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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
時実道場へどうぞ!
34/109

4-6

「ところでミク、あなたも『PRS BATTLE』にエントリーするの?」

 それまでユメの話を聞いていた母親が、ミクの方に顔を向けると心配そうな顔をする。

「うん……私ね、女子生徒会長になりたいの」

「そう。生徒会長になれるといいわね。悔いのないように頑張りなさい」

 本当はミクのことが心配なんだろう。だけどそんなことを口に出さないで、応援をするミクの母親は優しいと思う。

「お母さん、大丈夫ですよ。ミクちゃんならきっと生徒会長になれると思います」

「トモが……お母さん……大丈夫って」

 トモの言葉に、ミクの思考がカルフォルニアまで飛んでいく~。コラッ飛ばされるな!

 ミクの隣にいた俺は、正座していたミクの足の親指をギュッっと抓った。

「イタッ!」

「ミク、お前足が痺れんたんじゃないか?」

 一瞬、俺のことを睨んだミクだが、俺の言葉に幽体離脱した気持ちが元に戻ったようだ。

「足が痺れたの?ミクちゃんにしては珍しいね?こういう時は親指を反らすと……」

 勘違いをしているトモがミクの足の親指を擦ろうとした。

「ヴ、ヴォホン、ミク、足の親指くらい自分でなんとかしなさい」

 その時、師範が口に手をあて、大きく咳払いをした。

「でも、足の血流が悪くなるとエコノミー症候群とか起こりやすくなるので、きちんと診たほうがいいかなと」

 トモは真面目な顔で師範に答えて、ミクの足を眺めている。

 勿論、トモにやましい気持ちは全く無い!

 病人を診る医者のようにしかミクの足を見ていないんだけど……

 トモに足を見つめられているミクの顔は溶けそうなくらい真っ赤。

 このままトモが足に触れたら動悸、息切れで倒れるんじゃないか?

「時実さぁん、少し落ち着いたかしらぁ?」

 トモとミクの間に高峰先生が入ってきて、ミクの足を擦っていた。いつの間にいたんだ?

「あ、あ、大丈夫です……すいません」

 高峰先生に足の指先を揉んでもらって、ちょっと残念な顔をしているミク。

 しかーし、俺の目はミクの肩越しに見える、先生のプルンプルンに……。


「ユウ兄ちゃんも……キレイナオネエサンガスキナンデスネ」

 斜め前から聞こえた背筋が凍りつくほどのユメの声に俺は慌てた。

「あっ、俺は違う、俺はロリ……じゃなくてユメが……」

「三上、うちのユメが何だって?」

 やべ~~っ、返答によっては俺、師範に殺されるぅぅぅ!

 だけど、ユメにも嫌われたくない!

「な、な、何でも無いです!!マジで本当に失礼しましたー!!!」

 俺は床に頭を擦り付けるくらいの土下座をした。

 すると頭の上でパシャッっと軽い機械音が鳴った。

「ユウの土下座、撮っちゃった~」

「バ、バカッ、ミク、そんなもん撮るんじゃねいよ!」

「三上、誰の娘が『バカ』なんだ?」

「ヒエェェェッ!す、す、すいませーん!」

「クスクス……今日はここに来れて良かったわ」

「ホント、時実さん幸せですねフフフッ」

 俺たちの様子を見ていたミクの母親と、高峰先生が笑い出した。

 ……こうして道場開きは平和に楽しく終了したのだった。


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