーツドリンクを飲みきったところで、ため息をつきながらそう話すトモ。

 この『PRS BATTLE』で頂点に立てるのは男子、女子それぞれ1名ずつ。皆、全力で戦っているんだ。


「第4試合に出場する道中と三上は防具マスクを着けます」

 宮元先生から声が掛かった。

「「ユウ、頑張って」」

「おう、行ってくるぜ!」

 俺はトモとミクに軽く手を振るとバトルスペースのすぐ下にいる藤原先生と二宮先生の側に向かう。

 そして防具マスクを着けてもらうと、最後の身体検査を受けた。


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