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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
涙と笑いの文化祭~ユメの涙は俺が拭く!
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7-1

 コンコンコン、カンカンカン……と、教室の中や外で工具特有の音が響いている。

「よっし、射的台完成!」

「こっちも景品の用意できたよー」

 夏休みも終わり、学校が始まって数週間後。

 俺達は高校生活初めての学校祭の準備に追われていた。

 学校祭は学年毎にテーマがあり、それに沿った出し物をクラス毎に作り上げる。


 1年生の学年テーマは『祭りの屋台』

 A組は「綿あめとりんご飴」

 B組は「ヨーヨーすくいとフライドポテト」

 C組は「かた抜きとフランクフルト」

 俺たちD組は「射的とたこ焼き」


 2年生の学年テーマは『世界の喫茶店』

 A組は餃子と烏龍茶がメインの「チャイナカフェ」

 B組はカレーとラッシーがメインの「インドカフェ」

 C組は日本茶と団子がメインの「和風カフェ」

 D組はスコーンと紅茶がメインの「英国カフェ」


 3年生の教室は『学年選抜RPS BATTLE』の中継場所。

 体育館での見学は来賓客や出場者の家族を優先させる為、学生や一般客は3年生の各クラスにあるTVモニターから試合を観る事になっている。

 3年A組が2年生男子の試合中継。

 3年B組が2年生女子の試合中継。

 3年C組が1年生男子の試合中継。

 3年D組が1年生女子の試合中継。

 と、教室別で好きな試合を観る事ができる。


 この高校では、こういった学校祭の企画はすべて生徒会に任されるので、生徒会役員の生徒は遅くまで学校に残っている。

 生徒会役員はお祭りを楽しんでいる暇などないそうだ。大変だな。

 しかし、大変なのは生徒会だけではない。

 クラス選抜を勝ち抜き、『学年選抜RPS BATTLE』に出場する生徒は学校祭を楽しんでいる暇がない。

 学校祭は2日間あるのだが、『学年選抜RPS BATTLE』も一日目が予選、二日目が決勝戦となっている。

 予選で敗退した場合は、二日目の学校祭を楽しめるが、決勝戦に進出した場合は朝からバトル会場になる体育館に居なければならない。

 当然、クラスの出し物なども手伝えないんだ。


「時実さんがいないとたこ焼き売れないんじゃね?」

「だよなーっ、あーあ、どうしよう」

「仕方ないだろ、時実さんは『学年選抜RPS BATTLE』で忙しいんだから」

 ミクが出店の手伝いをできないと分かった男子達がこそこそ呟いている。

 つーか、ミク以外にも女子はいっぱいいると思うが。

「三上、お前はいいよ。時実さんとずっと一緒なんだし」

「そうだそうだ」「ずるいぞー」

 俺だってミクが好きで一緒にいるわけじゃねい!と叫びそうになるが、心に留める。

 ここで反論しても、ミク崇拝者の火に油を注ぐからな。

 とりあえず、こいつらを喜ばしてやるか。

「じゃあ出し物を頑張るおまいらに、試合中のミクの秘蔵写真を送ってやるよ」

「「「三上!お前は俺達の心友しんゆうだぁぁぁ!!!」」」

 俺の提案に涙を流し、喜びを素直に表すミク崇拝者達。

 ここまで喜ばれるとは思わなかったぜ。


「いいよ、それくらい、じゃあ明日頑張れよ」

「「おう、三上も頑張れよ」」

「ありがと!そうそう、画像は1ショット1000円だから」

 颯爽と言い残し、俺は教室から出ていった。

 ミクの写真を撮って売るなんて、本人にバレたら殺されるから命がけだ。

 美味しいものは高くつくんだぞっと。

「「三上の鬼ーー!!」」

 教室の中ではミク崇拝者達が何やら叫んでいた。


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