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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最初の行事は宿泊学習!
44/109

5-10

「白、三上。青、新山。両者、礼!」

 審判を務める鈴木先生が指示を出す。

 俺と、向かい合っている新山は手を体の横におき、深く一礼をする。

 『RPS BATTLE』の開始の時は対戦相手に敬意を払うため、お互いの頭を下げるのが決まりだ。

 礼を終えた俺と新山はそれぞれの立ち位置に着く。

 入学式でのルール説明にもあったが、『RPS BATTLE』では、自分のバトルスペースから足が少しでも出てしまうと失格になる。

 ジャンケンを出す時、攻撃をする時、防御で体を後退させる時は、自分の足の位置に気をつけなければならない。

 よっしゃぁぁ、気合入るなぁ!

 白いバトルスペースの上に立つと、気持ちが高ぶってくるのが分かる。


「両者セット!……RPS GO!」

 鈴木先生の声に、俺は右脇腹に控えていた右腕を素早く手前に差し出した!

 新山がグー、俺が出したのもグー。あいこだ!

 ほぼ同時に、2つの電光掲示板には「Draw」と点灯された。

「「クッ!ダメか!」」

 前に動き出した体を止める。

 新山も俺も、悔しい気持ちが声に出てしまった。

 あいこの時に相手を攻撃してしまうと、その時点で失格してしまう。

 自分の出した手が勝った手なのか負けた手なのか、瞬時に判断しないといけない。

 両者の電光掲示板から「Draw」の文字が消え、「Replay」と点灯された。

「ドロー、リプレイ」

 鈴木先生の声で、俺たちは姿勢を戻した。


「両者セット!……RPS GO!」

 鈴木先生の声に、俺は右腕を素早く手前に差し出す!

 俺が出したのはチョキ、新山は……チョキ。あいこだ!

 先ほどと同じく、2つの電光掲示板に「Draw」と点灯される。

「クソッまたあいこか……」

 同じ結果に、思わずイラっとしてチッと舌打ちをしてしまった。

 そんなに俺と新山は気が合うのか?いや、俺も新山もBLでは無いはずだ!

「ドロー、リプレイ」

 鈴木先生の声と同時に、2つの電光掲示板にまた、「Replay」と点灯された。

 『落ち着け……確かトモが言っていたな……あいこの確立は1/3で、それが次で3回目だから、1/3×3回で次のあいこの確率は1/9だ!(正解:1/27)』


「両者セット!……RPS GO!」

 鈴木先生の声で、俺たちが出したのは――

 新山がチョキ。そして俺は……グーだ!良し、俺の攻撃権だ!

 俺の電光掲示板に「Attack」と点灯される。

「うりゃあっ!」

 素早く、ジャンケンで出したグーを!

 新山の額目掛けて!!

 素早く叩き込む!!!

「お、おお……」

 俺の拳が目の前に飛んできた新山は動くことが出来ない!

 ガッ!!! ブーーーッ!!!

 俺の電光掲示板から大きな機械音が流れた。

 額に一撃!俺の勝利だ!

 白の電光掲示板には「Hit!!!」と点灯されている。

「ヒット、勝者、白、三上有利!」 

「よっしゃああぁぁぁ!」

 俺は大きく右手を降り上げた。

「試合終了。両者、礼!」

「ありがとうございました」」

 鈴木先生の声で、俺と新山は互いに頭を下げて、敬意を払う。

 これも『RPS BATTLE』の決まり。

 少し浮かれた気分になったが、これはまだ予選だ。気をつけないと。

 ふと、A組の方を見ると、ちょうど防具をつけたトモがバトルスペースに入っていった。


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