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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最初の行事は宿泊学習!
52/109

5-18

「そういうミクちゃんは、相変わらずラーメンが好きなんだね」

「う、うん、オカズは沢山あるんだけど、目移りしちゃって……」

「で、いつもの『コーンバター味噌ラーメン』なんだ」

「別にいいでしょ」

 ラーメンを選んだのをトモに見られて恥ずかしかったのか、少し照れるミク。

 ミクがチョイスしたのは、茹でたコーンとネギ、ワカメをトッピングした味噌ラーメン。

 仕上げにバターを一片入れて、バターを溶かしながら食べるのが北海道流なんだ。

 しかし俺が突っ込みを入れると、冷たい言葉だけが返ってきた。クスン。


「そういやトモ、お前、間違っていたぞ」

「ん、何が?」

「ほら、あいこの確立。3回目のあいこは3の3乗で1/27だ『バカ、ユウ!』――って」

 トモに話している途中で、俺はミクの持っていたラーメンのレンゲで殴られた。

「いきなり叩くなよ、ミク!」

「ユウが『はんかくさい』からでしょう!あいこが連続10回続く確率は、1/3の10乗だから、59409分の1ってトモが言っていたじゃない」

 ミクは入学式後3人で行った、ファミレスでの会話を持ち出す。

 ちなみに「はんかくさい」とは北海道弁で「バカみたい」という意味。

「あ、あれっ、そういえばそんなことを話していたな」

「ステーキに夢中になって、トモの話を聞いていなかったのはあんたよ!」

 ミクは怒りMAXの視線を俺にぶつけてくるけど、そんなに怒らなくてもいいじゃん。

「アハハ、ユウの数式勘違いは結構昔からだからね。気にしていないよ」

「と、トモ~、お前ホント、マジで、心のトモだ」

 俺の小さな失敗をいつも優しく受け止めてくれるトモ。

「そんな大げさに言わなくてもいいよ」

 俺の様子に、トモは少し苦笑いを浮かべる。

「そんなことないぞ。ミクと違ってちっちゃなことにこだわらないし」

「……ユウ、宿泊研修が終わったら、お父さんの道場で待ってるね」

 その言葉にハッと気づいてミクの方を見ると、そこには般若が! 俺の背中に何か冷たいものが走った。


「あー、久しぶりにユメと組み手でもしようかな。ハハハ」

「遠慮しなくて良いわよ。私が相手に、な・る・か・ら」

 精一杯の笑顔をミクに向けると、ミクは悪魔が背後にいるようなキラキラ笑顔で返してきた。

「柔道3段のミクちゃんの手合わせなんてすごいじゃないか。僕も手合わせしたいよ」

 この状況とオーラを全く感知しないトモの天然発言。

 だが、この発言が俺の窮地を救う!

「えっ、ト、トモが、私と、て、て、手合わせ、なんて」

 さっきまでの魔王降臨から、乙女に戻るミク。

 フゥゥゥー、助かったぜ!よし、今のうちに――。

「夕食の時間が無くなるから、さっさと食べようぜ」

「すっかり話しこんじゃったね。じゃあ、『PRS BATTLE』決勝戦、頑張ろうね」

 トモの言葉にポーッとなっているミクをその場に残して、手に持っていた食事を食べるために各自の席に戻っていった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「全員食べ終わりましたか?」

 生徒の食事が終わった後、B組担任の佐藤先生の声がレストランの会場の中に響いた。

「これから『クラス選抜 PRS BATTLE』の決勝戦を開始します。決勝戦進出者は防具服を着替える部屋に、それ以外の生徒は3階の大広間に集合してください」

「「「ハイッ!!!」」」

 昨日と同じく、A組から順にレストランを出て、宿泊部屋に戻っていった生徒達。

「三上、頑張れよ!」

「おう、矢田、森、アリガト!」

 部屋に戻り、必要な荷物だけを持り3階へ行くと、矢田と森は大広間の見学席へ。

 決勝戦に出場する俺は大広間の隣、防具服を着替える小広間に向かった。


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