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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
放課後はファミレス!
28/109

3-7

「――それと自分の体力や気力を知ることよね」

 いつの間にかお手洗いから戻ってきたミクが、椅子に座りながら、トモの話しに付け加えるように話す。

「どんなに体力があっても最初から興奮して飛ばしまくれば、後半はバテてしまって防御すらきちんとできなくなるわ。あいこで長引いても気力が維持できるように自分をコントロールしないと、勢いだけでは勝てないわ」

「そうだね、それも重要なことだよミクちゃん」

「なんだよ~。ミクもそんなことまで思っていたのか」

 俺はトモだけではなく、ミクまでもが真剣に『RPS BATTLE』のことを考えていたと知って、少しショックを受けた。

「だって『RPS BATTLE』は実質1年生と2年生の2回チャンスがあるけど、もし1年生で役員補佐に選ばれたら、『RPS BATTLE』を戦うことはできないのよ」

 ミクの発言に俺はハッとした。

 そうだ生徒会役員は『RPS BATTLE』に参加することができない。


 生徒会長と副会長以外は一芸選抜になるが、補佐役は教職員や生徒からの推薦などもある。

 俺にはあまり関係ないと思うが、トモのような優等生やミクのような柔道が強い外見美人は、補佐として任命される可能性が高い。

 つまり、成績優秀なトモや柔道の達人のミクにとっては、これから始まる『RPS BATTLE』は最初で最後のチャンスかも知れないからだ。

「それと、『RPS BATTLE』は自分の動ける範囲が決まっているでしょう?そこをどうやって活用するかよね」

 『RPS BATTLE』のバトルスペースは体型に関係なく、一人80cm四方。

 防御の為に大きく移動して、足が出てしまうと失格になってしまう。

「後は『動体視力』だね。右からの攻撃か、左からの攻撃かで防御する方法も変わるから」

 ジャンケンに勝った方が相手を攻撃できる。

 その時、攻撃をしてくる手がジャンケンを出した手か、それとも控えていた手か。

 それによって防御の形が変わってくる。

「じゃあ、やっぱり『RPS BATTLE』って頭が良くて体力がないと勝てないのか?」

 トモやミクの話を聞いていると、運だけでは勝てないような気持ちなってきた。

 例えば『RPS BATTLE』では、同じ手を出す「あいこ(引き分け)」の時は、あいこが10回連続した時点で保留試合となる。

 一旦5分休憩を取った後、またどちらかが攻撃権を得るまで勝負が続く。

 つまり、あいこが長く続いた場合、有利になるのは持久戦に強い体力のある者になるからだ。


「うーんでも、ジャンケンで勝たないと攻撃すらできないからね。最終的には運だよ。例えば、あいこの確率は1/3、それが連続10回続く確率は、1/3の10乗だから、59409分の1。だからあいこが10回もつづくことは基本ありえないんだよ」

「そうそう、相手も自分の手を読んでくるから、そんなに心理戦も当てにならないわ」

 確率?確立?10乗?十畳?俺の頭の中のハードディスクが高温になってくるぜ!

「じゃあ、俺は自分の運を天に任せるぜ」

 難しい話についていけない俺は変な小細工を考えず、自然体でいこうと決めた。うん、そのほうがいいや。

「ユウにはそれが一番合っているわね」

「ハハハ、確かにそうかも」

「チッキショー、俺はお前らと違って気合と根性で生徒会長になってやるからな!」

 俺はトモとミクを睨みながら、自分に気合を入れたのだった。


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