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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最初の行事は宿泊学習!
50/109

5-16

「ユウ、どうした?頭痛かい?」

「おぉ、トモ!俺だって気づいたな」

 声のした方に顔を向けると、俺の目の前には心配そうな顔をしているトモが立っていた。

「天樹くん、『ランクD』のことは『ランクD』同士に任せたら?」

 トモの左横には……厳しい顔をした西郷。

 この女、ム・カ・ツ・ク。

「うおぉぉぉ、トモ、頭がちょっとガンガンして、右手がピリピリしてるんだよぉぉ」

「えっ、頭が……?」

「ちょ、ちょっと、何?」

 俺はトモの右肩に自分の頭を乗せて、頭痛を訴える。

 西郷、トモは返してもらうぜ。

「ユウ、指先が痺れる頭痛は良くないよ。西郷さん、ユウの症状を見たいから他の人に頼んでくれる?」

「えっ、あ、でも……」

 西郷は戸惑いの表情を浮かべたが、トモは気にせず、A組の女子に声を掛けた。

「あっ、桜木さん。西郷さんをお願いしてもいい?うん、ありがとう。じゃあ西郷さん、また後で」

「は、はぁ、分かったわ……」

 不満そうな顔をしながら、西郷は桜木と一緒に施設の中に入っていった。


「ユウ、頭痛はいつから?こういうのは早く言わないと……」

トモは俺の右手首をしっかり掴む。どうやら脈を数えているようだ。

「あー、頭痛は今治まった。心配かけて悪かったなトモ」

 直ぐに仮病だと悟られるのはどうかなと思ったが、トモの真剣な態度に罪悪感が芽生えたんだ。

「ホント、大丈夫?無理して倒れたら大変なことになるよ」

「大丈夫だ、問題無い。それより、西郷の側にいなくていいのか?」

 西郷とのことを何て聞こうか悩んでいたが、ストレートに聞いてみた。

「西郷さん?彼女は今朝メガネじゃなくてコンタクトにしたんだけど、買い物の時に右目にゴミが入って見辛くなっていたんだ」

「そういや、今日はメガネっ娘じゃなかったな」

「メガネはホテルに置いてきたって言って、視力が悪くて片目だけだと遠近感がなくて危ないから」

「じゃあ、トモがグッズ店で西郷と居たのはそれが理由だったのか?」

「バスのステップって高さがあるからね。上るのを手伝っていたんだ」

 当たり前のことのように詳細を話すトモ。

 つまり、トモが西郷と一緒にいたのは人助けだったのか!

 相変わらず優しいと言うか、困っている人をほっとけないトモ。

 まっ、でも真実が分かったところで一件落着だな。

「いやー心配かけて悪かったな、トモ。さっ、加工施設を見学しようぜ」

「ユウがそこまで言うなら……じゃあ、一緒に中に入ろうか?」

「あっ、俺、ちょっとトイレに行くわ、じゃあな!」

「え……ユウ?」

 そうそう中に入ることより、ミクにこのことを伝えるほうが先だ。

 俺はトイレの個室に入るとトモから聞いた話をミクにメールした。


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