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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
涙と笑いの文化祭~ユメの涙は俺が拭く!
82/109

7-16

「ハァッ!?」「なんでユウが!?」「うそっ?」

 俺達は動揺してしまい、観客席から大きな声を出してしまった。

「ちょっと、待ってください!なんで俺が失格なんですか!?」

「三上は攻撃を決めたが、勝ちを認める合図の前にバトルスペースから出た。よって試合放棄と認める」

「あ…………」

 俺はジャンケンに勝って依田を攻撃した。しかし、先生が勝者コールを告げる前にスペースから出てしまった。

 『RPS BATTLE』は審判の指示や合図で試合が成立する。つまり、「勝者、三上」と言われるまでバトルスペースから出ては行けなったんだ。

 俺は自分が取り返しのつかないことをしたと気づいた。


「どうして勝ったユウ兄ちゃんが失格なんですぅ!」

「いや、もういいよ。ユメ」

「よくないですぅ、だって、ユウ兄ちゃん、ユメの助けに来て……」

 再びユメの目に涙が溢れ出す。俺の失格はユメのせいじゃない、あのオタク男が原因だ。

 俺はユメの頭に手をのせながら、優しく話しかけた。

「ユメのせいじゃないから気にすんな」

「ユウ兄ちゃん、ユメが学校祭に来ちゃってごめんなさいですぅ……」

「そんなことないって。一緒に美味しいもの食べようぜ」

 俺が制服に着替えるために、ユメから離れようとした時――


「――判定に異議有り!」

「校長先生!?」

 1年生のバトルブースに白髪まじりの大柳校長が現れた。そしてゆっくりと二宮先生の側に行く。

「確かに、三上くんはコールを告げる前にバトルスペースから出ました。本来なら失格です。しかし、彼は小さい子に嫌がらせをしようとした本校学生に気づき、阻止しただけです。観客席や応援席の安全をきちんと管理できなかった我々学校側の落ち度です。従って、三上くんの失格は該当しません」

「しかし!」

「二宮先生、怪我人が出たので保健室に行くと言ってユメちゃんを一人にした私の責任です。三上くんは悪くありません」

 観客席にいる高峰先生も二宮先生に訴えた。

「――……分かりました」

 そう言うと、二宮先生は観客席に目を向けゆっくりと話し出した。

「只今の判定についてご説明します。青、三上有利にエリミネート、失格の判定を出しましたが、異議が出ました。話し合いの結果、異議を認め、失格の判定を取り消します。よって、勝者、青、三上有利!」


「やったー、ユウ兄ちゃん、おめでとうですぅ!」

「ユウ、良かったね」

「良かったぁ~、どうなるかと思ったわ」

「ユメ、トモ、ミク、ありがとう!やったぜ!」

「青、三上有利はバトルスペースに戻りなさい」

「ハイ!今、行きます!」

 俺は急いでバトルスペースに戻ると、白のバトルスペースにいた依田と挨拶を交わした。

 そして二宮先生から防具マスクを外してもらいバトルスペースから下りると、再びユメのいる観客席に戻った。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「お姉ちゃん、ジャンケン弱すぎですぅ」

「うるさいなぁ、気にしていること言わないでよ!」

「もっと言ってやれユメ~」

『学年選抜RPS BATTLE』決勝戦も昨日と同じく予定通り12時で解散した。

 女子の第4試合で出場したミクは、今回も連続10回ジャンケンに負け続けた後、相手がスタミナ切れでジャンケンに負けたところで勝利した。

 今回もミクの試合を観ようと、体育館の中にいた男子生徒が観客席や応援席に集まる。

 しかし、ユメが怖がるといけないので、ユメの両側には俺とトモが座り、ユメの後ろの席には大柳校長と、高峰先生が並んで座った。

 そして今日の全てのバトルが終わった俺達は、ユメを連れて2年B組の教室でインドカレーとラッシーを食べている最中。机の上にはカレーだけではなく、他のクラスで買った餃子やスコーン、団子もある。


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