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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最後の決戦!~学生達の熱き戦いが終わりを告げる
85/109

8-2

「「おはようございます」」

「おう、お前達はこっちに来なさい」

 俺達が集まっている人達に声を掛けると、一人の先生らしき人が声をかけてくれる。あまり見たことのない先生だ。

「2人とも学生証を見せなさい」

「「はい」」

 俺達が学生証を先生に渡すと、先生は持っていた名簿と学生証を交互に見比べた。

「よし、2人ともここに座って待っていなさい」

 本人確認が取れた後、俺達は先生から指定された椅子に座る。

 椅子は前後に8脚ずつ並べて置かれており、前の列に女子、後ろの列に男子が座るようになっているようだ。


「まだ、ミクちゃんは来ていないようだね」

「だな、学校に近いのに」

 前の席を見て、トモが呟く。俺も前の席を見渡すが、やはりまだミクは来ていないようだ。しかし――。

「あら、天樹くんおはよう」

「西郷さん、おはよう」

 一番右端の椅子に西郷が座っていた。

 西郷はトモの姿を見ると笑顔で挨拶をしたが、俺の方を向くと顔をしかめる。


「下等生物がいつまでもこっちを見ないでくれる?」

「お前なんか見たくて見たわけじゃねぇよ!」

 『馴れ馴れしくしないで』オーラ全開。三つ編みメガネっ娘で顔は可愛いけど、性格は最悪なヤツだ。

 俺はムッとしたまま移動して自分の椅子に腰掛けた。

「トモ、ユウ、おはよう」

「ミクちゃんおはよう」「おうっ」

 俺達と挨拶を交わし、そのまま指定された席にミクが座ろうとした時、西郷の声が聞こえた。

「同じA組なんだもん、天樹くんの試合を応援するわ。頑張って」

「ありがとう、西郷さんも頑張って」

「天樹くんも私の試合の時は応援してくれる?」

「クラスメートを応援するのは当たり前だよ」

 トモと西郷の会話にミクの顔色が変わるが、入ることも出来ず黙って聞いている。

 西郷はミクを横目で睨む。その態度で俺は西郷が何をしたいのか分かった。

「絶対よ、私が勝っている間はずっと応援してね」

「え……」

 西郷の言葉にミクから声が漏れる。テメェ、ミクを動揺させるために、トモの優しい性格を利用したな!

 俺は西郷を睨むが、西郷はフッと笑うと、トモの方に向けていた体を元に戻して座り直した。

 このバトルを勝ち上がってきた西郷は凄いと思う。しかし、コイツのやり方は気に入らない。俺はミクに耳打ちで話しかけた。

「おいミク、あんなツンツン女に負けんなよ!」

「ユウ、……分かった、絶対に負けないから!」

 トモと西郷の会話を聞いて落ち込んでいたミクだが、俺の言葉で立ち直った。

 そうこうしているうちに、全体選抜に出場する生徒全員が集まってきた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「これより『PRS BATTLE』全体選抜予選を行います。今日の勝者が明日の準決勝、決勝に進むことが出来ます」

 防具服に着替え、身体検査を終えた16名の生徒は椅子に座り、目の前のいる塩花教頭先生の説明を聞いている。

「それでは『PRS BATTLE』の組み合わせを発表します。全員ステージ側にある大型スクリーンを見なさい」

 すると、スクリーンにトーナメント表が表示された。


【全体選抜予選 女子】9:30~10:30


第1試合 白1年A組 西郷刹那 対 青2年C組 三口莉香

第2試合 白2年B組 前下姫芽 対 青1年C組 若松織江

第3試合 白2年A組 小脇結奈 対 青2年A組 横関歩美

第4試合 白1年B組 今金香織 対 青1年D組 時実未来


《休 憩  ※試合が長引いた場合、この時間に繰越ます》


【全体選抜予選 男子】11:00~12:00


第1試合 白1年A組 天樹友助 対 青2年A組 足利吉宗

第2試合 白2年B組 沖田俊三 対 青1年A組 鍬土関平

第3試合 白2年A組 斉木千里 対 青2年C組 坂本隆盛

第4試合 白1年B組 道中孝明 対 青1年D組 三上有利


 今回は女子の試合から先に行われるようだ。そして1年生と2年生が学年を超えて対決する。

 去年『PRS BATTLE』を経験している2年生が有利だと思うが、負けたくない!

 トーナメント表を見ると、俺は同じ1年生同士の組み合わせ。運が少し良かったかも。

「これから在校生と先生方が体育館に入場します。全員の着席を確認し、問題がなければ9時30分から『PRS BATTLE』を開始します。それまでこの選手控え席で待機していてください」

「「ハイッ」」

俺達は緊張した声で返事をして、試合が始まるのを待つことにした。

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