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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
最初の行事は宿泊学習!
35/109

5-1

「結構な荷物になったね」

「たった2泊3日の宿泊学習なんだけどな」

 季節はゴールデンウィークが明けた5月中旬。

 俺とトモは今日から始まる宿泊学習に行くため、キャリーバックに着替えや荷物を入れて学校に向かった。

 一年生が対象の宿泊学習は、旭川を中心に道央を旅する。

 他の高校ならクラスの友人同士の楽しい旅行になるんだけど。

 しかし、ここ幸命高校では、宿泊学習に『クラス選抜 RPS BATTLE』が開催される。

 いよいよ勝負の始まりだ。

 勿論、俺もトモも「生徒会長選抜」にエントリーしているが、

 勝ち残った生徒にとっては楽しい旅行になる一方。

 負けてしまった生徒にとっては屈辱の旅だ。

 涙の思い出にならないように頑張らなくちゃ!


「トモ、絶対負けんなよ」

「う、うん……すごい気合が入っているね」

トモは俺の剣幕に少し押されたようだ。

 俺達が学校に着くと、校門の前に数台のバスが縦列に止まっていた。

「これが今日の宿泊学習で俺達や他の奴らが乗るバスだな」

「やっぱりクラス毎に乗るみたいだね。フロントガラスの上にクラスが表記されているよ」

 俺とトモはバスをちらっと見た後、玄関で外靴から上靴に履き替え自分の教室に向かう。

「それじゃあトモまた後でな」

「うん、それじゃあ僕は自分の教室にいくから」

 そんな会話を交わして俺はD組にトモはA組と、それぞれの教室に入っていった。


「おはようー!」

「おっユウ、おはよ~」

 教室にはすでに何人かの同級生が登校していた。

 俺は挨拶を交わしながら荷物を教室の後ろ側に置いて、自分の席に座る。

「コウジ、宿泊学習の詳しい説明は今日だよな?」

「当たり前だろ!今日じゃなかったらいつ説明するんだよ!」

 事前説明はあったが、より詳細な説明は出発前。つまりこれからだ。

 夜中までゲームをしていてすっかり寝不足な俺。

 目の前の席に座っているコウジに天然ボケな発言をしてしまい、突っ込まれてしまう。

 そうだよな。今日出発するのに、今説明が無かったらいつすればいいんだろう。

 自分のアホな発言に思わず苦笑してしまう俺。

「おいおいユウ、しっかりしろよぉ。お前バスの中でのレク係りだろ?」

「ああそうだったな。うっかりしている場合じゃなかったな」

「そうだよ。ユウがボーッとしたら、時実さん可哀想だろ?」

「その名を出すな。俺がレク係りになったのはアイツのせいだ」

 コウジの口からミクの名前が出て、さっきまで寝ていた脳が覚醒した。

 そう、2週間前の5時間目。宿泊学習の役割を決める話し合いが、俺にとって悪夢の始まりだった。


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