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RPS BATTLE SCHOOL  作者: 赤木梓焔
入学式~他の高校とはちょっと違うぜ!
17/109

2-6

「――それでは本校の学校祭及び学校説明会で既に見学している生徒がほとんどだと思いますが、改めて『RPS BATTLE』のデモ試合を始めます」

 十文字生徒会長の合図で、ステージの上にあったマイクや机が片付けられた。

 同時に今度は様々なものが置かれていく。

 先ず、80cm四方の白色と青色の大きな板のようなモノが運ばれ、ステージの上に並べられる。

 どうやらこれがそれぞれのバトルスペースになるようだ。

 次に電光掲示板のようなものが2台、それぞれのバトルスペースの横に置かれる。

 電光掲示板の横には机が置かれ、その上にはノート型パソコンが1台。

 生徒数人と先生方がステージの上を、道具を持ちながら、歩き回っていた。

 準備が終わると、再び十文字生徒会長がステージの右端に姿を現した。


「それでは審判と選手はステージに上がってください」

 手にマイクを持って話す女子生徒会長の言葉で、3人の人物がステージに上がった。

 1人は天堂先生だと分かった、が。

 2人は冊子の写真と同じ、白い防具服と頭まで覆われた白いマスクを着けている。

 剣を持っていないフェンシングの選手のような姿なので、誰だか分からない。

 2人はそれぞれ、白色と青色のバトルスペースの中央に入る。

 よく見ると、青色のスペースに入った選手の腕のところには青いテープが付いていた。

 天堂先生はバトルスペースの外側だが、2人の選手の間に立つ。審判を努めるのは天堂先生のようだ。

「白、田中。青、後藤。両者、対戦相手に敬意を払い、礼!」

 天堂先生の声が体育館に響く。服にマイクが付いているようだ。

 向かい合っていた、白の田中と青の後藤と呼ばれた選手が互いに一礼をする。

 礼を終えた2人は腕を腰の辺りに浮かせた姿勢になった。

 すると天堂先生は右手を自分の肩くらいの位置に上げて合図を出した。


「両者セット!……RPS(アール、ピー、エス) GOゴー!」

 この『RPS BATTLE』では「じゃんけんぽん」ではなく、「RPS GO」と合図を出す。

 天堂先生の声で、2人の右腕が動いた。

 田中グー、後藤グー。あいこだ!

 ほぼ同時に、2つの電光掲示板には「Draw(引き分け)」と表示された。

 手を出した瞬間、後藤の左手は自身の胸元に移動していて、田中は体が前に動いたが、直ぐに背中を反らした。

 両方が同じ手を出す「あいこ」の時に間違って攻撃をすると「警告(Advice)」となり、イエローカードになる。

 イエローカードが2枚なると、レッドカードで失格だ。

「ドロー、リプレイ(再試合)」

 天堂先生の声で、両選手とも姿勢を戻した。

「両者セット!……RPS GO!」

 天堂先生の合図で、再び2人の右腕が動く。

 田中パー、後藤チョキ。青、後藤の勝ち、攻撃権を得た!

 青、後藤の電光掲示板にだけ「Attack(攻撃)」と表示された。

 すると後藤は左手を田中の右側頭部に素早く打ち込んでいく――!

 しかしそれより早く田中の右腕が素早く上に移動し、後藤の左腕を払いのけた。

「「オオォォーッ!!」」「「アァーッ!」」

 その瞬間、会場のあちこちからため息のような声が聞こえる。

 今度は白、田中の電光掲示板に「Defense(防御)」と表示された。田中の防御が成功する。

 後藤は悔しさを表すように、地団駄じたんだを踏んだ。


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